Archive for 2007年 3月

平成19年第2回定例会は3月1日に召集され、会期22日間をもって3月22日に閉会しました。

この間、提出された議案は、条例制定3件、条例改正・廃止議案が14件、平成18年度補正予算に関するもの10件、当初予算10件、報告案件が3件、議員発議5件の合計45件ですが解散決議案以外の議案を原案通り可決、承認しました

解散決議案は1票差で否決

議会の議員及び市長の選挙の期日を統一するために提出されました解散決議案は賛成17、反対5で否決されました。

賛成討論

解散決議案に対し以下の賛成討論をおこないました。

私は本決議案に賛成の立場で討論いたします。

議員の身分に関る重大な解散決議案が提出されることを知りましたのは、一部の新聞報道を見た市民からによるものでありました。今、議会では行財政改革特別委員会がもたれておりますが、そこでも提案されず、当事者である議員が新聞報道より後で知るということは、通常ではありえないことで、提出会派の本当の意図がどこにあるのか、測りかねるところであります。

また、このたびの解散決議案は地方公共団体の議会の解散に関する特例法によるものでありますが、この法律の趣旨は「地方公共団体の議会の解散の請求に関する世論の動向にかんがみ、当該議会が自らすすんでその解散による選挙によって、あらたに当該地方公共団体の住民の意思をきく方途を講ずるため」、とあります。このたびの解散決議案は議会の解散の請求に関する世論の動向はともかく、住民の意思をきく方途には当てはまらず、この法律の趣旨は今回の様なことを想定して作られたものでは無いと思われます。にもかかわらず、この法律を適用するには少し無理があるように思います。

しかしながら一方では公職選挙法の中に地方公共団体の議会の議員及び長の選挙の期日を統一する90日特例というものもあります。この特例は議会の議員及び長の任期が接近している場合、これらの選挙の円滑な執行と経費の節減を図るためのものであり、選挙の円滑な執行とともに経費の節減もその目的とされております。

また、老年者控除の廃止、公的年金等控除の縮小、定率減税の廃止、ごく最近では法人市民税の税率アップなど、市民の負担は確実に増大しており、こうした市民の痛みを考えますと一段と行財政改革を進めなくてはなりません。こうした観点から考えますと議員も自ら定数の削減などの改革も進めておりますが、より踏み込んだ改革も決断すべき時であり、市民の代表である議員は市民の利益を最優先に考えるべきであると思います。以上総合的に判断しますと経費の節減以外に解散の理由は無く、また矛盾点もありますが、市民の負担の増大と財政状況の厳しい現状に鑑み、この際解散し、議会の議員及び市長の選挙の期日を統一すべきと考えます。よって本案に賛成するものであります。

 

可決された議案の内容

19年度予算

一般会計当初予算額は128億9482万円となり、対前年度と比比較し4億6,380万5千円(3.5%)の減額となる。

歳入

*市税全体では、2億7,732万3千円(7.7%)増の38億9,997万7千円を計上。

個人市民税は、税源移譲により、2億7,603万円(26.1%)増の13億3,558万円計上、

*法人市民税は、市内企業の業績上昇見込により5,285万円(10.7%)増の5億4,639万円を計上

*市たばこ税は8,600万円(29.1%)減の2億1,000万円計上。

*分担金及び負担金

日下地区飲料水供給施設の完了や幼児数の減少による私立保育所保育料などの減により、2,262万円減の3億5,049万円を計上

*使用料・手数料

収集量の減少によるし尿収集手数料の減や公立保育所の保育料、幼稚園授業料の減により309万円減の2億8,704万円を計上

*普通交付税

交付税総額が前年度比マイナス4.4%となったことや、簡素な新しい基準による基準財政需要額の算定の導入など不確定要素のあることから、前年度決算見込額からは10%程度の減となる前年当初予算額と同額の36億円を計上

*特別交付税 昨年度と同額の5億円を計上。

*国庫支出金

私立保育所建設や児童手当の制度拡充等により、1,237万円(1.7%)増の7億4,101万円を計上

*県支出金

税源移譲に伴う県民税の増により県民税徴収取扱委託金が増額することや、選挙関連委託金の増により2,271万円(2.9%)増の8億1,300万円を計上。

*市債

市単独道路整備事業債などの4億6,500万円の建設事業債と臨時財政対策債4億9,000万円とで、総額では、前年から2億2,890万円(19.3%)減の9億5,500万円の発行を予定。

