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公明党 横浜市会議員(青葉区) 行田朝仁 (ぎょうた ともひと)

“長生き”No.1 男性「青葉区」について 4182

未分類 / 2018年4月20日

IMG_1686昨日は幼稚園、ケアプラザの関連の市民相談対応。ミラー設置要望の現地確認。また、あるご婦人から「ただの空き地も、落ちたら大けがになる」とご連絡を頂き現場を確認。土木事務所と協議。安全コーンが立ちました。小事が大事。

ところで、多かった昨日の話題は「青葉区の男性の長生き日本一」。数年ぶりの返り咲きですが、健康長寿の街・青葉区らしい結果だなと思います。

各紙各局が伝えていました。フジテレビのニュースからです。

「全国の市区町村別の平均寿命ランキングが公表された。果たして、1位を獲得した地域は?

17日、厚生労働省が公表した2015年の市区町村別の平均寿命ランキングによると、男性の長寿1位は、神奈川・横浜市青葉区で83.3歳、2位が川崎市麻生区で83.1歳、3位は、東京・世田谷区で82.8歳だった。

この調査は、5年ごとに行われていて、1位の青葉区は、前々回の調査でも1位を獲得している。

青葉区の住民は、「うれしいですね。(理由は)環境なんでしょうかね」、「10年くらい住んでいる(青葉区は)いいところですよ。緑が多いですからね」などと話した。

IMG_1684一方、女性の長寿1位は、3回連続で沖縄・北中城村(きたなかぐすくそん)で89.0歳、2位が沖縄・中城村で88.8歳、3位が沖縄・名護市で88.8歳となっている。

厚労省は、長寿の市町村の傾向に関して「生活習慣などの要因で、現役世代の死亡率が低い市町村が上位になっている」と話している。」

データは平成27年の国勢調査に基づく全国1888市区町村(福島県の一部地域を除く)の平均寿命。ご参考までですが、男性2位の川崎市麻生区、4位の都筑区は青葉区に隣接。青葉区の女性も9位の88.5歳と上位にランキングされています。

しかし、平均寿命が最も長いところと短いところの差は、男性で9.8歳、女性で4.6歳。厚労省によりますと、違いの理由は、飲酒、喫煙、運動の生活習慣が主要因とのこと。

人生、人それぞれ。幸福とは何か。どうしようもないこともある中で、どう生きるか。何が良くて、何がまずいのか、人それぞれ。自分の道を進みたいなと思います。

切れ目ない支援「サポートファイル かけはし」について 4181

未分類 / 2018年4月19日

IMG_1673 ③昨日は市民相談対応の後、区役所経由で会議のため県本部へ。区役所では市民相談で頂いた障がいを持つお子さんのために「サポートファイル かけはし」を入手。これは青葉区役所が作成し、3月から配布を始めたもので、一昨日の朝日新聞でも紹介されていました。青葉区職員の熱い気持ちがカタチになっています。保護者の方が、お子さんの個性や特性、子育て中のエピソードや医療・療育・福祉・教育等の情報を1つに整理して記録し、行政の窓口や支援機関・病院等を訪れ、これまでの経過やこれまで受けていた支援内容等を説明する際に 、支援者と情報を的確に共有することで、支援機関や支援者が変わっても継続して一貫した支援を受けることをサポートすることを目的としています。お子さんのライフステージごとに活用していくことで、良き理解者が増え、地域で安心して生活を送り、支援の輪を広げるべく作られています。

先日、タウンニュースでも取り上げていました。

「青葉区役所などは障害児の情報を保護者と支援機関が共有する冊子「サポートファイルかけはし」を発行、3月下旬から配布を開始した。障害児の支援充実につながると期待されている。

冊子は乳児から18歳までの発達面や知的、身体的に配慮が必要な子どもの各種情報を記入できる内容(A4版24ページ)。

IMG_1672具体的には基本情報のほか、手帳等の交付や福祉サービスの利用状況、日常生活各場面での介助の必要性有無、相談記録、支援計画などを記入。学校や施設、放課後等デイサービスなどの支援機関が変わる際に、保護者がこれまでの経過や希望を正確に伝えることができるように工夫している。また、利用している支援機関が複数ある場合の情報共有にも活用できる。成長に応じて所属先が変わっても一貫した支援を受けられるようにすることが目的だ。

障害児に対しては一人ひとりの障害特性や成長に合わせた切れ目のない支援が従来から求められている。しかし、区こども家庭支援課によると、子どもの情報をまとめて共有できる仕組みは今までなかったという。そのため、保護者は支援機関が変わる度に同じ説明を繰り返さなければならないなどの負担が発生していた。一方、支援機関としても障害児の症状や個性、特徴は千差万別と言える状況で、以前はどういった支援を受けてきたか知る必要もあったという。

こうした声を受け、区のほか、あおば地域活動ホームすてっぷや放課後等デイサービス事業者、県立麻生養護学校などで構成する「青葉区自立支援協議会児童支援部会」が1年間をかけて冊子づくりに取り組んできた。情報を記入するページだけではなく、各種相談先一覧や困った際のQ&Aを掲載するなど使い勝手も考慮している。情報共有を目的とした冊子は市内でも初めてだという。

