バックナンバー 2014年 5月

伏見区選出の曽我修でございます。公明党京都市会議員団を代表し、平山賀一議員とともに一般質問をさせていただきます。市長はじめ関係理事者におかれましては、明快で分かりやすいご答弁を、よろしくお願い申し上げます。

自公連立政権の第二次安倍政権が誕生して1年4か月が経過しようとしております。この間、安倍政権はデフレ経済の脱却、日本経済の再生に向け、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略という3つの政策を「3本の矢」として同時展開され、着実に成果を上げてきております。

1本目の矢である日銀による異次元の金融政策、2本目の矢である国民の生命と財産を守るための国土強靭化を柱とした財政政策が功を奏し、昨年度の実質GDPは前年度を上回り、鉱工業生産指数をはじめとする各種経済指標は軒並み改善したほか、日経平均株価は1年間で5割以上も上昇しました。

また、企業業績の回復に比べ、その効果が遅れて表れるといわれる、雇用や賃金についても、今年3月の有効求人倍率が6年9か月振ぶりの高水準となるなど、明るい兆しが随所で見られるようになってまいりました。

今後はこうした効果を広く中小企業にまで波及させるとともに、雇用においても若年層の正規雇用を一層拡大させるなど、景気回復を全国に行き渡らせるよう取り組む必要があります。そのためにも、第3の矢である「成長戦略」の実行が、とりわけ重要であります。

政府の成長戦略では「民間の力を最大限引き出すこと」「女性・若者・高齢者をはじめとする全員参加による総力戦で挑むこと」「技術立国日本を再興すること」を成長への道筋として掲げ、その下に具体的な取り組みとして「日本産業再興プラン」、「戦略市場創造プラン」、「国際展開戦略」が策定されています。

この中の、「日本産業再興プラン」の柱の一つに「世界最高水準のIT社会の実現」がうたわれています。私たち公明党市会議員団も、かねてより行政のあらゆる分野でのICTの積極的な利活用を提言してきたところであり、26年度予算要望においても、「市民サービスの向上に資するための電子自治体ICTガバナンスの実現」を掲げております。

こうした中、京都市では未来の京都への先行投資のための新規事業として「京都未来交通イノベーション研究機構」を立ち上げるための予算を本年度計上されました。この研究機構においては「ICT」を基盤技術としてヒトやモノの移動を、より安全、便利、快適にするという目的の実現に向けて、行政と企業、大学などが連携して、20年後の京都の交通の姿も想像し、京都発の新たなサービスや技術を開発していくこととされています。

技術やサービスの開発は、2年から3年先に実現する比較的短期的なものから、20年先を想定した長期的なものまで、また、研究テーマも人の移動から観光、物流、防災など交通に関係する幅広いテーマを取り扱うとされています。

そこで私は、この研究を進めるに当たって2つの事をお願いしたいと思います。それは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催です。

前回の東京オリンピックは、日本がまさに高度経済成長期の開催であり東海道新幹線や高速道路など数々のインフラが急ピッチで整備されました。京都市においても同様にインフラ整備が進みその結果、多くの外国人観光客が日本にそして京都に訪れ、まさしく「インバウンド元年」だったと考えます。

その意味において、前回大会同様に、インバウンドを飛躍的に発展させる契機としなければならないと思います。そのためにも外国人観光客が言葉の壁を感じることなくスムーズに移動でき、ストレスなく京都の魅力を堪能していただくためのサービスをぜひ開発していただきたいと思います。

もう一つは研究機構に対する市民や観光客の皆さんの参画と協力です。様々なサービスを開発していくためには、情報やデータの収集が重要だと思います。こうした情報の収集について、市民、観光客をはじめ京都には留学生を含めた多くの学生が学んでおられます。こうした方々に協力を呼びかけ集まった情報を新たなサ-ビスとして還元していくという循環を実現していくことが重要だと考えます。

こうした技術やサービスを京都において、実証・実用化することにより、交通・移動分野における市民の皆様の安全や利便性の向上を実現するとともに、全国への展開を目指すことにより国の成長戦略に京都から貢献していくことができると思います。具体的にどのような研究がなされ、どのようなサービスが実現していくのか、今後のスケジュールなどお答えください。

