谷井いさお県議が第334回定例県議会で、12月8日代表質問に登壇しました。中では、県民への負担増大や行政サービスの低下をまねかないような最終2カ年行革プランの方向性や県政150周年への取り組み、また、農業の活性化、阪神高速道路新料金体系の導入、いじめ問題など県民生活に直接かかわる諸課題について持論を展開しながら県の考えをただしました。

質問項目
1.井戸県政運営全般にわたる自己評価と今後の方針について
2.最終2カ年行革プランについて
3.県政150周年に向けた取り組みについて
4.中学生を対象にしたピロリ菌検査と除菌への支援について
5.動物愛護について(猫の飼い主責任について)
6.今後の農業の活性化について
7.阪神高速道路の新料金体系導入について
8.いじめ問題について
9.高齢運転者の交通事故未然防止について

代表質問写真

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<質問・答弁のダイジェスト>

1、井戸県政運営全般にわたる自己評価と今後の方針について

<谷井県議>
9月26日、公明党・県民会議議員団と公明党兵庫県本部との合同による県政評価委員会を立ち上げ、報告書をまとめ知事に提出した。その内容は、まず、市町議会議員から、行革については市町からの意見聴取を十分行うことや過度の負担増にならないこと、防災・減災については、防潮提やため池の整備・改修などを評価。医療・福祉については、医師不足の解消や子育て支援などのさらなる支援に期待すること。県土整備部については渋滞解消や歩道補修など、地域のニーズに的確に応えるための予算確保を、教育行政については兵庫型強化担任制や体験型教育などを高く評価する一方で、特別支援学校への加配教員やスクールソーシャルワーカーのさらなる増員を―など、さらなる取り組みへの期待とともに県政全般にわたる知事の手腕を高く評価している。

総合評価としては、わが会派からの要請に応えて、防災・減災や子育て支援、中小企業支援などを推進してきたこと、平成30年度には収支不足を解消する一定の道筋をつけたことなど、井戸県政4期16年での行政運営については高く評価するとともに、さまざまな課題に解決の目途をつけ大きな役割を果たしてきたと言える。さらに、関西広域連合のリーダーとして手腕を発揮したことも評価している。

知事は、来年7月に知事選を迎えるが、第3次行革プランの最終章を迎えるにあたり公明党が提出した県政評価報告書も含めた井戸県政運営全般への自己評価と今後の方針を伺う。

 

<井戸知事>
県政運営にあたっては、21世紀兵庫長期ビジョンで描いた将来展望のもと、毎年度のプログラムを策定し実効ある施策を展開してきた。県政運営についての評価は、県議会をはじめ県民の皆様にあおぐべきで自らが行うものではないと考えるが、誠心誠意取り組んできたものと信じている。

今後は、人口が減少し、少子高齢化が進んでも活力を保ち続ける兵庫づくりに取り組んでいく。安全安心の確かな基盤の上に、人口の自然増、社会減の解消、地域の元気づくりを目指す地域創生の取り組みを軌道に乗せていかねばならない。

あわせて、不安定で見通しのききにくい時代を迎えているいまだけに、県民に分かりやすい将来像雄提示する必要がある。地域創生戦略の目標年次2020年と長期ビジョンの目標年次2040年をつなぐ2030年の兵庫の姿を描き、その実現を目指す。

平成30年は、兵庫県が誕生して150年。くしくも行財政構造改革の目標年次でもあり、新たな兵庫を目指すスタートの年としていく。
このためにも
①行革を成し遂げること
②地域創生を軌道に乗せること
③安全安心を確保すること
など、全力を尽くしていきたい。
2、最終2カ年行革プランについて

 

<谷井県議>
県当局より最終2カ年行革プラン(企画部会案)が示された。これに対して、わが会派として検討・議論を重ね、先般、両副知事に意見として申し入れた。そこで、あらためて取り組みの方向性について質問する。