*以上の歳入で不足する一般財源額については、財政調整基金6億6,991万1千円、減債基金2億6,000万円を取り崩して充当

歳出

*議会費

報酬、政務調査費、会議録作成・検索費用等に2億955万9千円を計上。

*総務費

新たに監査委員による自主的な一般監査をより充実するため常勤的監査委員報酬180万円を計上したほか、職員のメンタルヘルスに対応するカウンセラー委託料や県立白鳥病院の建替えを支援するため臨時駐車場確保関連の経費1,405万円、評価替えのための標準宅地鑑定委託料2,064万9千円等を計上。また、自治会助成金は昨年同額の2,400万円、コミュニティ・イベント助成補助金は900万円の計上

民生費

社会福祉務費として、福祉バス運行事業、社会福祉センター指定管理委託、社会福祉協議会運営補助を継続して実施するほか、市民と市が一体となって保健及び福祉に関する計画の円滑な推進と進行管理を図る「保健と福祉のふれあい会議」も開催。また、民生委員活動に要する経費、2年に1度開催している「戦没者追悼式」の費用など、社会福祉費として2億2,535万8千円を計上。

老人福祉費では、市内3つの温泉施設への高齢者入浴福祉事業委託や白鳥温泉運営のための繰出金、養護老人ホームの運営負担のほか、緊急通報システムや日常生活用具給付、住宅改造等の在宅福祉事業、また、長寿祝金や敬老会の実施などの敬老事業、老人保健事業特別会計への繰出金など6億128万1千円を計上、障害者福祉では自立支援給付、障害者家族介護等支援、特別障害者手当、障害者通所作業所、地域生活支援、重度心身障害者等医療給付などで4億7,054万1千円計上。人権啓発活動などの人権対策費に5,425万4千円、介護保険事業に4億7,828万1千円を計上。

児童福祉費では、児童手当、乳幼児医療、放課後児童健全育成事業等を継続し、幼保一元化についても引き続き検討していくほか、母子家庭の相談指導のため新たに母子自立支援員を設置するなど母子福祉費に1億3,496万円計上。

私立保育所運営委託、運営補助のほか、新たに子育て支援サークル等育成費補助と国の「次世代育成支援対策施設整備事業補助金」を受け私立保育所の建設助成など子育て支援費に4億5,691万7千円を計上。

保育所費4億2,632万円、児童館費1,705万円計上。

生活保護費は、前年ほぼ同額の2億9,419万1千円を計上。

衛生費

保健衛生総務費として、1歳6ヶ月・3歳児健診、乳児健診、妊婦健診のほか、県歯科保健巡回診療が削減されるため、単独で2歳児歯科健康審査を実施することと「健やか親子21」を推進するためマタニティーキーホルダーを配布し、特に妊娠初期の妊婦に対するみなさんの支援をお願いするなど、国民健康保険事業特別会計への繰出金を含めて4億1,357万1千円を計上。

予防費では、乳幼児、学童、高齢者に対する予防接種の接種率を高め、食生活改善等の栄養指導事業も引き続き実施。

保健事業費では、壮年期からの健康づくりを目標に健康手帳、健康診査、健康教育、健康相談、機能訓練、訪問指導など医療以外の事業を実施。

環境衛生費では、合併処理浄化槽設置補助、環境美化促進事業、斎苑・霊園の管理、狂犬病予防事業などに1億5,679万円計上。

清掃費では、3箇所のクリーンセンター運営費等の塵芥処理費に4億7,744万円、し尿処理費に2億431万円を計上。

農林水産業費

農業振興費として、中山間地域等直接支払事業や、地域ブランド等特色のある売れる米の生産・出荷・販売体制のための施設整備に支援する「地域水田農業ビジョン実現総合支援事業補助金」、規模拡大や経営転換を図る意欲ある担い手を支援する「認定農業者経営改善リース支援強化事業」の継続実施のほか、新たに将来の農業振興事業の母体となる組織を立ち上げる「担い手アクションサポート事業」等に1億1,699万7千円を計上。単県土地改良事業、市単独土地改良事業、土地改良施設維持管理適正化事業、農地・水・農村環境保全向上活動支援事業のほか、農業集落排水事業特別会計への繰出金などで農地費に3億8,143万8千円計上。県営ため池、農免農道のほか19年度から面整備が本格化する引田駅南地区の県営農村振興総合整備事業などの負担金等の県営土地改良事業費に1億725万9千円、五名地区交流センター整備を含めた中山間地域総合整備事業費に6,527万8千円を計上。私有林造林・保育事業、治山・林道維持管理事業などの林業費に2,381万円を計上。水産業費では、広域中間育成事業や重要稚仔放流などの枯渇する内海資源確保のための事業のほか、平成20年が野網和三郎生誕100年、ハマチ養殖80年にあたることから、関係団体とともに実施する記念事業など水産振興費に2,931万円、引田漁港の広域漁港整備や港内浚渫、馬篠漁港の環境施設整備など漁港建設費に1億4,443万1千円を計上。

