2017(H29)8.2 Wed 朝日新聞 「のしかかる奨学金」 ~返済の重荷 人生の選択縛る~ 弁護士 岩重 佳治さんの寄稿 「奨学金は特殊な借金です。そして、利用した大学生は平均で300万円を超す借金を抱えて卒業し、以後、最長20年にわたって返済が続きます。返済できずに3ヶ月以上滞納する人は、17万人近くいる。近年、過酷な取り立てが問題になっています・・・」 とあり、なるほど~と思いました。
わが家は4人の息子や娘がおり、4人とも本人たちの希望で大学進学し、現在長男が卒業、二男、三男、長女が大学生です。
ふりかえって私の場合ですが、私も大学進学させていただきましたが、4年間奨学金を使うことなく父母からの仕送りで無事卒業させていただきました。
ああそれなのに現在のわが家は、子ども達には、4人とも有利子奨学金を満額借りてもらって、大学生活をエンジョイしているようですが、この寄稿にもありましたように、卒業時に数百万の借金を背負って20年間、月々数万円ずつ返金するわけですから、重い負担を背負わせていくわけです。親としては、どうか頑張ってもらいたい・という思いと、なんとも申し訳ないな・という気持ちがあるわけです。
創価大学
一般的に奨学金といえば、独立行政法人 日本学生支援機構の奨学金をいいますが、本市でも教育委員会において誠之奨学金、福山市奨学資金、福山市青少年修学応援奨学金、ネウボラ推進課の福山市母子父子寡婦福祉資金の修学資金などがあります。また、それぞれの大学で独自の奨学金、地方自治体・関係団体の奨学金等いろいろあるようです。
いろいろな奨学金があり、またその中で奨学金のあり方でよい・わるいといった議論があるようですが、しかしながら、わが家の場合、もし奨学金がなかったら、おそらく4人とも大学進学は断念せざるをえなかったと思います。
そうした経験から私としては、本人にとっての借金は借金ではありますが、奨学金は質の良い貸付金だと思っています。
日本学生支援機構の奨学金は、無利子貸与の第一種奨学金と、有利子貸与の第二種奨学金があります。
わが家は、迷わず第二種奨学金を選択しました。それは貸与月額がより大きいものを選択できるからです。私としては、子ども達には、借金を背負わせてでも、大学では、できるだけ自分のやりたいこと、勉学に取り組んでほしい・と思ったからです。
第二種奨学金の利率については、利率固定方式と利率見直し方式があり、貸与終了時に決定されるので、将来の貸与修了者の利率は未定です。貸与終了年月の平成21年3月~平成28年3月のそれぞれの年で、利率固定方式では、1.50%・1.52%・1.41%・1.17%・1.08%・0.82%・0.63%・0.16%です。利率見直し方式では、0.80%・0.60%・0.60%・0.40%・0.20%・0.20%・0.10%・0.10%で、最近は低くなっていく傾向です。わが家は、どちらも低利率と思えたので、利率固定式を選択しました。
返還は卒業と同時に始まります。
さて、奨学金の申し込みはどうするのか。それは、子ども達が大学進学前に在籍する母校にいるうちに、子ども達が自分で申し込みをすることが勝負です。 高校なら3年生になった春先から初夏にかけて奨学金の申し込みについての説明があると思います。学校の説明会には必ず参加し、説明を聞き、資料を取り寄せ奨学金について理解し、スカラネット入力を行いきちんと申し込み手続きをすること。当然、手続きをしていないと奨学金はもらえません。 子ども達には、逐次奨学金の手続きはしているのか!と確認し、所得証明書を取得する等いろいろ面倒なこともあり、子ども達をサポートし、不明なら母校に問い合わせ、確実に手続きをすることが大切です。
そうした手続きを済ませておけば安心です。そして、みごと大学へ合格し入学。入学してから、今度は大学の事務局で、入学証を提示する等奨学金支給開始の手続きをし、はじめて奨学金の支給が開始となります。支給開始は5月以降からとなりますので注意しておいてください。
長女入学式
また、奨学金は、大学での成績が悪いと警告があり、中止となる場合もありますので、これも注意が必要です。
奨学金を支給されてどうにか助かったあと思っていたある日、突然のことですが、長男、二男ともに、海外留学したいと言い出しました。
おいおい・・でも、ま、海外へ行っていろんなことを経験するのはいいことだ。が、悪いがお父さんは資金はだせないぞ~・・・と。
そうした状況の中、特に二男は、まったく親に金をせびることなく、自力でニュージーランドへ行ってきました。たいしたもんだ・と思いました。
どういう方法で行ったか・というと、彼はまず大学に2年間の休学届を出し、そして全てを引き払い実家に帰り前半の1年間、近くのコンビニでアルバイトし資金をためました。そしてその資金をもって後半の1年間ニュージーランドへ行ってきました。
何をしていたのか知りません。ニュージーランドはある程度の資金稼ぎが認められているようで、現地でも生活費がなくなればアルバイトしていたようで、なんか牧場で早朝牛の世話をし牛に向かってグットモーニングと挨拶していたようです。
彼はこうして海外に行ってきたわけですが、同時にこの間、奨学金は休止の続きをしました。そして帰国し復学、そこで奨学金も再開しました。
(2017年平成29年8月4 日頃記す)
大学へ行くには、皆さんご存知のように相当なお金がかかります。
親としては、入学金と在学中の学費、及び入学時1年間の寮費(実は4人とも寮に入ってくれてよかったと思う・・)は出すぞと決めていました。 しかし当時はまだ1千数百万円の住宅ローン等が残っており、余力などありませんでした。
そこで、「 国(日本政策金融公庫)の教育ローン 」 を借りることにしました。
「 日本学生支援機構の奨学金 」 と 「 国の教育ローン 」 とはどこが違うのか?