まず、7つの視点における県と市町の役割分担について、市町へ移譲する事務や市町の負担割合が増える事業である鳥獣被害対策事業や山腹崩壊対策事業、老人クラブ活動強化推進事業などについては、県からの一方的な提案にならないよう、市町の意見を十分に聞き市町の財政力指数に応じた助成割合にするなど再考が必要ではないか。 また、老人医療費助成事業については、平均寿命が制度創設時から大きく延伸し80歳を超えていることなどを理由に、65歳から69歳を老人として扱う当該事業の見直しを行おうとしている。確かに元気な高齢者が増えてきており、老人の定義を見直すことには賛同できるが、助成該当者の収入については、依然と変わっていない状況を考慮する必要がある。当該事業は、所得の低い高齢者に対し、医療費の負担が生活を圧迫することを防ぎいつでも安心して医療を受けられるように助成されてきたもの。老人の定義が変わるからと言って、負担を増やすのは乱暴なやり方だ。

次に企業庁について、一般会計との貸借関係の整理を行うとしているが、播磨科学公園都市土地造成事業貸付金など、県の施策遂行の必要性から企業庁が土地を造成し、目標とした土地の利用に至っていない中、その清算ができず、一般会計から企業会計に貸し付けた形になっているものや、青野運動公苑県有地信託事業賠償費のように企業会計から一般会計へ貸し付けているものもある。全体として一般会計から企業会計への貸付金が、約420億円、企業会計から一般会計への貸付金が役510億円あるが、これらをどう見通しをつけていくのか。

最後に、現存する長期保有地や県有環境林については償還期限や金利で有利な起債を行っているとのことだが、今後の長期保有によるコストや見通しを明確にして、管理や処分を行う必要がある。以上を踏まえ、最終2カ年の行革プランをどのような方針のもと検討していくのか。

 

<井戸知事>
収支均衡をはじめとする財政運営の目標については、概ね達成できる見込みではあるが、今後の経済状況や税収動向、国の地方財政措置等に十分注視する必要があり、最終案で改めて厳密な見直しをしたい。

①県と市町の役割分担については、鳥獣被害特別措置法などで事業主体が市町と明確になったことや類似事業との均衡などを踏まえて見直すもの
②老人医療費助成事業については、平均寿命の延伸や助成対象年齢の就業環境など制度創設後の環境変化を踏まえ、特別な配慮が必要な方を対象とする見直しをするもの
③一般会計と企業会計の貸借関係については、県の財政運営の内部の問題であるが、資産・負債の総合的な管理の観点から会計間で行ってきた資金融通について、今後の一定期間内に整理を行うべきものであるため、開示した。

さらに、長期保有土地については、平成27年度末には約2400ha、約1500億円まで縮減したが、今後とも、県や市町等での利活用や民間売却といった処理を基本に、資金調達や維持管理コストの縮減を図りつつ、計画的に処理を進める。

12月1日の会派申し入れにおいて、公明党・県民会議からは財政フレームや組織、給与などについても申し入れを頂いた。今後、県民、市町や関係団体からの幅広い意見も踏まえながら、特別委員会で審議いただき最終2カ年行革プランの策定を進めていく

 

3、県政150周年に向けた取り組みについて

 

<谷井県議>
平成30年7月には県政150周年を迎える。兵庫県は、摂津・播磨・但馬・淡路・丹波の旧5国にまたがっており、県政150周年といっても、その県民意識はまだまだ希薄であり、県政200年を見据えた県民意識の高揚が重要だ。各地の特色を生かした発信を行い、地域と県が連携して県政150周年を盛り上げていくことが地域創生にもつながっていく。

県民とともに県政のこれまでの歩みを振り返るとともに、未来の活力と夢ある新たな兵庫づくりを推進するための、県政150周年に向けた取り組みについて伺う。

 

<井戸知事>
兵庫の未来をどのように切り拓いていくか、県民とともに検討しともに進めていかねばならない。このため兵庫の未来を提示する「兵庫2030年の展望(仮称)」を策定する。また、これを実現するためにも県民、地域団体、市町などと一体となって、全県規模で実施する。地域間交流や国内外への発信・誘客を促す事業を行い、県民局・県民センターごとに実施する事業を展開したい。

