平成28年9月議会の質問前の原稿(実際の本番の質問とは、若干相違しています。執行部の回答は香南市のホームページの議事録(平成28年9月議会の議事録は準備中です)を参考にしてください。)

2).障害者施設の安全対策について

 ①.施設の安全対策

 ②.措置入院患者の退院後の支援

 

続きまして障害者施設の安全対策について質問させていただきます。

7月26日に、津久井やまゆり園で、障害のある方19人が殺傷されるという痛ましい事件が発生し、社会に衝撃を与えました。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、けがをされた方々の一日も早い回復を念願するものでございます。

容疑者として逮捕されたのは、施設で以前に働いていた男性で、障害者の人権を否定するような発言もしており、強い憤りを感じるものであります。

全国手をつなぐ育成会会長は事件直後、全国の障害者の皆さんに、メッセージを出しました。メッセージには、

障害のある人もない人も、私たちは 一人ひとりが 大切な存在です。

障害があるからといって 誰かに傷つけられたりすることは、あってはなりません。とあります。

そして、

もし誰かが「障害者はいなくなればいい」なんて言っても、私たち家族は 全力でみなさんのことを 守ります。

ですから、安心して、堂々と 生きてください。

と結ばれています。

 

このメッセージにもありますが、行政として、また、議会としても、全力で、障害のある方を守る施策を立案していかなければならないと思うところです。

この事件は、全国の障害者福祉にかかわる皆様にも強いショックを与え、また、障害者施設を運営する法人等にとっては、施設の安全対策を改めて考える必要性に直面することになっています。香南市内の障害者施設を運営する法人についても同様であると思います。この事件の直後、厚生労働省は社会福祉施設等における「入所者等の安全の確保についてと言う通知」を出し、自治体に対し福祉施設の入所者の安全確保について注意喚起を促しております。

そこで質問ですが、厚生労働省の方針も踏まえて、施設の安全対策をどのように考えているのかお聞きします。

 

 

 

 

安全対策の充実を今後ともよろしくお願いします。

この事件の後、香南市内の障害者福祉に携わる方と話す機会がありました。

話の中で、社会福祉施設は地域に開かれた、地域住民と交わり交流を深めてきた面もあり、ハード面の安全を強調しすぎると、これまで取り組んできた地域との交流を進めてきた方針と逆行してしまうので、取り合わせが難しい。つまり、安全対策と地域に開かれた施設運営の方針とのバランスの取り方が難しいとの思いを聞きしました。

結論として、地域との垣根を作るのではなく障害に対する理解が進むような地域づくりをしなければならないとの気持ちもお聞きしました。

事件のあった相模原市では障がいを理解してもらうための市民向けのハンドブックを作成したり、講習会を開いたりする計画があるようです。

ぜひ障害に対する理解が進むような施策を進めていただければと思うところでございます。

 

 

 

②.措置入院患者の退院後の支援

 

次の質問ですが、津久井やまゆり園の事件に関しては、措置入院の解除の是非など様々な検討課題があり、再発防止策についても、現在検討中であります。

その再発防止策の議論の中でも特に重要であると思われるのが、措置入院患者の退院後の支援であると考えます。

事件では、「容疑者の措置入院解除後のフォローアップが十分でなかった」との指摘が出ており、事件の検証及び再発防止策検討チームの中間発表でも、措置入院中から、患者本人、家族、主治医、行政職員などによるケア会議等を開催した上で解除の判断を行うといった取組が重要で、関係機関による退院後の継続的な支援体制が重要である旨の会見をされていました。

特に千葉市などは、この点力を入れており、NHKのニュースなどでも紹介されています。千葉市では昨年10月から、措置入院を解除する前に行政と医療機関、ケースワーカーが本人や家族と話し合ってどのような支援を行うかを決め、定期的に見回りを行うという新たな取り組みを始め。その結果、先月までの10か月で再入院した人が大幅に減少したそうです。

多忙な業務の中でどのように人材を確保するかなどの課題はありますが、このような措置入院解除後の支援は重要なものと考えます。現在、本市において措置入院患者がいるかどうかわかりませんが、現在、いなくても、将来措置入院手続きをしなければならない場合があるかもしれません。そこで、本市において、措置入院解除後の患者さんに対する支援の仕組みはあるのかお聞きします。

 

 

 

再発防止策検討チームの中間発表では、措置入院解除後、退院した患者をどう支援していくか、地域で孤立させず医療、保健、福祉、生活支援の分野が連携できる体制をとることが、ひいては、今回のこのような事件の再発を防ぐことになると発表しておりました。大変難しい課題であるとは思いますが、措置入院解除後の患者を地域で孤立させない仕組みづくりの重要性が、事件再発防止策として、また、地域の安全対策として、今後の厚労省の発表では強調されてくると思いますので、この点対応をよろしくお願いします。

以上で障害福祉関係の質問を終了します。

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香南市 宮崎晃行
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