Archive for 2015年 7月

2日間にわたり県民生活に直結する施設を訪問
 開設した尼崎総合医療センターや特別支援学校などを視察

 県議会公明党・県民会議は、7月21・27日の2日間にわたり、県内の開設後の施設や県民生活に直結する機関の進ちょく状況などを視察・調査しました。

 1日目は、神谷ダム(姫路市豊富町)、姫路競馬場洪水調整池(姫路市広峰)、県立姫路しらさぎ特別支援学校(姫路市苫編)、姫路優良・高齢運転者運転免許更新センター(姫路市市之郷姫路警察署内)、また、2日目は県立有馬富士公園(三田市福島)、三田建設技能研修センター(三田市香下)、尼崎総合医療センター(尼崎市東難波町)を訪れました。

≪7月21日・1日目≫
 最初に訪れた神谷ダムでは、全国初となるダムの堤体を利用した太陽光発電所を視察。堤体などに容量が合計で約3000kwになる太陽光発電パネルを設置し、年間で約330万kwを発電しています。

姫路競馬場・洪水調整池は、姫路競馬場の一部に貯水容量12万㎡の洪水調節池を建設することにより、治水対策を図ることを目的に整備されています。同施設は、平成16年に台風23号により船場川が溢水し多くの家屋が浸水被害に遭ったため、そのような被害の防止策として整備。洪水時に河道沿いに設置した横越流堰(分水堰)から河川水を分水し、導水路を介して競馬場内の調節池で一時的に貯留することで分水地点下流域の洪水時流量を軽減します。

 次に、本年4月に開校した姫路市しらさぎ特別支援学校へ。県立姫路特別支援学校の児童・生徒の増加に対応し、新設され小・中・高等部に210人が編入学しました。敷地面積は約2万7700㎡で校舎3棟、体育館、プールを備えています。校舎にはソーラーパネルが設置され、太陽光発電が導入されています。

 このあと、来春開設を目指して準備が進められている、姫路優良・高齢運転者運転免許更新センターを視察。姫路警察署内に設置され、5年間無事故無違反の優良運転者と70歳以上の高齢ドライバーを対象に想定しています。即日交付や日曜日の受付を行い、免許証の再交付や記載事項の変更なども検討されています。センターの開設により、姫路市など西播磨地域の県民が運転免許の更新手続きがしやすくなることが期待されています。

≪7月27日・2日目≫
 県立有馬富士公園は、阪神間での広域・多様化するレクリエーション需要にこたえるため平成13年に開園しました。自然や生き物の生態が学べる自然学習センターやコンサートが出来るホールや会議室を備えたパークセンターがあります。園内では、風や水で動く作品で知られる彫刻家の新宮晋氏が寄贈した12点の彫刻が展示されている「風のミュージアム」を見学するとともに、順次進められてきた整備状況の説明を受けました。

 また、建設業関係職種に係る認定訓練などを目的とした三田建設技能研修センターは、鉄筋・型枠・とび・拝観などの技能士コースをはじめ高所作業運転・フォークリフト運転などの技能講習を行い、建設業関係の人材育成機関として注視されています。センター内では、教室やさまざまな建設機械を使った研修・講習の様子を見学しました。

 最後に、今年7月に開院した県立尼崎総合医療センターを訪問。同センターは、地上11階・地下1階建てで免震構造を備えています。圏域内での急性期医療の拠点病院として、救急医療、小児医療、周産期医療等の充実が図られ、365日24時間対応の救急救命センターが設置されています。特に小児救急、心筋梗塞、脳卒中の対応、ガンなどを含む高度専門医療の提供など730床を擁し関西随一の規模を誇る総合病院として整備されました。明るい病室や緑が多い院内を見学するとともに、担当者から地域包括ケアシステム実現への取り組みや最新医療機器、尼崎初となるドクターカーなどについて説明を受け、意見交換しました。

