バックナンバー 2007年 10月
平成19年度 第1回
住まい改修アドバイザー研修会
が13:00〜16:40まで三重県人材センター多目的ホールにて開催され、参加させていただきました。
本年度から年2回に分けて住まい改修アドバイザー研修会を開催していくことになったとのことで今回がその第1回目。
主催は、三重県県土都市整備部住宅室
共催として、(社)三重県建築士会、(社)三重県建築士事務所協会、三重県建設労働組合
内容は、2部構成になっており、最初の講演はWill Stuff代表の長谷川聡子氏より「お客様とのコミュニケーション力向上について」と後は、福祉住環境コーディネーター中部推進協議会から「わがやネット」代表の児玉道子氏より「アセスメントから見た住宅改修について」それぞれ90分・100分の講演をいただきました。
お客様とのコミュニケーション力向上について Will Stuff 代表 長谷川聡子氏
1.効果的なコミュニケーションのためには、(1)みる…「見る」「観る」「診る」 (2)きく…「聞く」「聴く」「訊く」 (3)はなす…「事実」「意見」「感情」 の3つが大事である。
2.人は第一印象を6秒で決めると言われている。その3要素は、(1)言葉(話の内容)、(2)声(話し方)、(3)表情(見た目・態度) である。その比率は(1)7%(2)38%(3)55%で表情が最も重視されている。表情や態度が声になり言葉になる。
3.人に対する良い対応とは心(心のもちよう)技(技術)知(知識)の3つ持ち合わせること。研修会に参加しただけでは「マナー」は良くならない。マナーの5原則(1)挨拶(2)言葉遣い(3)笑顔(4)身だしなみ(5)態度
4.プラス発想をすすめると人は100%以上の力を出す。
(1)プラスストローク(相手をやる気にさせる働きかけ)。これは、心理学の言葉でこの中には、ボディーストローク(子どもを抱っこする・頭をなでる等)、言語ストローク(ほめる・ねぎらう・励ます・感謝する・挨拶する等)、非言語ストローク(ニッコリ笑う・アイコンタクトを取る等の態度)
(2)ほめる・ねぎらう・励ます・感謝する。(相手を頼りにする。「あなたみたいにやってくれる人は他には居ない」「すごい」)
(3)自分の思い込み(信念・価値観)に気付く。人は、ある出来事に対し自分の思い込み(ビリーフ)で結果を決めている。例えば、「自分はもう限界だ」これは自分が限界を決めている。本来、限界はない。事実をどう自分が捉えられるかが大事である。出来事は同じでもビリーフ(思い込み)チェンジで結果を変えていける。
5.クレームはラブレター (1)クレーム期待の表れ(何とかして欲しいからクレームを言う)(クレームがあったら、まず、驚く、そしてお詫びする)(みる・きく・はなす) (2)ピンチをチャンスに変える
アセスメントから見た住宅改修について わがやネット 代表 児玉道子氏
1.国内の住環境に関する事情
少子高齢化が進み、20年後には5人に1人が75歳以上(後期高齢者)の高齢者になる。 ・認知症ケア、身体介護など手助けを必要とする高齢者は急速に増加していく。 ・お年寄りが住み慣れた町で安心して生活するためには、地域住民、行政機関、福祉サービスのつながりが不可欠である。
2.ユニバーサルデザインとバリアフリーの違い
「ユニバーサルデザイン」とは、全ての人にとって使いやすいデザインを言います。具体的には、建物、装置、用具等について、年齢・性別・身体的特徴等による色々な条件の多様さを考慮し、最初からできるだけ多くの人が利用可能であるようにデザインすることを言います。
「バリアフリー」とは、身体の不自由な人や高齢者にとって日常生活上の障害となる様々な障壁を取り除くことがバリアフリーです。つまり、事後的な取組がバリアフリーである。
3.介護保険制度利用の住宅改修事情
介護保険制度を利用した住宅改修には、(1)手摺りの取付 (2)段差の解消 (3)滑り防止及び円滑化等のための床、または通路面の材料の変更 (4)引き戸等への扉の取替 (5)洋式便器等への便器の取替 (6)その他の付帯工事 があります。
福祉用具の利用から住宅改修を考える(福祉用具の貸与と購入について考える) 貸与は(1)介護ベッド (2)車椅子 (3)床ずれ防止用具 (4)体位変換器 (5)手摺り…工事の伴わないもの (6)スロープ…工事の伴わないもの (7)歩行器 (8)歩行補助杖 (9)徘徊感知器 (10)移動用リフト…つり具以外 であり、購入については、・腰掛け便座 ・特殊尿器 ・入浴補助用具 ・簡易浴槽 ・移動用リフトのつり具の部分 等である。
4.ライフスタイルからみた高齢者の住まい
住まい方の選択肢→広い視野と長期的な考え
利用者が自分らしく最後まで生き生きと生き抜くためにライフプランを考えていく。
5.アセスメント『環境(人・建物)評価』
・利用者や家族の話を聴く。 ・利用者の動き方や動線を見る。 ・利用者や家族の思いを感じ取る。 ・介護保険やその他の制度の利用を考える。 ・いくつかある住宅改修の案を会話をしながら工事内容を明確にし、説明をする。 ・決定権は、利用者や家族にある。 ・提案を押しつけないこと。