2007年6月18日一般質問(全文)

(議員になって初めての一般質問です)

発達障害児教育の支援体制について

(1回目の質問)

◆4番(田中千幸君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従い,小中学校における発達障害児教育の支援体制について質問させていただきます。
数年前までは,ちょっと変わった子,すぐ怒り出す子,落ち着かない子,また,物知り博士等々,変わった性格の持ち主,普通の子とは違うと言われていた子供 たち,そして教室の中で「困った子」と思われてきました。しかし,近年,研究が進み,LD,ADHD,また,高機能自閉症との診断がなされ,性格やしつけ によるものではなく,また,心の病気でもない,脳の一部に障害があることが原因の発達障害児であると認知されているのは皆様御承知のとおりです。つまり 「困った子」は,実は「困っている子」であると認められたのだと思います。
そこで,本年3月発行の春日井市障害福祉計画を読ませていただきますと,この発達障害に関しての項目が余り見当たらないとの感を持ちました。これは,身 体・知的・精神の3障害とは異なった位置づけがなされ,立て分けられているからなのでしょうか。私も,この3種の障害とは異なった福祉サービスが求められ ていると感じておりますが,巻末126,127ページの意見・要望欄には幾つかの記述が見受けられました。我が春日井市においても,県の方針のもと,さまざまな施策に取り組んでおられることも理解しております。これらの要望に沿って現場に即した施策が行われることを期待しております。
そこで,発達障害児教育における支援対策の現状について,3点の質問をさせていただきます。
1つ目は,通常学級に在籍する発達障害児の人数と過去3年間の人数の推移をお伺いします。
また,この4月より「こころの相談室ひまわり」において,児童精神科医による相談が追加され行われておりますが,その利用者と利用状況についてあわせてお伺いいたします。
私は,「相談室ひまわり」において医師と親御さんと学校側代表者との三者協議ができると,学校での教育,家庭での生活とそれぞれに連動することによって相乗効果が生まれ,実効性の高い支援となっていくのではないかと考えています。
2つ目は,ADHDなどの児童生徒のいる指導困難学級に対し非常勤講師が配置されており,本年度は増員をされていると思いますが,その現状についてお尋ねします。
3つ目は,発達障害児の支援をしていく上で,もう一つの側面となる,障害児を取り巻く人々が正しい理解を持つことが必要であるとの観点です。精神科医の佐 々木正美先生のお話の中にこんな言葉があります。「当事者の多くは,支援するよりも理解してほしいと言われる」というものです。極論的な表現となっていま すが,正しい理解が最大の支援という意味だと思います。
そこで,広く一般市民の方々に発達障害を知っていただくために,啓蒙活動に取り組んでいただけるような施策もお考えいただきたいと思います。例えば,「発 達障害を知る月間」として市主催のセミナーや展示会などの開催,先般行われたエコライフフェアのような市庁舎ロビーを活用した方法もよいと思われます。
また,すぐに取り組めるものでは,愛知県コロニー内のあいち発達障害者支援センターが発行している啓蒙リーフレットや40ペー ジほどの子育て応援ノートなど,大変よくできたパンフレットですが,これらを公営のさまざまな場所に常備し,啓蒙活動を展開していただけたらと考えます。 冊子というのがこういうものです。「知ってほしいな,発達障害のこと」,こういう裏表のリーフレットでございます。それから,子育て支援ノートというの が,こういうパンフレットでございます。この点についての当局の御所見をお伺いいたします。
以上,3点をもちまして,私の壇上からの1回目の質問とさせていただきます。

(答 弁)

◎教育部長(伊藤滋君) それでは,今,御質問いただきました発達障害児の人数,その推移と相談体制について,また,非常勤講師の配置の現状について教育委員会の方からお答え申し上げます。
小中学校では,特別支援学級に在籍したり通級による指導を受けたりしている子供たちの増加とともに,通常の学級に発達障害の症状を示す子供が在籍しております。
平成14年に文部科学省が実施した全国実態調査によりますと,小中学校の通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒は6%以上と報告されており,ここから推察すると40人クラスで2名から3名となり,市全体では1,600名ほど在籍していることになります。しかし,発達障害として医師など専門家により診断される者とそうでない者があり,御家族,家庭,学校でもわかりづらく,市内各学校での在籍数を調査するのは現状では難しい状況でございます。
各学校では,発達障害がある児童生徒に応じまして支援を行っていますが,一方で,保護者も子供さんの様子について多く悩みを持たれております。その相談窓 口として「相談室ひまわり」を開設し,臨床発達心理士の資格を持つ相談員だけでなく,本年4月より児童精神科医による相談も実施するとともに,相談回数も 3回から4回に拡充しております。この相談には,状況に応じて保護者と子供だけでなく,教員も交えて行う場合もあります。本年度の相談件数は全体で20件あり,そのうち児童精神科医による相談は5月に2名を対象に行われ,発達障害について具体的に保護者にアドバイスを行っています。
次に,少人数対応及び指導困難な学級に対しましては,昨年度より非常勤講師を13名増員し66名を学校の要望に応じ配置しております。
今後とも,保護者の皆さんに相談活動の情報を提供するとともに,「相談室ひまわり」の充実を図ってまいります。さらに,障害のある子供と障害のない子供が 相互理解を図ることは極めて重要なことと考えており,保護者の皆様の理解を得ながら,子供たちの実態に応じた指導法の工夫など発達障害児教育の充実を検討 してまいります。

