バックナンバー 2011年 3月 10日

 東京大空襲から66年の歳月が経過しました。

 すみだに生まれ育った私は亡き祖母から東京大空襲の話をたびたび聞きました。

 当時は向島の秋葉神社のそばに住んでいたそうです。96パーセントが焼失した旧本所区の一番北の端に位置していたことになりますが、我が家も焼失し、逃げ惑うなか言問橋から見た死体が折り重なった光景は忘れられないといつも語っておりました。

 生死を分けたのは、紙一重の偶然だったのでしょうが、幸い私には空襲で亡くなった身内はおりません。

 そのすみだのど真ん中に東京スカイツリーが明年開業します。

 スカイツリー周辺でも多くの方が亡くなりました。

 どこよりも平和への強い思いを持っている墨田区民にとり、このスカイツリーが観光だけではなく、平和のシンボルになってほしいと願うのは私だけではないと思います。

 東京都においては1990年代に平和祈念館建設構想がありました。歴史認識の違いから都議会各会派がイデオロギー論争を始め凍結されたままになっています。財政難も一因と聞いていますが、現在では都議会の合意を得て実施するとされています。

 見解の相違を超え、戦争に対する認識を次世代につなぎ平和を望む日本人の心を発信する施設がなぜ東京にないのか?

 沖縄や広島、長崎には戦争犠牲者を追悼し、情報を発信する平和関連の施設が数多くあります。

 まもなく、都知事選が行われますが、候補者には、ぜひ凍結されたままの「平和祈念館構想」についての自身の考えを述べてほしいものです。戦争体験の語り部も多くは70代以上。残された時間はあまりありません。ぜひとも、政策課題にあげてほしいものです。

 東京都が動き出さないので、それならば区独自に平和祈念館、あるいは平和公園の開設をこれまで提言してきましたが、本来は東京都が実施することが望ましいと考えています。

 スカイツリーの成長する姿を眺めながら、その周辺で亡くなった方々の思いを伝えていかなければならないとの強い意志を確認する毎日です。

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