That’s感(雑感) 「吉川英治記念館、再び公開」の報に接し
12月10 日(火曜)付の日本経済新聞に「吉川英治記念館 再び公開」の記事が載りました。1944年から1953年までの約9年半、青梅市柚木町で文豪が暮らし執筆活動に勤しんだ屋敷、それに貴重な収蔵物が再び公開されることになります。
同記念館は(公財)吉川英治国民文化振興会が1977年に開設、運営していましたが、赤字採算が続き、開館期間を限定するなどしていました。最終的に「吉川英治賞」事業を残し、記念館の管理運営は断念することになり、本年3月20日に閉館しました。
同記事によると今回、居宅など青梅市に無償で寄付し、非公開だった書斎なども見学できるようにして来年9月に公開する計画ということです。
記念館は「草思堂」の愛称でも知られ、文豪の万年筆や原稿など貴重な収蔵物で溢れていました。今回青梅市に建物が寄付され、収蔵品も含め、管理されることになり、多くのファンが訪れることでしょう。
「三国志」や「宮本武蔵」、それにこの草思堂で執筆した「新・平家物語」などの著作は、昭和の時代に限らず、多くの人に夢と希望を与え、人生を豊かにしてきたことと思います。こうした記念館があることは、地域にとってもお金では算定できない莫大な資産と思います。
殺伐とした社会の世相を反映するかのニュースが増えている中、読書する習慣、良書との出会いを創出していく働きかけが余計重要に鳴っているように思います。所属している市議会の文教経済委員会でも「読書のまちづくり」を巡って議論していますが、本の世界に触れる機会をソフト・ハード両面で進めていきたいと思います。近隣市に存立する吉川英治記念館ですが、今後、三多摩、東京のみならず全国的にも大文学に触れる貴重な場、人を触発する場であり続けることを確信します。
(写真:屋敷入り口で文豪の子息・吉川英明館長と)