事業実施にあたっては他の記念イベントともタイアップしていきたい。今後、有識者等による議論など幅広い意見を集約しながら、基本方針や事業計画を策定する。今年度末には、スタートアップ・シンポジウムを開催する。来年度には子どもから高齢者までの参加型イベントを実施し、県民の機運を盛り上げていく。

 

4、中学生を対象にしたピロリ菌検査と除菌への支援について

<谷井県議>
決算特別委員会でピロリ菌と除菌への支援について質問した。医療担当参事からは「厚生労働省はピロリ菌検査を胃がん検査には推奨していない。中高生等を対象に胃がん予防のためのピロリ菌の感染検査と除菌治療に関する研究が行われている。篠山市はその研究事業の一環として取り組んでいる」との答弁があった。

しかし、国立病院機構・函館病院の間部消化器科部長は「胃がんの原因の99%以上がピロリ菌であり、除去で患者数を減らすことが可能になる。また、投薬だけで除菌できる。この時期に対策を行うことで体への負担や医療費が軽減できる」と力説している。

佐賀県では、中学3年生を対象に検査を実施し、篠山市など検査を行っている市町は2015年で少なくとも14市町有り、増えつつある。仮に本県の中学3年生、約5万人を検査等を行った場合、検査費用が1名800円として、その費用が4千万円、除菌費用を1名5千円、感染率5%と仮定すると約2500名が対象者となり、その費用が1200万円、合計5200万円となる。市町との随伴事業とするならば県負担額は2600万円で、器楽は小さくないが、未来を担う子どもたちに胃がんのリスクが軽減できるなら将来の医療費抑制につながる。本県でも市町と連携して中学生を対象としたピロリ菌検査と除菌への支援を実施すべきではないか。

 

<金澤副知事>
ピロリ菌の除菌は、若い時期に行うほど胃がん予防効果が高いとされ、再感染の可能性も低くなる中・高校生に行うのが効果的ではないかとする研究が全国で始まっている。一方で、成長段階での除菌抗生剤のアレルギーの問題も指摘されている。

ピロリ菌感染に加え、胃がんのリスク要因としては喫煙や塩分の取り過ぎなども大きいとされており、生活習慣の見直しも胃がん要望に十である。今後とも、県健康づくり推進実施計画等に基づき、たばこ対策や食生活の改善に向けた取り組みを推進していく。

 

5、動物愛護について(猫の飼い主責任について)

<谷井県議>
本県では、動物愛護管理推進計画に基づき動物管理、動物愛護対策に努めてきたが依然として犬や猫の殺処分数はなかなか減少していない。その主な原因として無責任な飼い主の実態が存在している。国は、平成24年に動物愛護管理法を改正し、飼い主への終生飼養の努力義務が定められたが無責任な飼い主による飼育放棄や遺棄は後を絶たない。

各地の愛護ボランティアが懸命に活動されているが、本年8月に犬猫の保護譲渡を行ってきた姫路市のNPО法人自身が多頭飼育放棄に陥り、破たん状態となったと報道され反響を呼んでいる。こうした多頭飼育放棄による愛護ボランティアの二次的破たんも今後増えてくると考えられる。

人と動物が真に共生する社会の実現を大きく妨げる要因である、一部の飼い主が引き起こす無責任な繁殖、多頭飼育、遺棄の問題を本県でも根本的に解決する必要がある。犬の飼養については、登録義務、鑑札の装着義務、係留義務、糞放置の罰則、10頭以上の飼育に関する施設許可などの規制があるが、猫の飼養については飼い主の良識に委ねられた努力義務に過ぎず、実効性が乏しいと言える。繰り返される無責任な繁殖や遺棄などなどの問題を解決するためには特に猫について適正飼養の義務規制が必要である。

そこで、猫の飼い主責任を明確にし、適正管理を行うためのガイドラインの作成及び屋内飼養・所有明示、不妊措置などの義務規制と罰則規定を含めた条例改正を早期に行うことで本県の動物愛護を大きく前進できると考えるが県の所見を。