冊子は同課窓口のほか、すてっぷで無料配布中。また、区HPからもダウンロード可能。区担当者は「子どもの良き理解者が増えて地域で安心して生活できるようになれば。子どもの幸せを願い、切れ目のない支援をするために活用してほしい」と話している。」

利用者を広げていくことで、少しでも安心につながればと思います。

 

マレーシア人観光客が日本に殺到する舞台裏について 4180

未分類 / 2018年4月18日

IMG_1491昨日は市民相談対応の後、東京での打合せ。昼はタイ焼きそば“パッタイ”。来月、マレーシアで総選挙が行われることが決まったそうです。92歳のマハティール元首相が野党候補者として出馬とのこと。物価上昇や汚職問題で与党連合・国民戦線への批判が根強く、建国後初の政権交代の可能性が取りざたされています。32年前に留学していた時には想像もできなき状況ですが、政治はどこもきな臭いものがありますが、常夏とはいえ「住めば都」のマレーシア。定年後の移住先のトップクラスに挙げられています。一方、そのマレーシアから日本へ向かう観光客が殺到しています。これもまた当時は想像できなかったこと。嬉しい話ですが、先日、雑誌「東洋経済」が「マレーシア人観光客が日本に殺到する舞台裏」と題した記事を掲載していました。

「外国人観光客が増えている。日本政府観光局(JNTO)によれば、2017年は2869万1000人で、前年比に比べて19.3パーセント増加。世界の主要20市場すべてで過去最高を記録した。ここ数年、毎年大幅な伸びを示している。

しかしなぜ、ここ数年で日本全国に観光客が急激に増えたのか、疑問に思う読者も多いだろう。JNTOの資料を読むと、訪日旅行が増えた原因として、「訪日旅行のアプローチ」「訪日旅行プロモーション」という言葉が頻繁に出てくる。政府や地方自治体による、世界各国への旅行会社やマスコミへの宣伝活動だ。それが、地道に成果をあげ、現在の観光客増につながっているのだ。今回は、国や自治体、企業がどうやって海外で観光客にアピールしているのかを見ていこう。

かつて「海のシルクロード」と呼ばれ、貿易商人が往来したマレーシア。ASEANの一員で、シンガポール・フィリピン・タイ・インドネシア・ブルネイと国境を接する。首都クアラルンプールで年間通じてもっとも注目されるイベントの1つに、年に2回開催される旅行博がある。

「MATTA Fair(以下マッタ・フェア)」と呼ばれるこの旅行博は、一般の個人客が対象だ。最近、中間層と呼ばれるマレーシア人の多くは、1~2週間の休暇を取得し、旅行に行くのが一般的。彼らは、こうした旅行イベントで旅行先の情報を集めたり、ツアーや航空券などを購入したりして、旅行に備える。フェアには、その入場料を払っても元がとれるくらいに安い旅行商品を各旅行会社が用意するのだ。期間は3日間。4RM(約110円)と入場有料のイベントながら、今回は約11万人を動員した。

東南アジアではこうした旅行博が一般的。同様のイベントはシンガポールやフィリピン、タイ、インドネシアなどでも盛んに行われている。そして各国の旅行博には、日本から国や地方自治体が参加し、日本観光のPRをしている。

実際にはPRは旅行博だけにとどまらない。地方自治体は日本観光の窓口を各国に置いて、地元のテレビなどで日本をPRしたり、旅行会社やメディア、SNSで力を持つインフルエンサーを訪問して営業活動をしたり、ニュースレターを配信したりという地道な努力を続けているのだ。
 
(中略) 

マレーシア人にはすでに日本に行ったことがあるという人が多い。JNTOの統計でも、半数以上が日本への渡航経験がある。そのため、マレーシア特有の現象として、いわゆる「ゴールデン・ルート」が飽きられてきているというのがある。

日本観光のゴールデン・ルートとは、東京、箱根、富士山、名古屋、京都、大阪など日本の主要観光都市を周る観光周遊ルートのこと。旅行会社を訪問すると、よく聞かれるのが「もう東京や大阪、温泉や買い物は飽きた。何か新しい観光地はないのか」という意見だ。

そしてゴールデン・ルートに代わって一昨年あたりから、北海道や飛騨高山、中央アルプスなど、新しい旅行先がマレーシア人に注目されつつある。なかでも北海道は直行便の運航開始もあり大人気。南国のマレーシア人にとって雪はあこがれで、流氷ツアーやスノースポーツなどに人気が集まる。また、合掌造りの写真で知られる白川郷も注目されている。

白川郷が人気になったのは、何といっても写真の力が大きい。人々はあの合掌造りの写真をみて、「ここに行ってみたい」と即決する。マッタ・フェアでお客様に対応していても、「あそこに行きたい」と白川郷の写真を指差すお客様は少なくないのだ。