答弁者 門川市長 京都未来交通イノベーション研究機構は、20年後の京都の交通を展望し、産学公が連携して最先端のICT技術を駆使した研究・開発を行い、ヒトやモノが安全、快適そして効率的に移動できる究極のスマートシテイの実現を目指すもので、現在、本年夏の立上げに向け、企業や大学等に働きかけを行っているところです。研究の内容としては、物流の一層の効率化や将来の自動運転のクルマの実用化を踏まえた研究など、幅広いテーマに取り組んで参ります。一例で言えば、最先端の人工衛星「みちびき」を活用してスマートフォンからその人の位置情報を正確に把握したうえで立体的な三次元地図や公共交通、観光などの情報が容易に入手できる仕組みを2年後を目途に整備してまいります。研究の推進にあたっては、議員ご指摘の通り、東京オリンピック・パラリンピックを見据えることが重要であり、また、研究に伴う情報の収集、サービスの提供などにおいて市民や観光客の皆様など多くの方の協力と参画をいただくことなどにより、当機関の取り組みに共感を得られるよう取り組んでまいります。こうした、取り組みを景観面や狭隘な道路などの制約がある京都において実現することに大きな意義があると考えており、政府の進める成長戦略に呼応し、京都発の新たな成長に挑戦するモデルとなるよう、全力を傾注してまいります。

水害対応についてお伺い致します。

本年も、また出水期を迎えようとしております。

昨年9月の台風18号では、全国で初めてとなる「大雨特別警報」が発令され、市内各地で大きな被害が発生しましたが、幸い人的被害は最小限にとどめることができました。これもひとえに、地域住民の皆様の賢明な判断と行動、そしてそれを支える自治会、水防団、消防団をはじめとする各種団体の皆さんの総合力のたまものであると確信をいたしました。

 今後も、こうした台風やそれに伴う大雨による浸水などから、市民の皆様の尊いいのちを守るためにも、まず一人一人が正しい情報をいち早く知ることが肝要であり、そのためにも、京都市から避難勧告の発令を、市民の皆さまが、心の準備と身の安全を十分に確保できる適切な段階で行っていただく必要があると考えます。

 そこで、まず1点目として、市災害対策本部の前線基地となる各区役所・支所の災害対策本部に市役所の関係部局、警察や防災関係機関はもとより、地域の消防団や水防団、自主防災会などから、避難勧告等の判断に必要な山や河川、用水路や道路などの情報が迅速に入るような体制を日常から構築しておく必要があると考えます。台風18号を教訓として、今後どのような取り組みが行われていくのかお聞かせください。

2点目として、水災害時の避難所の指定についてお伺いします。

台風18号が京都に接近した際には、市内各所での道路が冠水し、多くの住宅でも床上、床下浸水に見舞われました。とくに、伏見区におきましては、指定避難所の、ある小学校では周辺道路が冠水し、避難所に行くにも行けなかったり、また他の小学校ではグランドが冠水し、避難先である体育館の目の前にまで水が迫ってきている状況であったことから、すでに体育館に避難されていた住民の方々が、区役所と連携を図り、急遽、近隣の民間施設に避難される事態となったと伺っております。

水災害時の避難所については、現在指定されている避難所とは別に、浸水想定も考慮した場所を新たに指定することなど検討しておく必要があると思いますがいかがでしょうか。既に、地域ごとに検討を始められていると伺ってはおりますが現状についてお答えください。

3点目は、避難所における住民リーダーの育成についてお伺いします。

現在、京都市では、大規模災害の発生時に、地域の住民自らが、避難所を開設・運営できるよう、区役所と地域住民の方々が連携を図り、市内全避難所においてマニュアル作りに取り組んでおられます。

しかしながら、マニュアル作りや避難所運営訓練の取り組みが始まって間もないこともあり、先の台風18号では実際の避難所運営において、リーダーシップが十分に発揮されておられなかったところもあると伺っております。

今後、より一層避難所がスムーズに運営されるため、避難所における様々な役割を担うリーダーを多く育成していくことが必要だと考えますが、いかがでしょうか。

以上の3点、水害対応に係る情報連絡体制、避難所の新たな指定、住民リーダーの育成についてお答えください。

答弁者 門川市長 1、水害対応に係る情報連絡体制について、的確な避難勧告などの発令のためには、桂川などの特定の河川を対象に発表される、はん濫警戒情報などに加えて、小河川や用水路の水位情報など現場でしか得られない情報の把握が重要であります。このため、この5月に八幡市や長岡京市など近隣の市や町と連携し、淀大橋下流で実施した平成26年度大規模合同水防訓練において、円滑な情報伝達のため、水防団や消防団が現場活動から得た情報を、互いに共有する訓練を行いました。今後は、無線を活用した水災害時の情報伝達訓練についても進めてまいります。さらに、これらの現場で共有した情報が、台風18号に係る総括に基づき派遣することとした、消防署などからの情報連絡員(リエゾン)を通じて、区・支所災害対策本部にもれなく集約され、地域の自主防災会や住民の皆様にも情報が行き届くよう日常的に訓練を重ねてまいります。こうした、取り組みにより、災害時の緊急対策を的確に行い、市民の民様が安心安全を実感できるまちづくりを進めてまいります。

