■快適な旅行環境整備へ!
【公明新聞より主張】
文化財など外国語解説を充実
2020年東京オリンピック 訪日客4,000万人めざす
訪日客の増加をめざす政府は、観光施策の充実に充てる財源として、日本を出国する人から1,000円を徴収する「国際観光旅客税」(以下、旅客税)を2019年1月に導入します。そのための国際観光旅客税法と、税収の使い道を定めた改正国際観光振興法が、今月にそれぞれ成立しました。恒久的に徴収する国税の新設は1992年の地価税以来、27年ぶりとなります。
出国時に1,000円徴収
旅客税の課税対象者は2歳以上となります。日本人、外国人を問わず、出国1回に付き1,000円が航空券代などに上乗せして徴収されます。ただし、航空機の乗員や入国後24時間以内に出国する乗り継ぎ客などは対象外となります。
政府は、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年の目標として、訪日客数4,000万人、買い物などで使う消費額8兆円などを掲げています。2017年は2,869万人・4.4兆円と、それぞれ過去最高を記録しました。
ただ、課題も少なくありません。例えば、訪日客の8割以上をアジア地域が占め、欧米豪地域は1割程度に留まっています。日本での滞在期間が長く、より多くの消費額が期待される欧米豪地域からの訪日需要を、十分に取り込めていないのが現状です。また訪日客は、東京・名古屋・京都・大阪を結ぶ「ゴールデンルート」に滞在することが多く見受けられ、地方への指向はまだまだこれからというところです。
そこで政府は、外国人旅行者の目線に立った受け入れ態勢の整備に力を入れ、旅客税の税収を充てる分野は、改正国際観光振興法に基づき
(1)快適な旅行環境の整備
(2)日本の多様な魅力に関する情報を入手しやすくする
(3)体験型観光の満足度向上
の三つに定めました。
2018年度は60億円の税収を見込み、観光庁のほか、法務省、環境省、財務省、文化庁の各予算に関連施策が計上されています。
具体的な施策としては、日本人の出帰国手続きの際に顔認証の技術を活用して本人確認する「顔認証ゲート」を本格導入します。これはパスポートのICチップに記録されている顔画像と、ゲートのハーフミラー内にあるカメラで撮影した顔画像を照合する仕組みで、所要時間はわずか10秒程度です。
顔認証ゲートは昨年10月に羽田空港で日本人の帰国手続きに限り先行実施しておりました。2018年度は成田、中部、関西、福岡の各空港に導入し、出国手続きにも利用していきます。こうした合理化で生じる入国審査官の余力を、外国人の審査に充て、待ち時間の短縮につなげる方針です。
また、「日本といえば、富士山や桜」といった典型的なイメージが強く、日本を旅行先の候補に挙げない欧米豪地域の人も多いとのこと。こうした外国人に狙いを定め、アクティビティー(旅先での遊び)や食、現代美術などを通じて、日本ならではの魅力を感じてもらうバーチャルツアー(訪日旅行の疑似体験)を観光庁などが作成し、ウェブサイト(www.enjoymyjapan.jp)で2月から公開中です。
今後はこれらの動画を活用し、YouTubeやFacebookなどのソーシャルメディア、現地TVなどを通じて、世界への広告・宣伝を強化していくこととしています。
この他、多言語案内用のタブレット端末の整備、駅構内や電車内への無料Wi-Fiの設置、文化財や国立公園などでの外国語解説の充実などを行っていきます。
公明、使い道の明確化促す
旅客税が既存施策の財源の穴埋めに使われないように、政府は使い道に関する基本方針を昨年12月に定めました。具体的には、充当する施策は
(1)受益と負担の関係から負担者の納得が得られる
(2)先進性が高く費用対効果が高い
(3)地方創生など重要な政策課題に合致する
の三つの考え方を基本としています。
公明党は国会質疑を通じ、旅客税の無駄遣いをされたり、野放図な歳出拡大につながらないように使い道を明確にし、透明性を確保していくことを政府に強く求めました。政府からは、毎年度の予算書で旅客税を充てる施策・事業を明確化することや、予算の使い道に無駄がないかを有識者が公開で点検する「行政事業レビュー」を活用していく方針が示されました。
2018年4月20日(金)付 公明新聞より引用・一部編集
結びとして:所感
政府として2020年インバウンド(訪日外国人)の目標を4,000万人と定め、今後の確保財源を打ち出すとともに、その施策の検討が様々なかたちで進められています。浦安市においても平成30年度には、市民や来訪者にわかりやすい案内情報の提供として、多言語対応等のユニバーサルデザインに配慮したサイン計画を策定し、今後は市内鉄道3駅の周辺にサイン整備を推進していく方針が示されました。
私の日常活動のなかでも、JR舞浜駅においては、朝の駅頭ごあいさつの時に訪日外国人から道案内で声をかけられるケースが増えてきていると感じます。駅からの大型行楽施設向け案内情報が不足しており、特にJR舞浜駅北口に送迎バスやJR改札から降り立ってしまった訪日外国人の方々は、困惑した感じでスマホを一生懸命操っている姿を見かけ、自力で南口側に進み、大型行楽施設に向かっている様子です。
内田市長が就任以来、様々な場で説明している「訪れる人、学ぶ人、働く人、すべての人が幸せを実感できるまちの実現」のなかの、訪れる人にとっての施策として、まずは多言語対応等のユニバーサルデザインに配慮したサイン計画の実施が待たれます。大型行楽施設にJR舞浜駅を利用して訪れるすべての人にとって、多言語対応の簡易で目に付きやすいサイン、活用しやすいサインの検討を期待したいと思います。