商工費

工業団地土地購入費、商工会補助、日本手袋工業組合地場産業振興事業補助など商工業振興費に1億319万円を計上。また、安戸池等観光施設、讃州井筒屋敷、パペットランド、絹島いこいの里の指定管理委託料や、ニューツーリズム協会、とらまる人形劇カーニバル、引田ひなまつりなどの助成金は昨年と同額を計上し、新たにとらまる座のワイヤー取替工事とミニチュア児遊館の改修を追加、白鳥温泉への繰出金を含めて観光費に1億3,465万5千円を計上。

土木費

市民の方々が行う道路、河川、海岸の環境美化活動に支援するボランティア運営費のほか、道路橋りょう費では、市道の維持修繕や交通安全施設の整備を引き続き実施することをはじめ、県費補助での市道改良や、用地買収が進んでいる国道11号バイパス取り合わせ関連の市道改良など生活関連道路の整備に4億1,818万8千円を計上。

河川維持修繕工事、ダムの管理負担金、水門管理費用等の河川費や、県施工の港湾整備工事負担金等の港湾費のほか、都市計画費では、所管の公園管理に要する費用や、新たに県道三本松停車場線の拡幅改良に伴うJR三本松駅前の市道ロータリーと駐輪場の整備等を含めて1億271万円を計上。

下水道費では、ポンプ施設の整備や下水道事業特別会計への繰出金など1億8,172万円、住宅費では、住宅改修工事を継続して実施することと、法改正により平成23年までに設置が義務付けられた火災警報器を4年計画で設置するなど4,548万5千円を計上。

消防費

消防団の出動費用弁償や広域消防運営負担金等に非常備消防費に5億1,084万円、地域防災無線サイレンの増設工事、消火栓、潮位計設置等の消防施設費に4,102万2千円、さらに災害対策費として土のうや救急箱の資材や乾パン、飲料水の備蓄品等も計上。

教育費

昨今のいじめ・不登校等の生徒指導上の諸問題に早期に対応するためスクールカウンセラーを設置することや、万一の事故等に備えてAED機器を全小・中学校に配備するほか、心の教室、子どもと親の相談員制度も引き続き実施するとともに、環境整備工事や教育ネット用パソコンの更新など小学校・中学校費に2億1,517万円、市内7つの幼稚園運営費に3億196万円を計上。

社会教育費は、成人式事業や生涯学習事業、文化財保護に係る費用のほか、放課後に子どもたちの安全で健やかな居場所づくりを推進するため、厚生労働省の「放課後児童健全育成事業」と文部科学省の「放課後こども教室推進事業」の双方を併せ、一体的あるいは連携して実施する総合的な放課後対策である「放課後子どもプラン」を検討する。

公民館、コミュニティセンター、図書館、歴史民俗資料館の管理運営費に7,599万円を計上。

保健体育費では、体育指導委員会、体育協会をはじめ各スポーツ団体と連携し、生涯スポーツを推進するとともに、学校給食費では、稼動2年目となる学校給食センター管理運営費等に2億5,216万7千円、体育施設費として、指定管理委託料や施設整備工事に9,524万8千円を計上。

公債費

長期債償還元金、利子、一時借入金利子を合わせて22億1,900万9千円の計上。

 

☆特別会計

  東かがわ市国民健康保険特別会計

45億4,131万円で対前年度比15.9%の増

  東かがわ市介護保険事業特別会計

28億9,783万円で対前年度比2.3%の増

  東かがわ市老人保健事業特別会計

49億6,337万円で対前年度比2.1%の減

  東かがわ市下水道事業特別会計

2億719万円で対前年度比65.3%の減

  東かがわ市農業集落排水事業特別会計

4億2,983万円で対前年度比10.4%の減

  東かがわ市白鳥温泉事業特別会計

1億2478万円で対前年度比1.1%の増

  東かがわ市介護サービス事業

3542万円で対前年度比122.5%の増

  東かがわ市水道事業特別会計

収益的支出6億2838万円

資本的支出七億3081万円で対前年度比28.4%の減

 