定例の研修会で加藤県立大教授が講演
 これからのまちづくりについて新たな視点を示唆

 定例の研修会を7月16日、県庁内で行い、加藤恵正・兵庫県立大学政策科学研究所教授に「人口減少・少子高齢化社会におけるまちづくりのあり方」をテーマに講演していただきました。


 まず、日本と海外の人口推移のデータを示しながら、国と自治体が取り組んでいる地方創生は、人口減少を前提に地域の多様性を生かした地域ごとの取り組みで人口減少に歯止めをかけ、活力ある社会の実現を目指していることを説明。

 次に、近年出生率が伸び発展が著しいデンマークの社会システムについて言及しました。「以前、デンマークの出生率は1.4人で、国が危機感を持ち保育施設の充実をはじめ女性が働きやすい支援策を打ち出していった。その結果、多くの女性が社会進出し、出生率も上がった。女性の力を引き出すことが国の活性化への大きな力となった」とその要因を指摘。また、「日本は、希望が持てる未来の実現に向けて社会システムを変換していかなければならない。これまで培ってきたことや作り上げてきた文化を変えるところまで踏み込まないと、日本は変わることができない」と話し、スピード感と柔軟性のある変革を国単位ではなく、圏域でやっていく必要性を提案しました。

 その例として世界を牽引している大都市圏を紹介。ボストン、ニューヨーク、ロンドン、マンチェスターなどを挙げ、それぞれの人口、経済活動、特許を取得したイノベーションなどの蓄積の規模を解説。「それらの大都市圏では金融や情報・技術革新のグローバル化や人口・文化の集中が進んでいる」と述べ、これからは国単位ではなく大都市圏の発展が世界の大きな流れとなることを示し、日本でのそのような大都市圏の誕生に期待を寄せました。

 さらに、神戸・兵庫の地域創生には
▼人材の育成・確保
▼県内の大学や世界的な研究機関が集積している知識・情報の活用
▼先端知識を持つ企業などの連携によるイノベーション・ハブ形成の必要性を提案し「これらに着目し取り組んでいけば兵庫県はイノベーションの拠点になっていけるはず」とこれからの兵庫の方向性を語りました。

 最後に、地域創生のひとつのあり方として、地域に根差した取り組みが結実している例を紹介しました。徳島県神山町は、遊休施設や光ファイバー網の整備を進め、企業等がサテライトオフィスを設置し、近年住む人が増加。地理的に不便な場所ではあるが、古い家屋などを活用し、人が集まってくることで商店街が再生し始めている様子を話しました。

また、高齢化で空き家が増加している大阪市此花区梅香四貫島エリアでは、アーティストやデザイナーらが集まる仕掛けづくりを推進。空き部屋や空き地を作品の発表の場として提供することで、ワークショップ、カフェなどが展開され多くの若者が流入している事例を紹介しました。

 このあとの質疑では、地方に若者を呼び込む方法や地方創生の核となるNPOなどについて意見交換しました。

丹波・但馬・阪神地域で市町政策要望会を実施
課題解決と活力あふれるまちづくりへ

7月14・15日の両日、丹波・但馬・阪神地域で市町政策要望会を実施しました。これには地元の市町長らが出席し、課題解決や活力あふれるまちづくりに向け意見交換しました。さまざまな要望を受けて、県議会公明党・県民会議として来年度の予算編成に反映できるよう、全力での取組を約束しました。


主な要望事項は次の通りです。

【丹波地域】
■開催日・場所:7月14日・篠山市内
■出席者:酒井篠山市長、辻丹波市長

■主な要望事項
●篠山市=地域の農業を守る元気な農業者への支援と集落営農の取り組み支援について
▼針葉樹林の間伐と広葉樹林化の推進について
▼生物多様性における県の積極的な取り組みについて
▼県・市協働による積極的な企業誘致について
▼日本遺産への支援について
▼「地方人口ビジョン」・「地方版総合戦略」の検討状況及び課題

●丹波市=国道175号「東播丹波連絡道路」の整備促進について
▼央号治水対策にかかわる財源措置について
▼「地方人口ビジョン」・「地方版総合戦略」の検討状況及び課題