実は、筆者もマレーシア人の友人に誘われて、2014年に生まれて初めて飛騨高山を観光したが、外国人の多さに驚いたことがある。

ちなみにこの友人は過去に10回以上来日しており、北海道や九州はそれぞれ1週間以上滞在している。東京マラソンにも河口湖マラソンにも参加し、もはやありきたりな観光地では満足しなくなってきている。求められているのは「新しい体験」、そして「SNSで友達に自慢できる写真」だ。

四国のお寺に宿泊してみたい人、北海道でスキーを楽しみたい人、誰にも知られていない新しい場所に行ってみたい人、地方のマラソン大会に参加したい人など、好みは千差万別になってきた。ある旅行代理店では「ツアー客は物作りや農業体験など、個人旅行では行きにくい体験型の観光を希望しています」と明かす。

こうした消費者の嗜好に合わせ、出展者側にも変化が見られる。「以前は出展していた大阪や北海道などが出展せず、一方で知名度が低い県の出展が増えている」と話す関係者もいる。ゴールデン・ルートに代わる新しい体験を求める人々の出現で、地方にチャンスが回ってきたのだ。

マッタ・フェアではマレーシア人来訪者が日本地図をにらみながら、自作の旅程表を広げて、熱心に質問する姿がよく見られる。また、マレーシアでは以前は中華系の旅行者ばかりだったのが、最近ではマレーシアの過半数占めるムスリム(イスラム教徒)の旅行者がじわじわ増えつつある。

その変化をとらえようとしている自治体もある。岡山市は近辺の真庭市、吉備中央町とともに「ムスリムフレンドリー岡山」を掲げて、イスラム教徒の誘致を狙う。「体験型観光」を求める外国人に向けて、自宅を改造して寿司握りの体験ツアーができる施設を作る市民も出てきた。

岡山市産業観光局・観光コンベンション推進課の片岡高明副主査は、「岡山市には世界遺産がありません。そこで、観光拠点作りと、観光客誘致を同時に始めました。なければ作ってしまおうと、外国人の嗜好に合わせた観光素材を準備しています」と意気込む。この体験型観光は、現地の旅行社から聞くマレーシア人観光客の不満点を押さえているので驚くほどだ。

インバウンドはこれからいよいよ多様化する。観光地でなかった地方にも外国人がやってくる時代がくるのかもしれない。」

横浜に来て、他ではできない「新しい体験」「SNSで友達に自慢できる写真」ができるかどうか。特に、東京でなく横浜に行きたくなる「コト」をどう創るか。稀に目につく、東京に来たついでに横浜に寄ってもらって、「観光客が増えた」と喜んでいる場合ではありません。

中高生への「がん教育」について 4179

未分類 / 2018年4月17日

IMG_1647 2昨日はたまプラーザ駅前での街頭演説。演説の一部をFB及びyoutubeでアップしましたので、よろしければご覧ください。行政関連打ち合わせ、中区のホテルで行われた故人のお別れの会、市民相談対応、夜は北部斎場で通夜に参列。

学校の新学期が始まっていますが、教員の多忙感解消問題の一方で、授業時間の確保も課題に。総合教育の時間の使い道は学校によって様々ですが、金融教育、社会保障教育、消費者教育等々、様々なニーズがある中、がん教育の重要性が指摘されています。

先日、日経新聞「がん社会を診る」に東京大学病院の中川恵一准教授が「中高での「がん教育」に期待」と題して寄稿されていました。

「1年前、中学校の保健体育の学習指導要領にがん教育が明記されました。「また、がんについても取り扱うものとする」というたった一文ですが、3月末の高校の学習指導要領改訂でも、同じ文章が追加されました。これで中学、高校で子どもたちは「がん教育」をかならず受けることになります。

 日本は男性の3人に2人、女性の2人に1人が、がんになる世界トップクラスのがん大国ですが、日本人は、がんを学ぶ機会がほとんどありませんから、迷信がはびこっています。焼き肉などの焦げた部分は避ける必要もありませんし、白人と違って日本人では紫外線で皮膚がんが増えることもありません。アルコールで顔が赤くなる人が多い日本人では、白人と異なり、お酒は要注意です。

 欧米では減少に転じているがん死亡数は日本人では増加の一途をたどっています。いまだ高い喫煙率と遅れる受動喫煙対策、低い検診受診率、手術偏重の治療、緩和ケアの遅れなど、課題は山積しています。

 こうした遅れの大きな原因は、国民が「がんを知らない」ことだと私は考えています。がんの予防や早期発見は、わずかな知識の有無に左右されますし、治療法の選択はまさに「情報戦」といえるからです。きびしい言い方になりますが、学校でがんを教えてこなかったことが、多くの不幸を生み出してきたと思います。

 これまで、保健体育という教科は体育分野(実技)に偏重していたと思います。一昨年も東京都の公立中学校で2年あまりも保健の授業が全く行われていなかったことが問題になりました。これでは保健体育ではなく「体育」です。

 しかし、がん教育が中学、高校で行われるようになれば状況は変わってくるはずです。中学は3年後、高校でも4年後から、正式に教科書にがんについてのページが加わることになります。さらに、教科書の内容を学ぶだけでなく、医師やがん経験者が外部講師として学校に出向くことも決まっています。