条例の主なもの

東かがわ市副市長の定数を定める条例の制定について

地方公共団体が自らの判断で適切なトップマネジメント体制を構築できるよう、助役に代えて副市長を置くこととし、副市長の定数は条例で定めることとされたことにより、本市副市長の定数を1人と定めるものです。

地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例の制定について

地方自治法の改正により、助役制度の見直しと収入役制度が廃止され、会計管理者を置くこととされたこと、更に吏員制度の廃止及び改正に伴い条例での引用部分にずれが生じたので、関係条例を一括して整理するため制定するものです。

東かがわ市個別外部監査契約に基づく監査に関する条例の制定について

地方分権の推進に対応した行政体制の整備及び適正な予算執行の確保を図るため、外部監査制度の有効活用を行い監査機能のより一層の充実を図るものです。

東かがわ市税条例の一部を改正する条例について

県内他市の状況に鑑み、法人市民税の抜本的見直しを行い、税率を標準税率から制限税率へ見直すと共に字句の整備を行うものです。

均等割税率では標準税率の1.2倍の制限税率に、税割税率では14.7%を適用し、税収の安定的確保を図ろうとするものです。

なお、税率の改正規定は、平成204月以後に終了する事業年度分の法人から適用することとしています。

東かがわ市パラグライダー等テイクオフ場条例を廃止する条例

当該施設の利用状況は特定の愛好家に限られており、行財政改革の観点並びに施設管理の適正化の観点から、公の施設として位置付けることが適当でないと考えられるため、条例を廃止するものです。 

 なお、条例が廃止されても施設自体は残すこととし、利用することができます。

 

東かがわ市議会議員の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例について

*議員の報酬について、平成18年度に引き続き平成19年度も報酬月額を据え置くために改正を行いました。

 

18年度補正予算

☆一般会計歳入歳出それぞれ、5億485万円を減額し、補正後の予算の総額を135億6,456万

*今回の補正は、本年度の事業の進捗の見通しを踏まえ、歳入歳出の整理を行ったことによるものが殆どです。

☆特別会計補正予算

△国民健康保険事業特別会計

5,829万9千円を追加し、43億6,209万円に

実績により見込額を推計し、不足が見込まれる一般被保険者療養給付費を増額し、一般被保険者、退職被保険者等に係る高額療養費及び出産育児一時金については減額し、国保財政の基盤の安定と強化を図る観点から基金積立金の追加を行いました。

東かがわ市介護保険事業

1億6,527万7千円を減額し、歳入歳出予算の総額を29億9,392万円に

平成18年度開設予定の小規模多機能型居宅介護施設と認知症対応型通所介護施設の開設遅延などにより保険給付費と地域支援事業費をそれぞれ減額し、財政の基盤の安定と強化を図る観点から基金積立金の追加を行いました。

東かがわ市介護サービス事業

406万2千円を減額し、2,562万9千円に

新予防給付ケアマネジメントの件数の減少により介護予防事業費と事務費を減額しました。

 

東かがわ市老人保健事業    

1億4,733万2千円を減額し、49億9,678万円に

実績により見込額を推計し、医療給付費及び医療費支給費を減額しました。

東かがわ市下水道事業

4,486万円を減額し、5億5,285万3千円に

下水道施設建設事業費は、制限付き一般競争入札を実施した結果、本年度の工事請負費の額が概ね確定したので、4,012万円を減額し、また、下水道施設管理費では、精算見込みにより、各費目を減額しました。

東かがわ市農業集落排水事業

869万7千円を減額し、4億8,645万円に

水主地区施設の発生汚泥量が少なく、コンポスト施設が未稼働のため、処理場機能維持管理委託料等を次年度に繰り延べにする減額と事業の精算見込みにより各費目にわたって減額するものです。

 

