バックナンバー 2012年 12月

レアメタル等の回収・リサイクルの取り組みについて

―「小型家電リサイクル法」の成立を受けて―

携帯電話やデジタルカメラなどの使用済みの小型家電に含まれるアルミニユム、貴金属、レアメタル(希少金属)などの回収を進める小型家電リサイクル法(使用済み小型電子機器等再資源化促進法)が、公明党の主導により、本年(2012年)8月に成立し、来年(2013年)4月に施行となります。

現在、小型家電に含まれるレアメタルや貴金属は多くを輸入に依存し、その大半はリサイクルされずに、ごみとして埋め立て処分されていますが、同法により、市町村が使用済み小型家電を回収し、国の認定を受けた業者が引き取ってレアメタルなどを取り出すリサイクル制度が創設されることになります。

新制度では、消費者や事業者に新たな負担や義務を課すこれまでの各種リサイクル法とは異なり、自治体とリサイクル事業者が柔軟に連携して地域の実態に合わせた形でリサイクルを推進することが狙いとなっています。

レアメタルの回収・リサイクルについては、公明党が積極的に推進し、2008年には党青年委員会が使用済み携帯電話の回収・リサイクル体制の強化を求める署名運動を展開し、体制強化を要請した結果、リサイクル拡大のモデル事業が国の予算に盛り込まれるなど回収・リサイクル促進への道筋を付けてきました。

今回の小型家電リサイクル法の目的は  

①資源確保  … 鉱物資源であるレアメタルなどの確保

②有害物質管理 … 鉛などの有害物質の環境リスク管理

③廃棄物減量化 … 最終処分場への埋め立ての減量化

の3つの視点を踏まえた循環型社会形成の推進を目的としています。

既に先駆的に取り組んでいる地方自治体もありますが、制度導入は市町村の任意であり、回収業務の中心的役割を担う市町村がどれだけ参加できるかがリサイクル推進のカギとなります。

各務原市は環境行動都市として、さらなる循環型社会の構築に向け、今後の積極的な取り組みが期待されますので、以下質問します。

質問1.使用済の小型家電の回収を実施、普及啓発への考えを伺います。

次に、対象品目は主に一般廃棄物である小型家電のリサイクルを促進させる制度であり、一般廃棄物の中の電気機械器具・通信機械器具・電子機械器具・電子計算機・医療機器・電球、電気照明、時計、ゲーム機、電卓、楽器、電子玩具、電動工具、その他付属品などの品目が対象品目として推奨されています。(この対象品目は各自治体によって自由に選択することができます。)

モデル事業で行われた回収方法の事例として、

①、ボックス回収 「回収ボックス(回収箱)を様々な地点に常設し、排出者が使用済小型家電を直接投入する方式」

②、ピックアップ回収 「従来の一般廃棄物の分別区分にそって回収し、回収した一般廃棄物から使用済小型家電を選別する方式」

③、ステーション回収 「ステーション(ごみ排出場所)ごとに定期的に行っている資源物回収に併せて、使用済小型家電回収コンテナ等を設置し、使用済小型家電を回収する方式」

④、集団回収・市民参加型回収 「既に資源物の集団回収を行っている市民団体が、使用済小型家電を回収する方式」

⑤、イベント回収 「地域のイベントにおいて回収ボックス等を設置し、参加者が持参した使用済小型家電を回収する方式」等がります。

小型家電リサイクル法の基本的な考え方 として

既に小型家電のリサイクルが一部の地域や品目において先行的に行われており、その先行的取組を活かしながら、地域の実態に合わせた形でリサイクルを実施する促進型制度の取り組みを全国的に広げていくことになっています。そこで、

質問2.モデル事業で行われた回収方法の事例から、各務原市はどのような回収方法を考えておられるのか伺います。

質問3.自治会での不燃ごみ回収日には、電化製品が抜き取られることが日常化していますがどのように対応されるのか。

答弁 現在、市民北清掃センターで市民、事業者から直接搬入された小型家電を含む家電製品を分別して金属回収業者へ引き渡してリサイクルしており、小型家電リサイクル法の施行後は、北清掃センターへ直接搬入された家電製品を認定事業者へ引き渡すことを検討している。抜き取り行為に対する資源の所有権が、市に帰属する規定を盛り込んだ条例の制定を検討してまいります。