 子宮頸がんの検診は20歳から受けなければなりませんが、受診率は欧米、韓国の半分にとどまっています。高校でがんを習った女性が検診に行ってくれると期待しています。」

天動説か地動説か。時代の変化と共に、教育に盛り込むべきものにも変化が求められることを感じます。

NHKニュース「わけあり記者」について 4178

未分類 / 2018年4月16日

IMG_1623昨日の暴風・大雨。予定していたイベントはすべて中止。午後から動き出しました。昨朝のNHKニュースに30年来の友人が出ました。中日新聞の三浦耕喜記者。政治記者として国内外で活躍してきた彼が、6年前のうつ病発症から始まり、パーキンソン病と闘う現在。「ハンディを持っていることは今までマイナス、不幸なことだと捉えられていた」「実はそれこそが新しいものに気づき、人を励ましていく翼になる」そして、「人は必ず人生のどこかで『「わけあり』になる」との言葉に重みを感じました。

人生、誰でもマイノリティになる可能性がある。だからこそ、常に弱い人の立場になって考えることが大切ではないかと思います。一般的にも、何も問題がなくてお金がある人生がいいのでは思うのは普通のことかと思います。しかし、私自身は、何もない人生など見たことも、聞いたこともありません。様々な人間模様を見ていますと、大事なことは、何もないことがいいのではなく、困ったときに乗り越えようとするかどうか。前に進む力があるかどうか。お金があっても不幸な人生を何度も見てきました。また、ある時点で良いように見えても、ある日突然の出来事により、周りの人が潮が引くようにいなくなった人の人生も見てきました。何を持っているかではなく、どう生きているのかが問われるのかと思います。どんな人も、人のお世話になって生きている。

IMG_1633私自身も小学5年の時に父を交通事故で亡くし母子家庭で育ちました。母が頑張ってくれたおかげで3人兄弟は社会で生きていますが、これも社会の中ではマイノリティ。でも、母のおかげで、近所の皆さんの支えで、卑屈になることなく、他人のせいにする生き方でもなく、一歩一歩前に進んできたように思います。感謝です。

戻りまして、三浦耕喜さんが昨年自著「わけあり記者」を出版。彼が駆け出しで群馬県の前橋支局にいたときに知り合ったのですが、そもそも彼は所謂エリート。京大卒の後、長年国会で官邸キャップを務め、ベルリン特派員などとして活躍。とはいえ、この上ない人間臭さ、絶妙のバランス感覚をもつ記者で、昨日の放送でもその片鱗を見せていました。

「わけあり記者」の書評には次のようにありました。「花形の政治部記者だった著者は3・11直後からの激務と過労により鬱病を発症、半年間の休職を余儀なくされる。その後、復職を果たすも、母親の認知症と要介護認定の父親の「ダブル介護」に直面する。そこに自身がパーキンソン病を患っていることも加わり、三つの「わけあり」を抱える「わけあり記者」が誕生した。

本書は、超高齢化社会へ進む日本が喫緊の課題として本気で取り組まないとならない介護問題、長時間労働・パワハラなど「働き方改革」の問題、そして医療に関する問題を一身に背負いながらも、前を向いて歩き続ける現役新聞記者の心揺さぶる手記です。「わけあり」でも、生きていくための力を与えてくれる一冊!」

IMG_1619因みに、下記は以前あった本人の投稿からです。

「昨日の首相会見を見れば明らかだ。

政治は民衆のためにあるのだとしたら、今、どこのメディアの政治部にも「政治記者」は存在しない。

「政治部記者」は政治家の顔色をうかがってずる賢く立ち回る。力に媚びて強そうに見せるが、その正体は小心者で臆病者だ。

本当に政治をウオッチする「政治記者」は疎まれて遠ざけられ、圧されて潰されて、緩慢に放逐されていく。

橋本龍太郎の時代から、あらゆる「政治部記者」の行く末を見てきた三浦が言うのだから間違いない。

真の「政治記者」は政治部の外にいる。弊社も例外ではない。

IMG_1634そんな思索もつづった拙著が、まさにこのタイミングで出た。偶然とは思えない。」

よろしければご覧ください。

ポピュリズムの潮流について 4177

未分類 / 2018年4月15日

IMG_1616昨日は地元で市政報告会の後、昼から横浜駅西口での街頭演説会。竹内しんじ参議院議員、竹内康洋・望月康弘両横浜市議とマイクを握り市政報告。その後、地元に戻りサッカー協会理事会に参加の後、市政報告会へ。

デマを流すのは当たり前。売るためには手段を選ばない三流雑誌は昔から問題ですが、最近はテレビでも、裏を取らない滅茶苦茶な報道が目につくようになっています。これを「自由」とするのは大きな間違い。「自由」と「放縦」をはき違え、それを社会が「まあいいか」と放置することによる「信頼性」の損失は計り知れないものがあります。フェイクなのか、ポピュリズムなのか、よくわかりませんが、ハイエナのような誰かが得をするために、社会の信頼性を犠牲にする。正義の味方を装い、社会を食い物にしていく。