3 19 日の定例会におきましては、「本市の財政状況と公的資金の繰上償還について」と交通弱者対策についての一般質問を行ないました。

本市の財政状況と公的資金の繰上償還について

問 北海道夕張市が財政再建団体の指定を受けたことで、地方財政の健全化をめぐる議論が活発になっておりますが、本市におきましても最近何の情報に基づくのか、第二の夕張市になるのではないかなど、現状以上に財政の悪化を懸念する声が聞かれます。地方議員には自治体の財政事情を正確に認識したうえで、財政健在化のための責任ある対応をしていくことが強く求められております。

こうした背景の中、総務省の平成19年度地方財政対策のなかで、公的資金の繰上償還による公債費負担の軽減策が盛り込まれました。行政改革・経営改革を行う地方公共団体を対象に、平成19年度から3年間で5兆円規模の公的資金(財政融資資金、郵政公社資金、公庫資金)の補償金なしの繰上償還を行い、高金利の地方債の公債費負担を軽減するものであります。繰上償還が認められるには、資金の種類によって様々な条件がありますが、本市おきましても繰上償還の条件に合う地方債があれば、借り換え措置をすべきと考えます。

そこでお尋ねいたしますが、本市の財政状況をどのように認識されておられるのか、また、先に述べましたような繰上償還が可能な、条件に合う地方債があるのかどうかお伺いします。

答 本市の財政状況につきましては、地方公共団体の財政的なゆとりを表す経常収支比率や公債費比率などは、かなり高い数値を示しております。これは義務的な経費である人件費・扶助費・公債費などに対して一般財源が多く充てられているためであり、投資的な事業に充てる財源が限られており、いわゆる財政が硬直化しているというのが本市の現状であろうと認識しています。

しかし、これまでもいろいろな場面でご説明してまいりましたが、決算の結果、赤字になったことは、合併時の打ち切り決算という特殊事情により発生したこと以外には、ございませんし、財政破綻に陥るという状況には決してございません。にもかかわらず、昨年来、夕張市の財政破綻に端を発する地方公共団体の財政状況へのマスコミの加熱報道、また、NHKが報道した本市の「公債費負担比率」の件など、冷静に分析すればけっして破綻するような状況や指標数値でないのに、いたずらに不安感を煽り立てるような風評については、心を痛め、また、いささかの憤りも感じるところでございます。

「地方議員には本市の財政事情を正確に認識したうえで、財政健全化のため責任ある対応をしていくことが強く求められている。」という楠田議員のご認識に、強い賛同と敬意を表するとともに、執行者側も、市民の皆さまに、わかりやすく説明してご理解をいただくという努力と責任を果たしていくことの重要性を改めて痛感しているところであります。

2点目の公的資金の繰上償還についてですが、国の「平成19年度地方財政対策」のなかで、地方財政の健全化による将来的な国民負担を軽減するため、平成19年度から平成21年度までの3年間の臨時特例措置として、平成4年5月までの財政融資資金、簡保資金の貸付のうち金利5%以上のものの一部について補償金免除の繰上償還を行うこととされました。

本市の場合、平成18年度末の残高見込のうち、その条件に見合う市債は、平成20年度以降に償還が残るもので、一般会計で51件(5億1,148万4,095円)、下水道事業特別会計で23件(1億4,959万9,143円)、水道事業会計で31件(10億3,774万1,467円)であります。

ただし、繰上償還が認められる条件として、徹底した総人件費の削減等を内容とする財政健全化計画または公営企業経営健全化計画を策定して、行政改革、経営改革に取り組む地方公共団体、地方公営企業がその対象であり、さらに、市町村合併の状況、財政力、実質公債費比率または企業債元利償還比率等に応じて認められることになることから、今後の国・県等の情報に基づいて然るべき準備を進めたいと考えます。

本市においては、これまでも銀行等引受債など繰上償還可能な市債を対象に、高金利なものから繰上償還を行い、公債費の将来負担の軽減に努めてまいりましたが、今後も引き続き同様の措置を講ずる必要があると判断しております。今までやろうとしても出来なかった政府系資金の繰上償還ができるようになったこの時期を逃さず、最も効率的な手法を選択するよう、借り換え措置も含めて慎重かつ積極的に市債の償還に取り組んでまいるべきだと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。

 

交通弱者対策について

 公的交通機関の少ない本市におきましては、自家用車が主な移動手段となっております。こうした中、本格的な少子高齢化社会を向かえ、車を運転できない高齢者や障害者は、病院などへの通院、あるいは、老人ホームへの面会などは福祉バスが無い地域では、タクシーを利用するしか手段が無く、経済的な負担にもなっております。