◎健康福祉部長(入谷直賢君) それでは,発達障害者に関する市民への理解,啓蒙活動についてお答えを申し上げます。
障害に関する意識啓発につきましては,これまで12月の障害者週間に合わせました作品展の開催や障害者シンボルマークの広報あるいは障害福祉サービスガイド,市のホームページへの掲載などを行ってきております。
また,今年度から市民ホールに授産品販売コーナーを設置いたしまして,市内授産施設の授産品の販売を促進するとともに,障害についての意識啓発を図っているところでございます。
しかし,発達障害に関しましては,発達障害者支援法が制定されて間もないこともありまして,これまでには十分な取り組みができておりませんでしたが,今後 は発達障害に関する市民の理解を深めるため,発達障害に関して市広報への掲載や啓発パンフレットの作成など,身体・知的・精神の障害とあわせて行いまし て,市民への意識啓発に取り組んでまいりたい,このように考えております。
また,愛知県コロニーにあります発達障害者支援センターとも連携を図ってまいりたい,このように考えております。

(2回目の質問)

◆4番(田中千幸君) ただいまは大変丁寧な御答弁をいただきまして,ありがとうございます。
ただいま御答弁いただいた中で,春日井市独自で非常勤講師の配置,さらに増員体制をお伺いいたしましたが,私のところに親御さんから寄せられている要望で 多いものは,「専門知識を持った方を補助員につけてほしい」というものです。教員としての指導技術に加え,発達障害に関する知識と対処法を身につけた方の 配置が望まれているわけでございます。
さらに,発達障害児のための教育的支援の理想像としては,一人一人に応じた個別の教育支援プログラムを立て,推進していくことだと思います。
今,自閉症児の支援プログラムとして世界各地で取り入れられ成果を上げている,米国ノースカロライナ州のゲーリー・メジボフ博士のTEACCHプログラム があります。コロニー内のあいち発達障害者支援センターでも講演会の案内などが行われており,新しい時代を開くものになると私も期待を寄せている一人であ り,このような世界的に認められたプログラムを活用して,さらなる研修の機会をふやしていただきたいと思います。
この点についての御所見をお伺いし,2回目の質問とさせていただきます。

◎教育部長(伊藤滋君) 今,御質問いただきました発達障害児に関する知識を持つ教員の配置と研修体制についてのお尋ねでございます。
まず,非常勤講師を含めて,教員の発達障害に関する専門性については大変重要なことと考えております。その専門性を高めるためにも当然研修は必要であり, また,現場教師のニーズも高いことから,県・市主催の各種さまざまな研修に参加して,より専門性を高める努力をしています。
非常勤講師を対象といたしまして,17年度には県教育委員会から講師を招き「発達障害児への理解」,18年度には市内の特別支援教育の中心になって活躍している教員を講師として「ソーシャルスキルトレーニングについて」の研修会を実施しております。このように非常勤講師の力量向上を図っております。
今後におきましても,あいち発達障害者支援センター等専門機関の情報把握に努めるとともに,発達障害に関する研修を充実させ,教育の専門性を高め,より個別の状況に合った発達障害児教育支援策を研究してまいります

(3回目の質問)

◆4番(田中千幸君) 前向きな御答弁ありがとうございました。
最近,テレビの特別番組や,ユニークな取り組みをされている学校での子供たちの投稿などを目にいたしました。発達障害児と同じクラスの健常児が,障害児の 友達の特性をよく理解し,ともに学び合う中で成長している姿,本当に他者のことを思いやれる優しい子供に育っていっているのがよくわかります。発達障害児 がクラスにいることで,周りの子供たち,大人も含めて,共生という社会をつくり出していけるものと確信しています。
「発達障害児,君がいるから僕たちはもっと優しくなれる。君がいるからこのまちはもっと住みよくなれる」,これが,これから築き上げるべき社会であると確信しております。
最後に,教育長の発達障害児教育という御所見をお伺いいたしまして,私の質問を終わらせていただきます。

◎教育長(浅岡正美君) 発達障害児教育の支援体制につきましては,ただいま部長がお答えをしたとおりでございます。
どの子もどの子も,人としてのとうとさは同じだけれども,子供にはそれぞれのよさがあり,それを大事にし,それを伸ばすような場を用意する,それが,人を育てることであり,特別支援教育に限らず,教育全般で大切なことだというふうに思っております。
発達障害を含めて障害を持った子供さんの教育については,障害者発達支援法あるいは障害者自立支援法の施行を背景に,特殊教育から特別支援教育へ,つまり スペシャル・エデュケーション(特別な教育)から,スペシャル・ニーズ・エデュケーション(特別な必要性に応じた教育)へと変わっております。これは,我 が国も参加して,1994年にスペインで行われました国連の合意「サマランカ声明」の線に沿ったも のでありまして,いわゆるインクルージョン教育,つまり個々の教育ニーズに応じ,すべてを包み込む教育を目指すものであると,このように理解をしておりま す。つまり,従来障害児を別の教育の場で分離して対応する方法から,同じ場で一緒に取り組む,そうした考え方に転換するものであり,これは戦後最大の教育 改革とも言われております。
ただいま御質問にもございました,君がいるから僕たちはもっと優しくなれる。君がいるからこのまちはもっと住みよくなれるという言葉は,私もぜひそうありたいものだと,こういうふうに聞かせていただきました。
私ども現場を指導あるいは支援する者といたしましては,今までの特殊教育の経緯と実績を尊重しながら,今までのものをすべて捨て去って新しく始めるという ことではなく,時代の要請にかんがみまして,文部科学省の通知に従いながら,教職員の理解を深め,能力を高めることを初め,目の前の春日井のすべての子供 たちが,個別の教育的ニーズに応じた教育を受けることができることを理想として教育行政を進め,現場を支援,指導してまいる所存でございます。どうぞよろ しくお願いを申し上げます。

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