2、水災害時の避難所指定についてでございます。先の台風18号における、避難所開設時には道路などその周辺の浸水のため、一部の体育館が避難所として利用していただくことができませんでした。そこで、こうしたことを教訓に浸水が想定される区域内にお住いの方々が、地元学区外の浸水被害が及ばない地域に避難するための緊急避難場所の指定について、住民の方々と十分に協議し、対策を進めてまいります。また、地域主体で進められている民間事業者との協定による避難先の確保についても、しっかりと支援してまいります。さらに、こうした取り組みと合わせて、まずは浸水想定区域内にある137校の小・中学校について校舎の2階以上を、水災害時の新たな緊急避難場所として本年の出水期までに開設できるよう調整を進め水災害時の避難に万全を期してまいります。

答弁者 藤田副市長 3、避難所における住民リーダーの育成についてでございます。全避難所418箇所のうち、現在、180箇所において避難所運営マニュアルの策定を完了しておりますが、昨年の台風18号時においては、マニュアルの策定が完了していた地域では避難所の鍵の保管者が特定されていたこともあり、スムーズな開設が行われました。一方、避難所運営訓練の取り組みが始まって間もないこともあり情報把握などが行われないなど避難所の運営面では、必ずしも十分ではなかった地域もありました。そうした点でも、避難所における住民リーダーの育成は重要であると認識しており避難所運営訓練を重ねるとともに、避難所ごとの運営協議会の代表者をはじめ運営の中核を担う方々を対象に、地震・水災害など防災に関する知識・技術を身に着けていただくための研修会や講習会を実施するなど、重点的に取り組んでまいります。

学校給食の充実についてお伺いします。

昨年12月に,日本人の伝統的な食文化である「和食」が,「自然を尊重する日本人の心を表現したものであり、伝統的な社会慣習として世代を越えて受け継がれている」と評価され,ユネスコ無形文化遺産に登録されました。この間,登録に尽力された和食関係者の皆様に敬意を表する次第です。

また,ユネスコの無形文化遺産登録に先立つ10月には,本市においても「市民が残したい‘京都をつなぐ無形文化遺産’制度」の第1号として,「京の食文化-大切にしたい心,受け継ぎたい知恵と味」が選定されました。

今,世界では「和食」ブームが起こっていると言われています。海外の和食店は大人気で,農水省の推計では,2006年に世界で24,000店あったものが,2013年には55,000店となるなど大きな広がりとなっています。

このように世界から「和食」に熱い視線が注がれる中,和食文化の源流でもある「京都の食文化」を守り,世界に誇る日本人の心の文化をしっかりと市民の皆様と共有し,とりわけ次代を担う子どもたちに伝えていくことが大切であると考えます。しかし,現実には,生活の洋式化に伴う食生活の変化や,また核家族化等の社会環境の影響により,家庭や地域で,子どもたちに「和食」の伝統が伝わる機会が減少してきており,若者の和食離れが進んでいます。

そうした中,本市ではこれまでから給食で「京のおばんざい」や「伝統行事にちなんだ献立」など,和食の献立を工夫され,また,学校教育のあらゆる機会を活用して,「知る」という漢字を使用した「知産知消」を核とする食育に取り組み,NPO法人等の協力も得て,子どもたちが京都の食文化について学ぶ機会を創出してこられました。

そしてこの度,ユネスコの無形文化遺産登録を契機として,学校給食における和食の一層の推進に向けた具体的な方策について検討することとされ,去る4月28日,日本料理の料理人や家庭料理の研究家,学校現場の栄養士や調理員,また学識経験者など,各分野の専門家による検討会議が設置されました。

委員の方々からは、「和食以前の問題が多くある」、「米飯と牛乳は合わない」とか「すべて和食ではなく、世界を学ぶ献立も残してほしい」、また、「マナーも和食の良さの一つ」など様々な意見があったと聞いております。