 

<井戸知事>
本県では啓発事業として県民を対象とした、しつけ方教室や飼い方講習会を年間約2000回実施している。また、譲渡事業においても譲渡を希望する人の飼育環境や動物の年齢等から判断してマッチングを行い適正飼養の普及につなげてきた。

このような取り組みにより、本県の猫の殺処分数は平成24年度の3955頭から平成27年度には2260頭と約40%減少している。殺処分となった猫のうち、子猫が未だ約4分の3を占めていることから、不幸にも処分される子猫を減らすことを目的として、今年度新たにふるさとひょうご寄付金を活用して「子犬子猫の飼い主探しプロジェクト」に取り組んだ。ミルクボランティアの協力により譲渡数を増やすことに努めている。

また、これまでの所有者不明猫に対する県民向けの普及啓発に加え、「所有者明示」「屋内飼育」「不妊措置」など猫の飼い主責任を明確にするため「猫の適正管理普及推進のためのガイドライン」を今年度中に策定する。さらに、猫の飼い主責任に関する条例での規制についても法改正など国の動きを見ながら検討していく。

 

6、今後の農業の活性化について

<谷井県議>
先日の記者会見で知事は「今のTPPの枠組みが直ちに成立しないからといって、いつまでも今の農業の国内でのあり方で済むのかというと、農業の生産から流通、消費の全家庭における改革が迫られているのではないか。そのような見地からTPPの枠組みを前提とした農業改革は、これからも推進していくべき」と述べていたが、国内の農業従事者に対し、農産物の輸出促進や競争力などにも力を入れていかなければならないことはいうまでもない。

例えば、新たな需要や市場を積極的に開拓していくためにも、農産物のブランド化などにより積極的な農業を牛矧していく必要がある。県では、農業改良普及センターが生産技術の普及指導だけではなく、ブランド育成やブランド力の向上にも取り組み、また、農業の6次産業化を推進することで地域特性を生かした攻めの農業への支援を行っている。

山田錦など、すでにある程度の知名度を築いているものもあるが、それに続く本県の多様性を体現するような様々なブランドを生み出していき、国内・海外への進出をさらに強化することで、農業を振興していくことが必要ではないか。

 

<井戸知事>
小規模稲作兼業農家中心から経営能力の高い担い手中心への構造転換を図っている具体的には
①農業の担い手、経営体の法人化や企業参入の促進
②農地の集積・集約化の強化
③収益性の高い野菜生産の拡大
④初期投資の負担軽減を図る施設貸与事業の推進
⑤最先端の環境制御技術を駆使した施設園芸の導入などに取り組んでいる。

また、農産物のブランド化、付加価値を高めるため①異業種連携により新商品・新サービスの開発を促進する「農」イノベーションひょうごの推進②農業改良普及センターが地域や産地の自立を促しながら、生産から加工、流通、販売、消費を結び付け特産品かする新たな仕組みづくり③兵庫県認証食品をベースとした産地ごとのブランド化などを進めている。

さらに、海外進出については、神戸ビーフ、淡路島たまねぎ、コウノトリ米など本県が誇る食材の輸出拡大を推進している。これらの取り組みの結果、輸出額は前年度比で推定約9億円増の60.5億円となっている。
今後も
①少量多品目産地と実需者を結ぶ新たな流通システムの構築
②加工・業務用需要に対応した契約栽培の推進
③食生活の多様化に対応した品目の導入支援
などに取り組み、大都市近郊という本家の立地特性を生かした農業の競争力強化を進める。

 