【但馬地域】
■開催日・場所:7月14日・豊岡市
■出席者:齋藤豊岡市副市長、藤本養父市健康福祉部長、多次朝来市長、西内香美町副町長、田中新温泉町企画課長

■主な要望事項
●豊岡市=北近畿豊岡自動車道・山陰近畿自動車道の整備促進について
▼コウノトリ但馬―東京・羽田直行便の実現について
▼中学校における併任(兼務)発令について
▼「地方人口ビジョン」・「地方版総合戦略」の検討状況及び課題

●養父市=公立病院への支援について
▼福祉医療費助成制度の拡充について
▼「地方人口ビジョン」・「地方版総合戦略」の検討状況及び課題

●朝来市=公立病院へ支援、医師不足による医師確保の支援について
▼木質バイオマス発電に係る木材の安定供給について(造林事業標準単価の100㎡以上の区分の追加)
▼木材搬出の基盤となる林業専用道の路網整備支援について
▼「地方人口ビジョン」・「地方版総合戦略」の検討状況及び課題

●香美町=道路網の整備(山陰近畿自動車道、国道482・178号、県道など)
▽「地方人口ビジョン」・「地方版総合戦略」の検討状況及び課題

●新温泉町=公立の「幼保連携型認定こども園」の施設整備にかかる支援について
▼「地籍調査事業」の予算確保について
▼山陰近畿自動車道の整備促進
▼新温泉町栃谷から居組間の早期事業化
▼「地方人口ビジョン」・「地方版総合戦略」の検討状況及び課題

【阪神地域】
■開催日・場所:7月15日・宝塚市内
■出席者:佐藤芦屋市副市長、中川宝塚市長、竹内三田市長

■主な要望事項
●芦屋市=財政支援について(震災復興事業関連公債費に関する特別交付税措置の継続について)
▼阪神・淡路大震災に係る災害援護資金貸付金の償還について
▼「地方人口ビジョン」・「地方版総合戦略」の検討及び課題

●宝塚市=「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」に基づいて実施している障害者自立支援給付及び地域生活支援事業については、地域の実態を踏まえ自治体での格差が生じない等の十分な財政措置を講じること
▼阪神地区身体障がい児者リハビリテーションセンターの設置
▼原子力災害対策指針に関する説明及び防護措置等に係る財政支援について
▼「地方人口ビジョン」・「地方版総合戦略」の検討状況及び課題

●三田市=三田市民病院の運営について
▼「地方人口ビジョン」・「地方版総合戦略」の検討状況及び課題

パンフレット用写真・尼塚総合02(上空撮影)兵庫県立尼崎総合医療センター(尼崎市)が1日にオープンした。
これに先立つ6月20日、開院記念式典が開かれ、多数の関係者が出席し、地域の高度救急・専門医療の基幹病院となる同センターの完成を祝った。

 公明党の県議、尼崎市議も参加し、中野洋昌衆院議員が井戸敏三知事らと共にテープカットを行った。

 DSC_8969同センターは、県立尼崎、塚口の両病院を統合した新病院。鉄筋コンクリート造り地上11階建て、延べ床面積は約7万7000平方㍍で、屋上にはヘリポートも備えている。病床数は730で、医師約300人、看護師1000人以上が勤務。重症患者に高度医療を行うER型救命救急センターをはじめ、循環器内科、リウマチ科など42診療科が設けられている。

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 小児中核病院として「PICU(小児集中治療室)」を設置し、24時間対応で小児救命救急医療に当たり、出産前後の周産期医療を提供する「総合周産期母子医療センター」も整備されている。

 式典で井戸知事は、「統合がより大きな力の発揮につながり、阪神間の拠点病院として機能し続けることを期待している」と式辞を述べた。

 同センター整備の発端は、行政改革の中で浮上した、塚口病院の尼崎病院への統合案だった。地元の要請を受けた関係者による協議の結果、新病院の整備が決定。その際、新病院の用地確保が課題となり、公明党の谷井勲県議の提案で、市立産業高校跡地に決まった経緯がある。

 

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