要望 小型家電リサイクル法制度導入は自治体の任意であり、回収業務の中心的役割を担う市町村がどれだけ参加できるかがリサイクル推進のカギとなります。環境行動都市各務原市が導入をしていただけるのですから、是非とも他市の模範となるよう万全の準備をしていただき、「都市鉱山」と言われる小型家電に含まれるアルミニュム、貴金属、レアメタル(希少金属)などの回収事業を宜しくお願い致します。

介護保険制度の改善の一環として

福祉用具購入費及び住宅改修費の受領委任払い制度の導入をしては

平成12年4月に介護保険制度が始まり12年が経過しました。これまで3年ごとの見直し規定に則って、そのつど制度等の見直しが行われてきました。本年4月には介護報酬が改定され、各地域で新たな計画がスタートしたところです。人口に占める高齢者の割合が年々増加する中、介護保険サービスの受給者数(1カ月平均)も制度創設時の約2.2倍に増えており(平成22年度)、介護保険を取り巻く状況は年々変化している状況です。

今後、特に都市部を中心に急速に高齢化が進むことが予想される中、介護事業者・従事者・利用者それぞれの立場から多岐にわたる現場のニーズを受け止めつつ、状況に合わせた見直しがますます重要となります。

最近、制度上の改善として多く寄せられる現場の声の一つが、福祉用具購入費及び住宅改修費の補助について、いわゆる「償還払い」だけではなく「受領委任払い」を選択できるように改めてほしいというものです。

介護保険での福祉用具購入費(ポータブルトイレや入浴用いすなど)及び住宅改修費(手すりや段差解消)の支給は、利用者がいったん全額負担し、その後申請をして保険給付分の9割を受け取る「償還払い」が原則となっています。一方で、一定の要件を満たせば、利用者が自己負担分の1割分のみを事業者に支払えば、残額は自治体から事業者に支払われる「受領委任払い」を導入し、「償還払い」との選択制をとっている自治体も出てきています。

H23年4月1日時点で、受領委任払いを導入している自治体は、厚生労働省老健局調べで回答の有った1584自治体の中で、福祉用具購入費で427の自治体 住宅改修費で543の自治体です。

利用者にとっては、一時的であれ全額負担となると相当な経済的負担を強いられることになります。「償還払い」のみで制度運用している各務原市では、「受領委任払い」の導入を進めることで実態として利用者の負担軽減を図ることができます。「受領委任払い」の導入を市長はどうお考えでしょうか伺います。

答弁 申請書類等の審査体制を整え利用者の利便性の向上と経費の負担軽減を図るため「受領委任払い制度」の導入に向け検討を進めていきます。

骨髄ドナーの継続的確保に向けて

~骨髄ドナー助成制度の創設~

白血病や再生不良貧血などの血液難病に苦しむ患者への有効な治療法の一つが「造血幹細胞移植」です。この移植医療を発展させ、患者により良い治療を提供するために、先の通常国会では、「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供を推進する法律」(略称:造血幹細胞移植推進法)が成立しました。この法律が成立したことにより、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、さい帯血移植の3種類の移植術のうち、患者が最適な治療法を選択できる実施体制が整備されることとなります。また、現在、造血幹細胞移植の潜在需要の5~6割しかニーズを満たしていませんが、今後、こうしたニーズに応えていくことも大きく期待されているところです。

さて、造血幹細胞移植という治療法は、他の治療法と異なり、患者と医療の他に、「提供者」という篤志家の存在が不可欠な治療法です。つまり、骨髄やさい帯血などを提供して下さる善意のドナーがいて初めて成立します。

しかし、せっかく骨髄バンクに登録され、移植希望患者のHLA型が適合しても、最終的に骨髄提供まで至らないケースが4割程度あります。その理由としては、骨髄提供者(ドナー)の通院・入院時における休業補償がない等ドナーの負担が重いことが挙げられています。