利己的に、自分の、自国のことだけを考える。世界的な問題のようにも見えます。

人も、国家も、許容範囲には限界があると思いますが、追い詰められたときに、理性的に考え行動するか、後先を考えずにぶち壊すか。

先日、日経新聞「グローバルオピニオン」にフランスを代表する国際政治学者で仏モンテーニュ研究所首席顧問のドミニク・モイジ氏が、「ポピュリズムの潮流、防げ」と題して寄稿されてました。

「米国のキッシンジャー元国務長官は1960年代半ば、安定した国際秩序には、欧州との強い絆に支えられた米国の指導力が必要だと主張した。欧米は世界の民主主義の力強い手本であることが前提だったが、キッシンジャー氏は、新しい陰鬱な大西洋同盟が出現するとは想像しなかっただろう。

 フランスの極右政党「国民戦線(FN)」のルペン党首は3月、仏リールで開かれた党大会で演説し、党名を「国民連合」に変える方針を明らかにした。党大会には、トランプ米大統領の側近だったスティーブ・バノン元首席戦略官が招かれた。

 党大会を「茶番」と呼ぶのは簡単だろう。ルペン氏とバノン氏がともに政界から拒否された人物だからだ。ルペン氏は2017年5月、大統領選で現在のマクロン大統領に大勝を許した。バノン氏は17年8月、トランプ氏に首席戦略官を解任された。トランプ氏は18年1月の声明で「彼は私の歴史的な勝利とほとんど関係ない」とし、「解雇されたとき、職を失っただけではなく、正気も失った」と批判した。

 バノン氏が解任されたのは考え方が過激すぎることもあったとみられる一方、ルペン氏はイメージをソフトにして党の支持拡大を探っている。しかし大西洋を隔てたポピュリズム(大衆迎合主義)同盟を反映する、バノン氏の党大会出席は理にかなっている。

 政治的に後退したにもかかわらず、バノン氏はポピュリズムが歴史の潮流になるのは避けられないと主張する。バノン氏の視点からすれば、トランプ氏が米大統領になったことで、欧州が米国に追随するのは時間の問題だ。トランプ大統領の誕生により、バノン氏と仲間が解体を強く望む世界秩序は、不安定化した。

 バノン氏のビジョンが、単なるこけおどしにすぎないと考えるのは危険だ。マクロン氏は仏大統領選で勝利したかもしれないが、トランプ氏の当選は決して偶然ではなかった。イタリアの3月の総選挙で、ポピュリズム政党の「五つ星運動」と極右の「同盟」が躍進したのもたまたまではない。

 ドイツでさえも、一定程度はポピュリズム勢力の犠牲になった。メルケル首相が率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と、ドイツ社会民主党による大連立政権が3月に発足した。だが連邦議会(下院)選から政権発足まで5カ月あまりかかり、いまや極右「ドイツのための選択肢(AfD)」は最大野党になった。ドイツはナチスの経験から、ポピュリズムに免疫があるとみられていただけに、特に懸念される動きだ。民主主義は見た目より脆弱で、決して当然と考えてはならない。

 ポピュリズムの潮流をどのように阻止すればよいだろうか。まず自由な民主主義を信じる欧米の政治エリートが、ポピュリズムの台頭は、有権者の懸念に十分に対応できなかった自分たちの責任であることを認める必要がある。政治エリートは、ポピュリズム勢力への支持に拍車をかけた格差から移民までの問題に対する真の解決策を見つけるため、たゆまぬ努力を続けなければならない。

 解決策は技術的な面だけでない。権利を奪われ、アイデンティティーを喪失してしまったという、ポピュリズム勢力が巧妙に利用する市民感情にも対応する必要がある。もちろん、米民主党は20年の大統領選でトランプ大統領に対抗する、魅力ある候補をみつけなければならない。フランスとドイツは、さらに欧州の統合を進めることが求められる。マクロン氏が率いるフランスに、特別な責任がある。

 フランスの民主主義の将来のカギを握るのは、ルペン氏と看板を塗り替えた政党ではなく、マクロン氏だ。マクロン氏がもっと多くの有権者のためのシステムをつくり出せなければ、フランスは米国のようになる。フランスが欧州のほかの国の危険な前例になってしまうようだと、大西洋同盟と国際秩序は本当に深刻な問題を抱えることになる。」

読んでいますと、日本においても、マスコミの世論におもねるミスリードとともに、「 ポピュリズムの台頭は、有権者の懸念に十分に対応できなかった自分(政府・与党)たちの責任であることを認める必要がある。」ということかと思います。それでも、今の国会を見ていて、バラバラでリアリティに欠ける話の多い野党が、与党の代わりをできるとも思えませんし、その点は世論調査の結果に見て取れます。

地方の立場からも、より目に見えて、もっと実感できる結果が求められているのだろうと思いますし、よく指摘されることですが、中間層の減少、格差拡大がポピュリズムに拍車をかけているように思います。