 島根県雲南市ではこうした交通弱者対策として、デマンド方式の乗り合いタクシーを運行しておりますが、デマンドタクシーは、路線バスとタクシーの中間的交通機関で、利用者は路線バスのように停留所まで出る必要がなく、ジャンボタクシーが自宅まで迎車し、目的地まで送る方式で、最近では全国各地の自治体で採用されております。政友会、同志会、公明党の11名で雲南市のデマンド方式の乗り合いタクシーの視察をおこないましたが、70歳代の女性、いわゆる交通弱者の利用者が多く、運行経費も年間1500万円弱で運行されており、定期路線ダイヤ運行のバスよりはるかに安い経費で便利に運行されております。

本市におきましても福祉バスが運行されておりますが、全地域を網羅することができていないため、不公平感が生じております。合併当初計画されておりました、コミュニティバスも費用対効果の点から見直され、それに変わるものを検討することとなっていたように思いますが、いまだに代案は出てきておりません。

今後益々高齢者が増え交通弱者が増えると思いますが、福祉バスの見直しも含めデマンドタクシーも視野に入れた抜本的な交通弱者対策を考えるべきと思いますが、執行部はいかがお考えかお尋ねします。

答 福祉バス利用の対象となる高齢者・障害者は、約10,000人で、そのうち約1,000人程度の方が登録をされています。また、1日当たりの平均利用者は、約130人で、年間延べ約48.000人の方にご利用いただいています。 

利用対象区間も合併当初より拡充され、平成16年4月に伊座から引田まで、続いて平成18年4月に三本松から丹生の久保田までそれぞれ延長し、平成17年4月には障害者の利用対象拡大を図ったところであります。

更に、平成17年7月からは、利用者負担として1回当たり100円のご負担をいただき、財政的な安定と不公平感の是正をも図っているところであります。

また、鳴門市営バスを翼山温泉まで区間延長できるよう、かねてから鳴門市との協議を続けているところであります。

以上のことから、福祉バス制度は費用の面、また利用状況からも安定して運営されておりますので、今後、利用者の拡大を図りながら、引き続き継続して実施してまいります。

循環バスにつきましては、既に議会にもご報告申し上げておりますとおり、東かがわ市コミュニティー交通検討委員会で、関係する幅広い方々にご協議をいただいて、運行しないことを決定しております。

楠田議員ご提案のデマンド型交通システムは、山間地域や路線バスの廃止地域など、日常生活の公共交通として各地で導入の動きを見せております。確かに、一般の巡回バスに比べて、ドアツードアを基本とする送迎が可能となるなど、交通弱者にとっては、便利でメリットは高いものの、民間業者との関係やこれまでの検討委員会の決定などを踏まえ、導入にあたっては多面的、総合的な検討を加え、慎重な対応が必要と思われますので、ご理解を賜りたいと存じます。

再質問 コミュニティバスについては運行しない点も承知しており、それに代わるものを考えることのようであったと記憶しておりますが、そうではなかったのか、それからまた、福祉バスにつきましては、路線が限られておりまして、例えば丹生駅より、西の国道11号線とか、国道から遠く離れた人が非常に不公平感を持っております。福祉バスでこのような不公平感を解消できるとお考えなのかどうか、再度お尋ねをいたします。

再答弁 合併協議の段階で、循環バスの運行というのがこれからの高齢化社会の中で必要であろうということで、おおむねその方向で合意をいたしておりましたが、実際に業者の方々、地域の代表の方々、あるいは多面的な委員の方々に市のコミュニティ交通検討委員会でご協議をいただいた結果、既存の路線バスあるいはその他様々な諸条件の中でこれを運行するのは現実的でない、非常に利用と負担との関係がバランスがとりにくいというようなことで、時期尚早といいますか、無理であるというふうな結論をいただきました。

 私は、当初は地元の代表の方も入っておられるという中で、とにかく実現せよという方向に結論が出るものと思っておりましたが、そういう結論が出たということは非常に意外でございましたが、それだけ真剣に財政状況とか効率化の問題も含めてご検討いただいた結果であろうというふうに受けとめております。

 それで、楠田議員ご提案のこのデマンド方式によりますタクシーの運行というのは、私もかねてからそういう方向の議論も聞いておりましたけれど、具体的な勉強はあまり深めてしていたわけではございません。ただ、今回も議会の皆様方、雲南市まで出かけていろいろ研究されたようでございます。