7、阪神高速道路の新料金体系導入について

<谷井県議>
本年9月に国土交通省の国土幹線道路部会において「近畿圏の高速道路を賢く使うための料金体系基本方針(案)」が、示された。

わが会派はこの基本法指南を受け、11月に知事に申し入れを行い料金改定時期について、利用者負担への周知が進んだ段階で新料金体系を導入すること、利用料金の上限・下限額は1300円から300円となっている首都高速道路の水準額以下とすること、大口・多頻度割引を継続すること、渋滞対策になる北神戸線と神戸線ルートの同額料金化、5種区分化によって大幅に料金が上がる車種に対する激変緩和措置などの対応を訴えてきた。この間、兵庫県は神戸市、大阪府、大阪市、堺市との協議を進め、12月1日に、新たな高速道路料金に関する提案としてとりまとめ、国土交通省に提出された。

この提案によると、新料金を導入する際に利用者の理解が得られるよう、十分な周知期間を設けるとともに、効果的な方法で広く周知を図ることや阪神高速道路の上限・下限料金については、確実な債務償還を前提に物流への影響や一般道の負荷軽減等を考慮し、首都高速道路の水準も参考に適切に設定すること、大口・多頻度割引の継続・拡充を図ること、激変緩和措置を講じるようにすることなど、概ねわが会派の主張が反映された形となっており当局の努力に謝意を示す。

その一方で課題も残っている。大阪湾岸道路西伸部の道路整備について、約5000億円ともいわれている巨額の整備費用を国と地方の直轄事業予算中心ではなく、有料道路事業枠を拡大することによって早期に整備を進める必要性は十分理解できる。また、国は平成29年度からの新料金体系導入を示す一方、阪神高速道路の現行料金では、来年3月末に一部の割引が廃止され、4月から100円~110円の割引廃止を新料金体系導入時に同時に行うよう、国に強く求めていく必要があるのではないか。

また、事情によりクレジットカードが利用できない方にもETCが利用できるETCパーソナルカードの普及・促進など利便性の向上に努め、誰もがETCを利用できる環境整備を図っていく必要がある。

阪神高速道路の料金改定における国や関係機関への働きかけの方針、特に新料金体系をスムーズに導入するための取り組み、また、利用者への周知方法について所見を伺う。

 

<井戸知事>
利用者にとって分かりやすく、公平でシームレスな新料金体系の導入については、本年9月に国から示された基本方針(案)をもとに各派からいただいた意見も参酌しながら関係5府県市協働で提案を取りまとめ、12月1日に国に申し入れた。

提案では、
①基本料金については対距離制とし、5車種区分に整理・統一するとともに、急激な負担増を緩和するため上限料金や車種間比率に激変緩和措置を導入すること
②大口多頻度割引や環境ロードプライシングなどの政策目的達成のための割引の継続や拡充を図ることを、また、
③ミッシングリンクである大阪湾岸道路西伸部を確実に早期整備する観点から、有料道路事業費を拡大することとし、その際、利用者の追加的な料金負担の軽減を図るため、出資金償還の後送り等の「様々な工夫」を講じることも求めた。さらに、新料金体系の導入にあたっては十分な周知期間を設け効果的な方法で広く周知を図ることや、ETCの普及を促進すること等も盛り込んだ。

県としては、共同提案の内容が実現されるよう引き続き、国、阪神高速に働きかける。さらに、新料金体系が混乱なくスムーズに導入できるよう、今年度末が期限である西線内々割引とNEXCО・本四乗継割引を新料金体系導入まで継続することや、ETCの利便性向上のため、ETCパーソナルカードを普及促進することなどを国等に求めていく。

また、新料金体系の導入方針や取組状況について、すでにホームページで周知を進めているほか、大阪湾岸道路西伸部の整備の必要性・効果についてもホームページに加えパンフレット配布、パネル展示等により広報を行っている。2月議会への上程、議決を経て新料金決定後においても、国、阪神高速と協力し、テレビ、ラジオ、ポスター、新聞などで周知強化に努める。

 

8、いじめ問題について

<谷井県議>
文部科学省の平成27年度自動生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査結果(速報値)によると、平成27年度に全国の小中高校などが認知したいじめが、前年度より3万6468件増の22万4540件であり、過去最多になったと報告されている。

