2014.9.22~9.25 2013年度平成25年度 福山市企業会計決算特別委員会が行なわれ、病院事業会計、水道事業会計、工業用水道事業会計、下水道事業会計について、質疑・討論・表決を行いました。
今回、公明党は、中安市議、和田市議、塚本の3人が委員となり、病院事業会計については中安市議、水道事業会計及び工業用水道事業会計については塚本が、下水道事業会計については和田市議が中心になって行ないました。
そして、次の討論を行い、表決の結果賛成多数で採決されました。
130302福山市民病院増築棟見学会
平成25年度福山市病院事業会計決算認定については、当年度は、5月から西館が稼働506床での運用を開始し、診療科目にペインクリニック内科と歯科口腔外科を新たに加えるなど医療体制の更なる充実と診療内容の向上に努められ、入院患者の服薬指導や治療説明などの薬剤業務の強化のためこれまでの 希望される方から原則院外処方とした。
建設改良事業として、外来診察室の整備や検査部門の拡充など機能充実に向けた既存棟の改修工事が完了、東立体駐車場の増築、北立体駐車場昇降機の整備や駐輪場の増設など一層の利便性向上に努め、駐車場の厳正な管理・運用のためにゲート管理を導入した。
その結果、病院事業収益162億997万1千円に対し病院事業費用158億5,594万6千円、差引3億5,402万5千円の純利益を計上した。純利益計上は6年連続であり、これにより、累積欠損金は11億6,428万4千円に減少し、企業債残高は、前年度に比べ2億8,003万8千円減少し141億4,170万5千円であるが引き続き高い水準である。
地域医療を取り巻く環境が益々厳しさを増している中、県東部初の500床規模の拠点病院として健全な経営のもと、救急医療とがん診療を中心とした高度で専門的な医療を提供するとともに、広域的な医療連携を推進していくことが求められている。
今後も、市民病院の役割や経営の視点を踏まえ、医師会とも連携を図り、市民の期待と信頼に答えうる中核病院として貢献されることを要望し、次の意見を付して賛成。
一般会計負担金による補てんについては、公立病院の果たすべき役割として、民間では行うことのできない不採算医療に取り組むことも求められている。しかし、公立病院も企業体として効率的な事業運営がなされるべきであり、病院事業の不採算部門についての運営のあり方などについて検討すること。
福山市上下水道局
平成25年度福山市水道事業会計利益処分及び決算認定については、当年度は、第六期拡張事業として出原浄水場更新事業に取り組み、配水管整備事業として基幹管路及び重要管路などの耐震管への取替え、配水管網整備などを行い、改良工事として市内の配水管の新設及び経年管の取替えや中津原浄水場の酸処理設備設置工事、発電機設備取替工事などの浄水施設の改良を行っている。
経営状況については、事業収益83億1,360万6千円に対し事業費用は77億694万6千円で6億666万円の純利益を計上。利益剰余金は前年度に比べ1億666万6千円増加して14億2,132万6千円となっており、また企業債残高は5,713万6千円減少し418億7,005万6千円となり、一定の評価をするものである。
しかしながら、節水機器の普及や市民の節水意識の高まりなどにより給水収益は減少傾向が続くと予測される中、経年管の取替えや老朽化した浄水施設の整備、地震等の災害対策など当面する課題も多く、今後も厳しい経営環境が続くものと予測される。
引き続き、良質で安全な水道水の安定供給に取り組むとともに、将来を見据えた福山市水道事業中長期ビジョンに基づき経営基盤の強化及び健全な事業運営に取り組むことを求め賛成。
芦田川河口堰
平成25年度福山市工業用水道事業会計利益処分及び決算認定については、当年度は、第二期改築事業として箕島浄水場高圧受変電設備取替工事、箕沖町工業団地内の配水管複線化工事を行い、改良工事として御幸町の取水施設耐震補強工事、中津原浄水場内の発電機設備取替工事、送水管不断水分岐及びバルブ設置工事や箕島浄水場内の配管布設及び布設替工事など取水、浄水、送水施設の改良を行った。
経営状況については、事業収益27億3,145万4千円に対し、事業費用は22億1,685万8千円で、5億1,459万6千円の純利益を計上している。利益剰余金は前年度に比べ2億1,459万6千円増加し11億8,564万8千円となった。また、企業債残高は3億7,735万3千円減少し33億1,991万3千円となっており、一定の評価をするものである。
しかしながら、景気は緩やかな回復基調にあるものの先行きは楽観できない状況であり、給水収益に結びつく供給先企業数及び契約水量の大幅な増加は当面期待できない。一方、安定給水の確保と地震等の災害対策として配水管の複線化、老朽化した浄水施設の更新を行う工業用水道第二期改築事業等に係る経費が増加することから、今後の事業運営にあたっては、将来を見据えたビジョンを基に引き続き業務体制の効率化、経営の健全化を求めるものである。また、芦田川・河口堰の放流については周辺諸島への影響を考慮し放流するよう国に働きかけることを求め賛成。
中央雨水滞水地竣工式
平成25年度福山市下水道事業会計決算認定については、下水道事業の収支については、損益計算書上では、わずかではあるが黒字となっている。しかし、収益的収支が収支均衡となるために、2億7,816万6千円を一般会計から繰り入れを行っている。さらにこれとは別に、資金収支が不足する額についても、資金収支を均衡させるために、2億5,175万円を一般会計から繰り入れを行っている。つまり、合計で約5億3千万円の資金補填を一般会計から受けながら、下水道事業は行われている状況である。
また、平成25年度末で下水道事業債の残高は、1,034億円あり、平成25年度の企業債利息の支払いが、23億円にのぼっている。当該状況から今後の事業運営にあたっては、一層の行財政改革の取組を推進するとともに、負担の公平性を確保し、健全な財政基盤を確立することが不可欠である。
このため、「独立採算の原則」や「受益者負担の原則」、「雨水公費・汚水私費の原則」に基づき、使用実態に応じた使用料体系へ見直すとともに、下水道使用料を改定されたところである。
今回の改定で、基準外繰入金の全額を解消するとともに、企業債借入額を抑制するための事業報酬を算入していることから、原価回収率は100%を超える見込みとのことである。
将来世代に負担を先送りすることへ、一定の歯止めをかけた事は評価するものである。公共下水道は、市民生活に欠かすことのできない都市基盤施設である。今後とも中長期的視点に立った計画的・効率的な施設整備を行うとともに、将来に亘り持続可能な経営基盤の確立や市民サービスの維持・向上を図るため、効果的、効率的かつ経済的な事業運営を行い、経営の健全化に努められるよう要望し賛成。
( 2014年平成26年10月16日頃記す )