7月31日(月)~8月1日(火)大阪府東大阪市・大阪府河内長野市に視察へ行ってまいりました。
1日目 大阪府東大阪市 「産業集積地における企業支援の取組及び効果について」
板橋区も都内有数の産業集積地であり、東大阪市との類似性を踏まえて、視察を行いました。
≪東大阪市役所≫
東大阪市はモノづくりのまちとして有名です。
市内の事業所数は5,954で全国5位となっており、市内の製造業の事業所密度は1K㎡あたり115.2で全国1位を誇っています。
モノづくりのまちである東大阪市にとって、モノづくり企業の集積は地域経済を支える重要な存立基盤です。
このため、東大阪市では市民の良好な住環境とモノづくり企業の操業環境を保全、創出することによって住工共性のまちを実現しています。
≪市役所1Fロビー内に認定製品の展示≫
企業支援メニュー、東大阪ブランドについて「都市魅力産業スポーツ部・産業総務課」より説明をしていただきました。
各委員も積極的に質問をしていました。
区民環境委員会メンバーと市役所ロビーで記念撮影をとりました。
視察メモ↓
東大阪市役所
【産業集積地における企業支援の取組及び効果について】
- 東大阪市内のすぐれた製品を認定し、都市ブランドとして発信。柔軟性とチャレンジ精神を持ち常に進化している東大阪製品の魅力を世界へ届けていきます。
- 東大阪ブランド 事業者が製造した優れた最終製品を東大阪ブランド製品として客観的な視点で評価・認定することで当該製品の価値を高め、市内事業者が相互に連携して東大阪ブランドのCI活動を行うことを通じて本市のモノづくりのまちとしての都市イメージの向上を図ることを目的とする。
- 東大阪ブランド認定基準
東大阪ブランドの区分
①プラスアルファ製品
≪デザイン・プラス≫卓越したデザインで新たな価値をユーザーに訴求できる製品
≪ファンクションプラス≫東大阪らしい技術や斬新なアイデアに裏付けられた機能が加えられた製品
≪エコロジー・プラス≫環境に配慮された、または環境負荷を減らすための製品
≪パイオニア・プラス≫新たな市場を開拓していく(開拓してきた)チャレンジングな製品
≪ヒストリー・プラス≫東大阪市で生まれた、初期生産時の機能と基本的な形状を引き継ぐ50年以上のロングセラー製品
②オンリーワン製品 すでに自社製品として市場に出荷しているプラスアルファ製品に該当する製品のうち、その特長により他の追随を許さない製品
➂ナンバーワン製品 特定の市場でトップシェアを記録する製品。但し、その集計に関する条件等が、第三者が作成し公表されているものに限る。
技術や製品情報などの検索サイト「技術交流プラザ」運営による受発注機会の創出拡大
モノづくりワンストップ推進事業 技術及び販路コーディネーターによる受発注探しや技術課題に関する相談のほかニーズに応じた公的施策の紹介などの総合相談事業
東大阪市医工連携研究会を中心に、市内企業の技術力やネットワークを活かした医療機器や関連周辺器具の開発などの取り組み、市内モノづくり企業の健康・医療・介護分野への参入促進を図る。
- 市内製造業の数の推移 1991年10,868件→2021年5,564件
- 事業承継総合支援事業
後継者がいない、事業承継が円滑に進まないなどにより、市内企業における技術、技能等を含む経営資源の喪失を防ぐために、以下事業を商工会議所に委託するもの。
- 事業承継総合相談窓口の開設(常設)
- 訪問の実施
- 事業承継に関するセミナーなどの開催
- 具体的な課題を抱えている事業所に対する専門家の派遣
東大阪市を舞台にしたNHKの連続小説ドラマ「舞いあがれ!」の展示も展望室に展示されていました。
※市公式HP モノづくりのまち
https://www.city.higashiosaka.lg.jp/category/21-13-0-0-0-0-0-0-0-0.html
※東大阪ブランド推進機構HP モノづくりのまち東大阪
https://www.higashiosakabrand.jp/
板橋区は主に光学兵器などの軍需産業を目的とした一大工業集積が明治9年、加賀にできた火薬製造工場を起点に、形成されました。