 確かにドアツードアということで、路線バスですと高齢者の方が自宅からバスの停留所までということで、また相当の距離を歩かなければいけない。やっぱり不便であるというのは間違いないことでございます。それで、ドアツードアで目的地に行けるというのは、利便性ということからいきますと飛躍的な差がございます。

 ただ、これをどのようなシステムで、方法でやるのか。利用者の対象をどの辺まで持っていくのか。また、助成の仕方といいますか、財政負担の仕方とそのシステムというのはどのように持っていくのかということについては、なかなか相当の研究をする必要があろうかというふうに思います。

 先ほどお話がありました島根県の雲南市、確かに実施しているようでございますが、まだ合併して2年目の市でございまして、ちょっと調べてみますと、合併前の旧掛合町地域、約4,000人の方々の地域で旧来やっていたものを継続してということのようでございまして、雲南市は4万6,000人近い自治体でございますので、合併前の約10分の1のエリアで旧のシステムを継続しているという状況のようでもございます。

 1回300円で年間8,200人の方が利用している。年間委託料が1,500万ということのようでございました。一人1回当たり1,830円ぐらいの負担になると。本市の福祉バスの場合には、委託料2,160万ですが、延べ利用人数が4万8,000人、1回当たり100円の負担をいただいておりますが、委託料としての市の財政負担は450円と、かなり差がございます。

 市内全域にこのデマンドタクシーを検討するといたしますと、この福祉バスはほとんど使われなくなるであろうと。その場合にどのような規模でどのような対象者にどのようなスタイルで制度設計をするのか、そういったことについては相当の研究をする必要があろうかというふうに思いますし、今までお願いをしてまいりましたバス事業者あるいはタクシー事業者等との関係もいろいろ出てくるかと思いますので、これは、1つの町全体のこれからの勉強課題という形で、十分な検討を加えた上で結論を出すべきではないかなと、そのように思っておりますので、ご理解いただきたいと思います。

 この予定された福祉バスの路線から離れた地域の人が利用できないではないかと、これはごもっともな話でありますが、しかしながら、この福祉バスが運行されてきた過去の経緯というものを見てみますと、旧白鳥町の五名地区までの山間地域で、高齢化が進んでいる地域で行政、公的施設とかあるいは病院とか買い物とか、そういったものに利用できるようにという形で運営されてきたものでありまして、どこに今基準を置きましても、必ず全く平等の条件ということはあり得ないということは言えるのではないかと思います。バス停の近くの方と相当の距離のある方というのは、どこまでいっても解消はできないかというふうに思います。

 従来、南北、白鳥エリアの部分を中心としたごく限られたエリアでありましたけれども、先ほどもお話し申し上げましたように、引田地区あるいは大内地区まで東西の延長も図ったということも、できるだけ不公平感の解消を図ろうという形での取組でございますが、おのずとこれにも限界があるということでございまして、不平等感を完全に解消するということになりますと、くまなく循環バスを運行しなければその問題は解決しないということでございますので、その点、どの水準で現実的な対応と判断をするかというところにかかってくるのではないかというふうに思っております。

再々質問 最後に、そうすると、こういったことを研究していくということでしょうか。それとも、そういったことは全く考えないと、そこの福祉バスを主に固定化していくということでしょうか。福祉バス以外に考えられないということでしょうか。

答 私自身は福祉バスが最善のものとは思っておりませんで、相対的なものだというふうに思っております。最も望ましい現実的な、合理的なシステムを検討していくべきであろうというふうに思っております。なお、私はあと1か月ほどの任期しかございませんので、これから先の方針をと言われましてもなかなか言葉には出しにくいですが、執行部といいますか行政側の課題として、あるいは議会の課題として、先ほども言いましたように、町全体の宿題として検討していくべきであろうというふうに思っております。

東かがわ市地域農業活性化運営委員会がJA香川県誉水支店で開催され、平成18年度東かがわ市地域農業活性化事業計画の承認と東かがわ市地域農業活性化事業助成規定の一部改正がおこなわれました。なお、改正内容は対象者等に集落営農活動支援を追加するものです。

東かがわ市農業振興基金審議会に出席

その後、東かがわ市農業振興基金審議会が同会議室でおこなわれ、18年度の事業報告と19年度の事業計画について審議され、了承されました。

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