文部科学省では、解決に向けた積極的な認知を推進する政策が浸透してきたとみているが、認知件数に地域差もある。調査結果によると、本県では、いじめの件数は過去最高の6895件と、前年度比約2.7倍に急増している。特に、保護者、学校現場、警察、教育委員会などの関係者が一体となって、いじめに対する認識を共有し、いじめの撲滅に向けて積極的に取り組む体制ことが重要である。そこで、本県のいじめ問題に対する取り組み体制と情報共有化の現状、課題認識、今後の展開について伺う。

 

<高井教育長>
本県では、平成24年度の川西市の事案を踏まえ、いじめに対する組織的な対応ができるよう全県立学校に「いじめ対応チーム」を設置した。
また、いじめ防止対策推進法の施行後には
①学校、県及び市町組合教育委員会、児童相談所、法務局、警察その他関係部局で構成される「兵庫県いじめ対応全県ネットワーク会議」や
②市町の代表者等で構成される各教育事務所主催の「いじめ対応地域ネットワーク会議」を開催し、的確・迅速な情報共有による協力支援体制の充実に努めてきた。

いじめ認知件数については、依然として学校間や地域の差があることから、法に定められたいじめの定義に関する理解や些細な事案を一人で抱え込んでしまうことが重大事態につながるという認識が大切であることなど、さらなる教員の意識改革を図る必要がある。

今後は、教職員のいじめ問題に対する意識改革を図る研修の充実に努めるとともに、いじめの早期発見・早期対応のため
①いじめアンケートの実施方法の工夫やいじめ相談窓口の充実
②関係機関との連携やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等を活用した支援体制の強化を図っていく。
また、未然防止の観点から
①道徳教育や体験教育等による豊かなこころの育成
②「いじめ防止プログラム」の活用による、いじめを許さない学校づくり等の取り組みを推進していく。

 

9、高齢運転者の交通事故未然防止について

<谷井県議>
警察庁の調査によると、全国では平成27年に起きた75歳以上の高齢ドライバーによる交通死亡事故は458件で、そのうち事故前の認知機能検査で、認知症のおそれや認知機能の低下のおそれと判定されたものは212件と、約半数にものぼることを公表している。

このような状況の中、高齢運転者の対策を強化した改正道路交通方が来年3月施行される。その改正において、75歳以上の方は、これまで3年に1度の免許更新のときにだけ受けることとされていた認知機能検査について、信号無視や一時不定詞など、一定の違反行為を下場合は3年を待たずに臨時に認知機能検査をうけることになる。その臨時認知機能検査を受けた結果、認知症のおそれがあると判定された場合は、医師の診断を受けることとなり、認知症と診断されたときは免許の取り消し等の対象となる。

また、免許更新時の認知機能検査で、認知症のおそれがあると判定された場合も同様の措置となるなど、大きく制度が変更されており、認知機能が低下した高齢運転者による交通事故の防止が期待できる。今後、自治体への働きかけなど高齢運転者による交通事故防止対策を強力に推進していくべきと考えるがどのように取り組むのか。

 

<太田県警本部長>
平成27年度末現在の高齢者の運転免許保有者数は約70万人で、高齢運転者が第1当事者となる人身事故件数は、4819件と10年前に比べると1.2倍に増加している。平成27年中、75歳以上の高齢運転者による交通死亡事故が12件発生し、6件が直近の認知機能検査において、認知機能の低下のおそれがあると判断されていることから、高齢運転者に対する交通事故防止対策は喫緊の課題であると認識している。

県警察では、高齢運転者に身体機能の変化を理解させるため、シルバー・ドライバーズ・スクール等の交通安全教育を推進するとともに、運転免許の自主返納を促進するため、自治体等に地域公共交通の活性化のほか、返納者に対する公共交通機関の運賃割り引きなどのサービスの提供や拡充を働きかけている。

来年3月の改正道路交通法の施行については、指定自動車教習所との連携等を通じ、その実施体制の拡充を図るとともに免許更新センターへの看護師の配置を含めた相談体制の拡充を関係機関との調整を図り、実現に向けて努力する。

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