社会の安定には、政治の役割が極めて大きい。公約を実現する、着実な一歩前進の大切さを改めて感じます。

大谷翔平選手「天賦の才」について 4176

未分類 / 2018年4月14日

IMG_1599昨日、こどもの国駅前で市政報告を配っていますと、大きなスポーツバッグを抱えた学生さんが何人も通り過ぎていきました。ある人はラケットバッグ。ある人はハンドボール。野球やサッカーなどもいたでしょうが、比較的子どもが多いこどもの国駅周辺ならではの光景。オリンピックなどを目指している子どももいるんだろうなと感じました。スポーツと言えば、最近の話題はメジャーリーグ、エンゼルスの大谷翔平選手。あれだけの活躍をすると、私のようなおじさんとしては「ケガしないようにね」「体に気を付けてね」と言いたくなります。

先日、日経新聞スポーツ欄「悠々球論」に、野球評論家の権藤博氏が大谷選手の「天賦の才」について寄稿されていました。

「エンゼルス・大谷翔平の実力をもってすれば、メジャーでもやれるとは思っていたが、それにしても適応の早さにはびっくりした。キャンプ、オープン戦の不振は何だったのか。

 私の見る限り、大谷は決して不器用ではないが、とびきり器用で要領がいいわけでもない。結局はその地道で実直な歩み方がよかったのだ。

 オープン戦の登板にしても、その場をしのごうと思えばできたはずだが、あえて課題に向き合い、一つ一つクリアしていった。それが大谷のスタイル。どんな球を投げたら打たれるとか、いちいちチェックしていたと考えれば合点がいく。打たれたことで、過度な期待を受けずにシーズンに入れたのもよかった。

 侍ジャパンで一緒に食事をしたことがあった。酒も1杯にとどめ、体を大事にしているのがわかった。当時は日本ハムでの寮生活で、暇なときは何してる? と尋ねると「やることがないから練習してます」。

 日本では堂々たる体格の大谷もメジャーの中ではきゃしゃだ。大谷に天賦の才があるとすれば肉体より、野球に対する真面目さだ。遊びたい盛りの年ごろなのに、野球以外には目もくれず、写真誌にスクープされたといっても、食事のあとの私とのツーショットくらい。

 アリゾナのキャンプ地を訪ねたのは3月半ばだった。投打とも振るわず、マイナースタートか、という報道も出始めていた。

 私も心配になり「キャッチボールを大事に。しっかり右脚に乗せてから、左脚に乗せていく体重移動を確認するといいよ」ということだけ話した。練習から球数制限のあるメジャーでは思ったときに、思うように投げられないのがストレスになるからだ。

 だが、心配は無用だった。別れ際に「気がついたことがあったら、手紙を書くからな」と言うと、大谷は「文通ですか」と言って笑った。明るさを失わず、全然めげていない。これなら大丈夫、と確信して私は帰国した。

 この先、試練はあるだろうが、当面文通の必要はないようだ。」

天賦の才は「真面目さ」。彼を見ていてなるほどと思いますし、どの世界でも同じだなと感じます。

中学生の英語力、目標の「英検3級以上」は40%について 4175

未分類 / 2018年4月13日

IMG_1553昨日はお世話になった方の葬儀に参列。地元で市政報告会の後、市役所で各種作業、打合せ。夜も地元で市政報告会。途中、伺った介護施設では施設長さんに介護アンケート。介護をする側、される側の話とともに、千差万別の家族の悩みが話題に。一方は求めても、「子どもと一緒に住みたくない」「施設に入りたくない」。じゃあどうするのか?放っておくことができないから考えているのに。そうした時にどのような対処をしているのか。勉強になります。一枚のアンケートも、簡単には終われません。

ところで、今年度の予算にも盛り込まれていますが、横浜市の英語教育は、全国に先駆けてグローバル化に対応し、小中学校9年間一貫した英語教育予算を継続的に拡充してきました。例えば、全小中学校・義務教育学校・高等学校及び一部の特別支援学校(10校)にネイティブの先生を英語指導助手(AET)として配置。また、5年前に本会議で提案し実現した全額市費負担による横浜市立小中学校の英検受験。4年前からのモデル実施を経て、昨年度より市立中学校全147校全校で実施。市立小学校では全額市費負担による英検ジュニア受験も広げています。児童・生徒はもとより、保護者の方々からも多くのお喜びの声を頂いています。文科省のガイドだけでなく、世界に通用する外部指標の導入はとても重要な視点。英検を受ける機会を作るということは、様々な点からとても大事なことだと思います。 こうした取組みを続ける中、文科省が昨年度に行った英語教育の調査結果について発表。各紙が報じていました。日経新聞からです。

IMG_1589「文部科学省は(4月)6日、公立中高の英語教育に関する2017年度の調査結果を公表した。中学3年で英検3級相当以上の英語力を持つ生徒は40.7%と13年度から8.5ポイント増えたが、50%とする国の目標には届かなかった。公表された自治体のうち、目標値を超えたのは福井県、さいたま市など8都県政令指定都市(12%)で、地域差が見られた。文科省はこれらの自治体の取り組みを参考に全国で授業改善につなげる。

 英検3級相当以上の中3が62.8%、英検準2級相当以上の高3が52.4%と、いずれも最も高かった福井県。県教委の尾形俊弘参事は「実践的な英語力を育む授業改善を長年続けてきた成果だ」と強調する。

