【テーマ】 牛久市の保幼少連携教育の取組について
【目的】 墨田区は、小学校入学前から小学校・中学校に至るまでの11年間を見通した学習、生活指導により、子供たちの健全な育成を図ることを目的として、平成24年に「墨田区幼保小中一貫教育推進計画」を策定。
平成30年2月には、平成30年度~34年度までの5年を計画期間とする改訂を行い、取組を進めているが、中学校の通学区域ごとにエリア化したそれぞれのブロックにお任せで、教育委員会の主導で進められていない。連携を図るための書類が統一されていないなど、様々な課題が指摘されてきた。こうした課題解決のため、先進事例の牛久市の取組を学ぶことを目的とする。
【内容】
1.牛久市の保幼小連携教育の特徴
(1) よりよい接続のための幼児・児童の交流
(2) 教職員の資質向上のための研修の充実
(3) 配慮児の早期発見・早期支援のための相談活動
2.予算規模
(1)平成30年度・・・1280千円
(2)内訳・・・すべて謝金
・講師謝金(幼児教育研修会、保育相談会)
・巡回相談員謝金(大学教授等、幼児教育アドバイザー、言語聴覚士、市保育カウンセラー)
・保幼小連携サポートチーム謝金
3.今後の保幼少連携の方向性
(1)公立幼稚園・・・教師の研修に関するセンター的機能、保護者への子育て支援機能
(2)地域との連携
・地域の方によるみつろう画の指導
・保護者による「一日ボランティア先生」→一日保育体験をすることで、指導の難しさの理解につながっている
【所感】
①すでに10年余り継続してきていることから、小1プロブレムの未然防止に効果があることは間違いないが、一部には保育園、幼稚園と小学校の交流がイベント的なものとなっており、質の向上が課題とのことだった。
②アプローチ(保幼)・スタート(小)カリキュラムが充実しているとともに、研修の回数が多いことに驚いた。本区における研修とは大きな開きがあり、本区にあった体制が必要となる。
③問題がある、配慮が必要な幼児、児童を注意するのではなく、子供の側に立って考えることを教員に徹底している、との染谷教育長の言葉が印象的であった。
④学習指導要領改訂内容の中心となるアクティブラーニング(主体的・対話的で深い学び)に早くから取り組んでおり、すでに体制が構築されている。