市民参加型議会
政務調査費について、一部の議員のずさんな使い道や管理がマスコミで報道されたことで地方議員への不信感に拍車がかかった感がありますが、第1回で述べたようにもともと議員は日常何をしているか分からない。議会は必要なのか、といった思いが区民の中にあると思います。そして、信頼を取り戻すために議会・議員の役割と責務を区民に理解してもらう、すなわち議会の見える化が必要であるといったこともこれまで述べてきました。
ではどうすれば議会の見える化を進めることができるのでしょうか?
象牙の塔あるいは雲の上の存在のように思われるか、バカにされるかのどちらかのような存在になってしまった議会を理解してもらうのは並大抵の努力でできることではありません。
私はこの課題を解決する唯一の手段は、徹底して市民参加型の議会に改革することだと思います。
詳細は後日「議会基本条例」の項で述べますが、議会本来の目的や役割・責務を明確にし、区民に開かれた議会を進める上で条例化は最低限必要なことです。中身のない条例では意味がありませんので時間をかけ議論する必要がありますが、その条例の中で最も重要な要素が市民参加をどのように進め、制度化するかということです。したがって議会基本条例制定過程の中においても有権者に積極的にかかわっていただくことが重要と考えます。
議会改革の先駆的事例として有名な北海道栗山町では2000年4月に施行された地方分権一括法を契機に議会改革に着手しました。こうした自治体からすれば墨田区は10年遅れているといわれそうですが、墨田区においても議会の在り方を少しずつ見直しはしています。しかし、議会基本条例を視野にいれた本格的な改革はこれからといったところです。
墨田区においては、開かれた議会という視点から、これまでインターネット中継の開始やホームページの充実、政務調査費の透明化などを進めてきましたが、本格的な議論はまだ始まっていません。
もちろん、これらのことも重要ですが、私が考える区民に開かれた議会とは
①議会報告会の開催
②一般会議または区民会議の開催(区民との意見交換の場)
③各種団体と議会との意見交換
④請願・陳情提出者による説明
⑤出前議会、夜間・休日議会の開催
⑥議会モニター制度の導入
⑦会期の変更・予算委員会の常任委員会化
これらについて有識者、区民の代表を交えた場で議論することが望まれます。
すべてが実現できることはないと思いますが、こうした議論そのものを区民に開かれた形で進めることが重要です。
市民の参加を主張すると、市民の代表が議員だから必要以上に市民を議会に参加させる必要はない、行政が市民の声を聞くことは議会軽視だ、といった意見も出てくるので、真の市民参加型議会の構築は困難ですが、やり遂げねばならない最重要の課題です。