現在、新潟県加茂市や島根県浜田市などでは独自に「ドナー助成制度」を立ち上げています。ドナー助成制度の目的は、(財)骨髄移植推進財団が実施している「骨髄バンク」事業において、骨髄提供のドナー候補者になられた方の多くが最終的に骨髄の提供をキャンセルしていることから、骨髄の提供に伴う休業や子供の保育、家族の介護などを経済的に支援するため助成金を交付することとしたものでドナー候補者になられた方が最終的に骨髄の提供につながること、又ドナー登録者を増やすことを目的として骨髄移植ドナー支援事業を実施しておられます。

助成の内容は、骨髄・末梢血幹細胞の提供のために通院、入院に要した日数について、1日につき2万円の助成金を交付するものです。

助成額としては、骨髄の提供に際して、

①  健康診断にかかる通院   ②自己血液輸血のための採血にかかる通院 

②  骨髄の採血にかかる入院日数に対して助成するもので1人 7日を限度に14万円です。

全国骨髄バンク推進連絡協議会H24年10末現在発表で、全国の移植数累計は14,843人 採取数累計は14,849人です。このうち骨髄移植患者で岐阜県にお住まいの人数は204名で、岐阜県内病院での骨髄移植人数の累計は12名です。 そして骨髄提供者で県内にお住まいの人数は276名 岐阜県内での骨髄採取人数の累計は36名です。

この数字から分かるのは、県内医療機関での移植件数と骨髄採取は少なく、岐阜県外での骨髄移植手術は192名 骨髄採取は240名行われていることを示しています。

現在、岐阜県内の移植希望者累計登録者数は449人 現在の移植希望者は27名です。

そして、岐阜県内の18歳から54歳までのドナー登録対象年齢数は919名で、登録対象年齢人口における千人当たりの登録者数は4.87人で、全国平均の7.02人より低く、全国1位の福島県の15.84人と比べると3分の1以下になり全国ワーストの8番目です。又、市内在住者のドナー登録の現状は、H23年4名 本年は10月までに4名です。市内のドナー登録の現状は決して良い状況とは言えません。

このような状況を市長の判断で好転して頂きたく質問します。

(問1)造血幹細胞移植を推進し、患者により良い治療を提供していくためには、何よりも国民・市民の理解が必要です。造血幹細胞移植推進法第10条では、国とともに地方公共団体も理解を深めるための必要な施策を講ずるものとすることとなっています。当市としてどのように取り組むおつもりなのか、具体的な答弁を求めます。

(問2)「ドナー助成制度」は国が考えることで、市が考えることではないと言われる方もおられますが。「提供者」という篤志家の人に対しての各務原市としての「心の優しさ・姿勢」だと考えます。国が制度化する前に当市において命のボランティアを支援する「ドナー助成制度」を立ち上げるべきと考えます。市長のお考えを伺います。

(問3)ドナーの負担というのは、経済的な負担だけではありません。例えば子育てや介護をされている方々もなかなか都合を付けることができないために、ドナーになれないといった話も伺っています。子育てや介護でドナーになりたくてもなれないということがないよう、当市の介護や子育て支援施策において、ドナーに対して最大限配慮を図るべきではないかと考えますが、具体的な答弁を求めます。

答弁 広く市民に移植医療の理解を得るため、ホームページへの掲載、公共施設へのパンフレットの設置やイベントを利用したリーフレットの配布など様々な機会を捉えて、周知に努めていきます。

造血幹細胞移植推進法の成立を機に移植医療や骨髄バンクのドナー登録に対する市民の理解と協力、社会全体においても提供しやすい環境づくりが重要で、市としても保健所等の関係機関と連携し引き続き市民への啓発活動を実施するとともに、助成制度の在り方の含め、骨髄提供しやすい環境整備を図ってまいります。

要望 移植を希望しながらも、移植までたどり着けず、命を落とされる方も数多くおられます。

1人でも多くの人に命を救うため、今回の法律成立を契機に、「人にやさしい街づくり」「支え合う街づくり」を進める各務原市です。市民に対して骨髄移植ドナーへの理解を深める取組を更に進めていただき、ドナー支援をしっかりと行って頂きたいと強く要望申し上げます。

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各務原市 横山富士雄
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