はじめに
昨今地方議員の数が多すぎる、報酬が高すぎるといった批判の声をたびたび聞きます。マスコミも同様の主張をしておりますし、したがって私どもを支援していただいている方々の中にも同様の思いを持っている方が多いようです。一般的にどんな職業であれ、仕事の内容が理解され、ミッションを達成するために行動し、その結果が見える形で情報として伝わっていれば、こうしたイメージが作り上げられることはないと思います。しかし現実は、地方議員は何をやっているかわからない、地方議会は必要ないのではないか、と感じている方が圧倒的だと思います。議員はボランティアでよいという指摘も、日当制にするべきだという批判もこうした地方議会・議員に対する不信から生まれたものと理解します。逆にいえば、議会・議員の役割・責務が正しく理解され、期待にこたえていると市民に認識されていれば、こうした声も出てこないだろうにと、残念でなりません。
私としては、墨田区議会議員として活動してきた経験から申しあげると、こうした批判が生まれることも無理ないというのが残念ながら実感です。しかし、これは墨田区議会および墨田区議会議員がたいして仕事をしていないということではありません。これまで2期7年半、他の自治体の議員とも交流し、先進的な議会改革の事例を研究した結果、全国的には批判されても仕方ない、質の悪い議会があり、議員がいるということです。
では、どうすれば議会・議員の信頼を取り戻すことができるのか。その前提として、議会・議員がなぜ必要なのか。私のこれまでの経験も踏まえ、今後綴っていこうと思います。長期間にわたる連載になると思いますが、『ご期待に添える議員とは?』をあらためて自らに問いながら続けてまいります。