 「What are you going to do during spring vacation?」。日本人教師とジャマイカ人の外国語指導助手(ALT)が英語で手本を見せた後、生徒同士が春休みの予定について英語で話し始めた――。3月、武生第三中(同県越前市)で行われた中2の授業の一コマだ。水谷善長校長は「英語授業の2回に1回はALTが参加する。学習事項を盛り込みつつ生徒が興味を持ちやすい話題にするのが大事」と話す。

 県教委によると、日本人教師も一部の複雑な文法学習を除き、ほぼ日本語を使わず授業を行う。文科省の調査では、教師の英語力も中高ともに全国1位。ALTは全ての中学校に配置され、「読む、聞く、書く、話す」の4技能を重視した授業改善に取り組んできた。このほか同県は、英検やGTECなど民間試験の受験料を補助し、県立高入試で加点できる仕組みも17年度に始めた。

 文科省の英語教育実施状況調査は17年12月、全公立中高計1万2774校を対象に行った。語学力の国際規格「CEFR」を基に、中3は6段階中一番下の「A1」にあたる英検3級、高3は「A2」にあたる準2級相当以上の生徒の割合を調べた。英検以外の民間試験受験者や、教員が基準を満たしていると判断した生徒も含む。

 中3で基準を満たした生徒は約42万人と、前年度から4万人増えた。高3でも準2級以上の生徒は39.3%と、13年度から8.3ポイント増えたが、50%の目標には届かなかった。

 文科省は、中学では政令市分を除いた都道府県と、政令市ごとのデータを公表。東京、石川、福井の3都県とさいたま、横浜、大阪、福岡、熊本の5市が50%を上回った。高校で50%を超えた都道府県は福井のみで、富山、兵庫と続いた。

 一方、中学では浜松市、堺市、高校では宮城県で3割を切るなど、自治体間で最大2倍前後の差がついた。文科省によると、成績が向上した自治体は、教員に英語力向上や授業改善を促すほか、生徒の民間試験受験に前向きな取り組みが目立ったという。下位自治体にも4技能を重視した施策も促し、英語力を底上げする考え。

 政府は17年度を最終年度とした5カ年の教育振興基本計画で、中高とも基準達成者を50%に高める目標を立てていた。22年度までの次期同計画案でも、同じ数値目標を掲げている。」

横浜市は3位とのことで試験結果は良いようですが、「読む、聞く、話す」の実践に仕える力が身に着くようにと思います。

日本の睡眠時間、主要国中で最短について 4174

未分類 / 2018年4月12日

IMG_1578 2昨日は恩田駅前での街頭活動の後、市政報告会、広報関連打合せ。市民相談対応、夜は通夜に参列等。

先日、日経新聞が日本人の睡眠時間が主要国中最短であるとの調査結果を記事にしていました。以前からそうした情報を目にしてきましたが、「働き方改革」という言葉を目にするこの頃。この調査結果が改善されることがひとつの目安かなと思います。

「日本の平均睡眠時間は主要28カ国で最短――。心拍計を製造・販売するフィンランドのポラール・エレクトロは自社製品の顧客データをもとにした分析結果をまとめた。日本人の睡眠時間は男女とも最長だったフィンランド人より男性が54分、女性は1時間5分短い。睡眠不足が積み重なる「睡眠負債」が話題となるなか、眠り方を再考する動きが広がりそうだ。

 心拍数や睡眠時の状況を計測できる活動量計を対象に、約600万個の睡眠データを分析した。眠り始めた「入眠時刻」や起床時刻を特定するほか、睡眠の質も評価することができる。

 日本人男性の平均睡眠時間は6時間半、女性は6時間40分だった。入眠時刻は世界平均より遅い半面、起床時刻は大きく変わらなかった。世界の平均睡眠時間と比べると30分以上短い。

 睡眠中の体の動きや心拍数によって分析する睡眠の質は、日本人平均で5段階のうち3.0だった。ほぼ真ん中の数値だが28カ国中25位。世界平均の3.2も下回った。」

睡眠が6時間を過ぎると目が覚めます。学生の頃は、起きたら夕日がまぶしかった日が結構あったような気がしますが、、、。

辻村深月さん「最初の旅立ち」について 4173

未分類 / 2018年4月11日

IMG_1557昨日は健康づくり・スポーツ推進特別委員会の後、断続的な打ち合わせ、事務作業等。夜、自宅に帰って見たNHKのニュースウォッチ9。作家の辻村深月さんが今年の本屋大賞を受賞されたことを報じていました。辻村さんと言えば、6年前に短編小説「鍵のない夢を見る」で直木賞を受賞された方。私も読みましたが、人情の機微と言いますか、若者の繊細な心の描写が印象的。昨日のNHKのインタビューでは「小説家にできることは、誰かの強い心の痛みや切実な心の動きを丁寧に追って、寄り添うこと。数値を並べたり、こんな事象があると事実だけを連ねても伝わらないことが、誰かの強いストーリーに対してだったらみんなが心を寄せられることが絶対にある」などのコメントを残されていました。