その制度の比較をすれば、
◎「 日本学生支援機構の奨学金 」については、前段で述べてきましたように・・・
・利用者:学生本人 ・申込窓口:在学中の学校(決められた募集期間)
・利用可能額:第一種(月額5.4万円)、第二種(月額3~12万円)等々・・・です。
これに対し、
◎「 国の教育ローン 」は、
・利用者:保護者 ・申込窓口:日本公庫の各支店(いつでも可能)
福山市は、光南町2丁目 日本政策金融公庫 福山支店があります。
・利用可能額:子ども1人あたり350万円以内等々・・以上のようにして、国の教育ローンを利用したわけですが、利用できる条件があり、保護者の世帯年収(所得)と扶養する子どもの数で決まります。わが家の場合、この条件で、長男と三男は利用することができました。残念ながら二男と長女は利用できませんでした。
国の教育ローンは、申請時の条件によりますが、申請する融資額から返済期間の保証料が相当額引かれるため、満額手元に入金されませんので要注意が必要です。
これにも、固定金利と変動金利がありますが、当時の私は、国の学資だからと思い、固定金利にしました。固定金利は、利用申し込みする年によって違い確か長男は2.5%、三男は2.3%、本年は2.05%と最近は下がる傾向にあり、また様々な優遇制度があるようです。
こうして受けた融資の返済は、通常15年間以内に返済することになりますが、大学に在籍する期間は利息のみの返済となり、これは相談にのってくれますので窓口で要相談することが大切です。
ところで、国の教育ローンが受けられなかった二男と長女はどうしたか?
私は、もみじ銀行へ行きました。
国の教育ローンがうけられなかった場合、銀行の学資ローンがあります。
この学資ローンで、私が融資を受けることのできる限度額は500万円。子どもたちが大学へ入学や進学するその都度必要額の融資(銀行では変動金利で融資を受け当初確か2.8%~3.5%程度であったかと思います)を受け、助かりました。
しかしながら、実際のところ、子ども4人を大学へ行かすためには、もっと相当なお金がかかります。毎回、入学金や授業料の納付の締切までが悪戦苦闘の連続でした。
そして、ふりかえってみて、私は私なりにいろんな方法で、どうにかこうにか・・綱渡りの資金調達の繰り返しをやってきた・・・といったところです。
・ 郵便局の学資保険はかけときなさいよ・とのアドバイスで、子ども達が小学校の時からかけており、高校を卒業するとき、満期返戻金100万円が入ったこと。これはきちんとかけていてよかった・助かった・・と思いました。
・ 私は生命保険会社からも借金しておりふくらみ解約しようと相談したとき、死亡保険金と相殺すれば借金がゼロになると知り、そのように手続きし助かりました。ま、私の死亡保険はゼロ相当で妻は面白くないかもしれませんが、あとは元気で頑張るしかないので、とても気分が楽になりました。
・ 議員年金が、当時の私にとっては月額10万円の納付額は非常に大きな負担だったため、破たんしてくれて首がつながり、納付額の80%が一時金として返還されました。この一時金をもとに、住宅ローンの借金を返済。担保にしていた母名義の土地権利証を取り返すことができました。
・ 母が生前中、私は母の成年後見人になっており、母死亡時の相続の手続きが特にトラブルもなくきちんとでき、私名義の建屋が立っている母名義の土地を、私名義に変更することができました。
・ 私は、基本的に銀行は好きではありませんが、やはり銀行にたよらざるをえない。現在、もみじ銀行にお世話になっています。幸い、もみじ銀行のスタッフさんは、わが家の状況を知っていただき将来を見越し、誠実に良い財政計画のアドバイスをくださいました。
・ ひとくちに言えば、私名義の土地・建物の有担保ローン(変動金利当初2.3%)に当時の学資ローン等の借金を一括集約借換し、学資ローン枠500万円を空にして、更に学資を借りるという方法です。
・ 「 学資ローン 」は、親がする借金で、私が借りることのできる限度額は500万円、現在、すでにほぼ満額融資(変動金利で当初2.6%~3.4%)を受けています。
ということで、大学へ行くためには相当な資金がかかりますが、わが家は、「 奨学金 」 と 「 学資ローン 」を活用し、現在までは、ぎりぎりのところですが、何とかなっているなぁ・・・と思っています。
勿論それは、友人や先輩・関係者のアドバイスや知恵と力も借りて、はじめてできたことです。ひとつひとつ書類を整理し、署名・捺印することができました。
私なりにひとつアドバイスさせていただくならば、納税はきちんと行い、毎年の確定申告を忘れず行う。そしていろいろむつかしいかもしれませんがひとつひとつの書類を面倒がらずに粘り強くきちんと作成していくことが大切ではなかろうか・・・と思います。
あとは、学資ローンの借金全額返済するまで、元気で頑張るのみ!です!!
(2017年平成29年8月9日頃記す)