私はぜひ,この会議での様々なご意見を踏まえ,これまで以上に,子どもたちにとっての食育の「生きた教材」と言うべき学校給食において,和食文化を継承するための,京都らしい具体的な取り組みが進展することを期待しています。そこで、毎月19日の「食育の日」を生かす取り組みなど,理念に偏ることなく、子供たちの声も聞きながら、子供の目線に立った学校給食について、今後どのように「和食」を推進していかれようとするのか,教育長のお考えをお願いします。

答弁者 生田教育長 学校給食における和食の推進についてでございます。ユネスコ無形文化遺産登録や本市独自の「市民が残したい京都をつなぐ無形文化遺産制度」第1号認定を契機として和食に対する国内・外から関心が高まるなか、我が国伝統の食文化を未来に引き継いでいくことは極めて重要であります。そのため、食育の生きた教材である学校給食において和食を一層推進するための方策などを議論する検討会議を先月設置したところであり、今後、子供たちを含め市民・関係者などの幅広いご意見を伺いながら検討を進めてまいります。検討会議では京都の伝統的な家庭料理を活かした献立を増やす方策に加え、一汁三菜の精神を生かした献立を提供する「和食の日」の設定など、和食献立の充実に向けた検討を進めるとともに家庭・地域に対しても毎月19日の食育の日などに、家庭で和食に親しむ機会を増やすよう呼びかけるなど市民ぐるみで取り組んでまいります。

最後に、久我・久我の杜・羽束師地域の下水道整備についてお伺いします。

この地域は、京都市の南西部・伏見区にあって、広大な農地と美しい自然環境が残るまちであり、その歴史は古く、4世紀以降に開墾がなされ、平安京よりも歴史のある地域として、住んでおられる市民の皆さんは日々誇りをもって生活されています。また、この地域は、明治22年の町村制発足を受けて周辺の村々が合併し、昭和25年に京都府乙訓郡から京都市へ編入され、伏見区となってから、今年の12月で64年目を迎えることとなります。

この地域は、これまで都市近郊農業として栄えてきましたが、昭和46年には市街化区域に設定され、工場や小規模住宅などの開発により、市内でも有数の人口増加が著しい地域となっています。

一方、こうした人口増加の背景にある、主に民間主導の住宅開発が進行した結果、暮らしに必要不可欠なまちのインフラの整備が追い付かず、地域住民の皆さんから改善に向けた様々なお声をいただいております。

これらの課題の解決を目指して、平成19年2月に「久我・久我の杜・羽束師地域まちづくり協議会」が設立し、協議が進められ、平成23年に「久我・久我の杜・羽束師地域の総合的なまちづくりビジョン」が策定されました。

まちづくりのテーマとして「多世代が住む緑豊かな誰もが好きになれるまち」の実現にむけ、住民主体のまちづくりが推進されています。このビジョンの基本方針の一つである「便利に暮らせるまち」の中において、「まちの規模にふさわしい機能充実」が掲げられており、地域住民はとくに下水道の整備を望まれているところです。

私も、これまでから市会において下水道整備の必要性を訴えてまいりました。その結果、府道水垂上桂線や外環状線周辺の地域については下水道整備が着実に進められてきております。

しかしながら、当地域の一部においては、汚水幹線の敷設を計画している都市計画道路が未整備であるため、下水道への接続ができず、浄化槽により処理を行っている状況にあり、住宅開発などが進められる今日、地域住民の下水道整備の要望の声はさらに切実なものとなっています。ついては、これらの現状を踏まえると、早急に既存道路を活用した下水道管整備を進める必要であると考えますが現時点での状況をお答えください。

答弁者 水田公営企業管理者 久我・久我の杜・羽束師地域の下水道整備についてでございます。この地域における下水道整備は、昭和54年度に着手し、これまでに外環状線や府道水垂上桂線などにおいて汚水幹線を整備してまいりました。しかし、名神高速道路南側の一部では都市計画道路などの課題により、汚水幹線整備の目途が立たないことから、現在も浄化槽による処理が行われています。曽我議員がご指摘の通り、住宅開発などが進む中、当該地域の下水道整備が喫緊の課題となっていることを踏まえ平成22年度から現地調査を実施してまいりました。その結果、既存道路の狭隘箇所も含めた整備の技術的検討を加え、今年度から3箇年で汚水幹線を新たに布設することといたします。今後、この下水道整備を着実に進め当該地域の良好な都市環境の実現を目指してまいります。

以上、私の質問とさせていただきます。ご清聴、誠にありがとうございました。

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