先日、その辻村深月さんが、自らの息子さんが保育園を卒園された時のエピソードを、「最初の旅立ち」と題して日経新聞に寄稿されていました。私も親の一人ですので、この気持ちはよくわかる気がしました。

「春は、卒業や入学、出会いと別れの季節。我が家でも、この春、長男が六年通った保育園を卒園した。

「卒園式は、親はみんな泣くよ~」と先輩のお母さんたちから散々予告されていたのだが、実際、その通りになった。

IMG_1554 卒園式当日、スーツや袴(はかま)姿の我が子たちを先生に託し、まず保護者だけでホールに集まる。入園当時では考えられないほど上手になった彼らの絵や制作物が飾られている様子に、まずもう涙が出てきそう。すると、先生から、式の段取りが説明された。

「保育修了証書をお子さんが園長から受け取った後、保護者のところに持ってきます。そこで一言、お子さんがメッセージを言いますので、お父さんお母さんも何か一言、返してあげてください」

 その言葉に大人たちがみんな、ざわっとなる。想像しただけでぐっときてしまって、「そんなことされたら泣いちゃうよ!」と全員が思っているのが伝わってくる。

 親もみんなドキドキする中、今日のために練習してきたのであろう子どもたちが、順番にひとりずつ入場。名前を呼ばれて、元気よく「はいっ!」と答え、証書を受け取っていく。

「お父さん、いつもおもちゃ出してくれてありがとう」

「お母さん、いつもお世話してくれてありがとう」

 子どもたちのメッセージに、親が涙しながら「おめでとう。これからも頑張ろうね」など、言葉を返していく。うちの子は、私に「いつもおいしいごはん作ってくれてありがとう」と言ってくれた。普段、適当なことも多いのに……と思いつつも、それでもおいしく食べてくれているんだなぁと、胸がぐっと押される。親相手のメッセージのやり取りに照れて、自分の言葉を言うなり、さっさと席に戻ってしまおうとする子をお母さんが頑張って「聞いて!聞いて!」と引き止めたり、自分の言葉を言った後で、お父さんにぎゅっとしがみついて泣き出す女の子がいたり、どの子もみんな、すごくよかった。

 続いては、在園児の歌。一つ下の年中さんのみんなが、卒園する子たちのために歌ってくれる。実はこれが替え歌になっていて、なんと、卒園する子たちひとりひとりの「いいところ」をメロディーに載せて発表してくれるのだ。うちの子も、去年、大好きな一つ上のお兄さんのために、彼のいいところを先生や仲間たちと一緒に一生懸命考えていたことを思い出す。

「アイデアいっぱい、○○ちゃん」「積み木の名人、○○くん」「はしるのはやい、○○くん」……。

 うちの子が言ってもらった長所は、「ちいさい子にやさしい」。同じ保育園に妹が通っているので、その様子を見て、みんなが考えてくれたのだろう。

「今日は皆さんの、人生で最初の旅立ちです」

 園長先生の言葉に胸がいっぱいになった。

 卒園の少し前、この保育園恒例の「おみせやさんごっこ」があった。「たべものやさん」や「おしゃれやさん」、「おもちゃやさん」など係に分かれて商品を作り、それを互いに売り買いする。

 子どもたちは準備に夢中。毎年、「おみせやさんごっこ」の日に、お土産をどっさり買って帰ってくるので、ただ「楽しそうだなぁ」と思って見ていたのだが、今年、その「ごっこ」前日の朝、長男がふと、「あ、今日、銀行が……。早く行かなきゃ」と呟(つぶや)いた。

「銀行?」と夫と顔を見合わせ、「銀行が何なの?」と尋ねると、「開くんだよ!」という返事。わけがわからないまま保育園に送っていって、謎が解けた。

 この保育園では、係ごとに商品を作ると、それを園長先生のところに持っていく。「できました」という報告をもらった園長先生が「保育園銀行」を開けて、そこからみんなにお給料を払ってくれるのだ。「おみせやさんごっこ」は、みんなそのお給料を手に自分の好きなものを買っていた。

 それを知って、去年、まだ年中さんだった頃、お迎えに行った長男が、待ちきれないように「お土産! かーかに買ったんだよ」と、「おしゃれやさん」のアルミホイルでできたネックレスを私の首にかけてくれたことを思い出した。「これは、とーとにオムライス。妹にはメガネ!」と家族分くれたあのお土産は、つまりは彼の「初任給」からのプレゼントだったのだ。

 それを知って、どう言っていいかわからないくらい、保育園に感謝を覚えた。ごくシンプルな、だけどとても大事な社会や経済の基本を、うちの子は保育園でちゃんと教えてもらい、成長してきた。

 思えば、私も就職して最初のお給料で、家族全員にお寿司をとった。あの時のちょっと照れくさいような、誇らしいような気持ち。もう何年も忘れていたけれど、確かに覚えている。多くの「新入社員」の家で、毎春きっと、そんな光景が見られるはずだ。

 うちの子の人生には、きっとこれから先、何度も「旅立ち」と「別れ」がある。その最初の「旅立ち」がこの場所からで、本当によかった。」

作家として、母として、益々のご活躍を願ってます。