平和産業に転換した戦後は、精密・光学機器や印刷関連産業をはじめとする工業集積が形成され、都内でも有数の工業のさかんな地域となっています。
しかし、その後は一貫して減少の一途をたどっておりますが、現在では東京都23区内で従業員・製造品出荷額が第2位、工場数第9位という工業集積地域となっています。
しかし、産業構造の急速な変化に対応できない事業者は厳しい状況に追い込まれており、将来に向けての地域産業のあり方が問われています。
人、資金などの面で制約がある中小企業にとって、近接地域内に関連工程の企業が多数存在する産業集積は、重要な存立基盤の一つだと思います。
ネットワークの形成・充実、人材育成、物的・通信インフラ、公的機関の支援などの取り組みなどを学ばせていただきました。
板橋区の産業に生かして参りたいと思います。
≪展望室からの眺望≫
2日目 大阪府河内長野市 「地域に根ざした文化芸術振興を市民と協働して行う文化会館の運営について」
本区の文化会館の課題として、子どもや若者が文化芸術に触れる機会の充実が挙げられていることから、今後の参考として視察を行いました。
板橋区では昭和57年に区立文化会館があり、平成23年度から指定管理者制度を導入してきました。
今年度からは公益財団法人板橋区文化・国際交流財団の組織を改革・強化し、文化会館の指定管理者に非公募で選定し運営がされており、ロビー開放事業としてキッチンカーの出店やロビーピアノお披露目演奏などをおこなっております。
≪ラブリーホール外観≫
河内長野市立文化会館ラブリーホールは平成4年4月23日の開館以来、地域における芸術文化活動を振興することにより、創造性豊かで活力と潤いに満ちた住みよい地域社会の形成を目的に、様々な文化振興事業に取り組んできました。
“まちの文化広場”としてクリエーションに挑戦したところが評価され、令和2年度に「地域創造大賞(総務大臣賞)」受賞し、市民とともにオペラや音楽祭などの独自事業に取り組むとともに、多彩な教室事業を展開されています。
そこで育まれたアーティストとの繋がりをベースに創意溢れるオリジナル舞台「奥河内音絵巻」をプロデュースし、まちの文化広場として新たなクリエーションに挑戦しているそうです。
視察メモ↓
経常収益合計 327,188千円 うち指定管理料収益は207,104千円(63%)
文化会館事業収益(入場料、使用料等)は116,153千円(36%)
経常費用合計 327,862千円
内訳は文化振興事業費(イベントの実施費用等)146,466千円(45%)、施設運営事業費172,723千円(53%)
指定管理料の内訳は
・人件費104,620千円
・施設管理費90,484千円
・文化振興事業費12,000千円
市民参画型事業について
- 「かわちながのの世界民族音楽祭」の内容や今後の展望
・河内長野と他の地域を結び、発信していく
・河内長野オリジナルな「祭り」として発展
2007年より正式にミュージカルスクールとして発足
リトルクラスの卒業生133名のうち、本クラスへ移行した生徒数は95名(71%)となっている。
手すりを外せばミニコンサートもできます。
手すりをはずして記念撮影をしました。
「かわちながのの世界民族音楽祭」の内容を様々、企画を変化させながら取り組まれていること、ミュージカルスクールについてはリトルクラスから本クラスへの移行した率が71%と高い継続率を維持しているということはこの事業が子どもたちにとって楽しいから本クラスへ進むんだと思いました。
様々な事業について学ばせていただき、本区において取り組める事業や、新たな文化振興に役立てて参りたいと思います。
※河内長野市立文化会館ラブリーホールHP
https://lovelyhall.com/index.cgi
※河内長野市立文化会館ラブリーホールHP 教室運営型事業
https://lovelyhall.com/foundation/approach/school.html
※河内長野市立文化会館ラブリーホールHP 市民参画型事業
https://lovelyhall.com/foundation/approach/citizens.html