広がる「SDGs」について 3698
昨日は第4回定例会最終日。各種議案等の採決が行われ閉会しました。
先日、ご報告しました12月9日の一般質問では、国際平和と持続可能な開発目標についても取り上げました。
2015年9月の国連サミットにおいて、全会一致で採択された「持続可能な開発目標」いわゆる「SDGs」では、国際社会全体の開発目標として、2030年を期限とする包括的な17の目標を設定し、「誰一人取り残さない」社会の実現を目指すため、経済・社会・環境をめぐる広範な課題に、統合的に取り組むこととしています。
21世紀は都市の時代といわれています。国連のデータによると、現在、世界の人口約73億人の半分以上が都市に住んでおり、2050年には全人口の3分の2が都市に集中すると予測されています。例えば、都市の成長が著しいインドでは、現在、人口約13億人のうち、都市部の人口は4億人ですが、2050年には、全体で16億人、都市部では8億人となる見込みです。この都市部全体での人口増加は、 アメリカ合衆国1か国分以上の人口に匹敵します。
今後、世界中の都市で、人口増加に伴う都市課題への対応が重要となっていくことから、SDGsでは、17の目標の中に、「持続可能な都市」が新たに独立して設定されています。
本市は日本で最大の人口を有する市として、様々な都市課題に直面してきましたが、行政と市民の皆様が力を合わせ解決してきた豊富な経験を有しており、それを新興国都市等と共有する国際協力も、他都市に先駆けて実績を積み上げてきました。
そのためSDGsの目標達成に向けて、本市の国際協力に期待される役割は今後、益々高まって行くとみらることから質問。本市での推進について林市長も力強い答弁をされていました。
SDGsの取り組みについて、企業も経営に導入している状況について日経産業新聞が伝えていました。
「国連が定めた国際社会共通の成長目標「持続可能な開発目標(SDGs)」を経営に活用しようとする企業の動きが活発化してきた。
SDGsは、2015年9月に世界のリーダーが国連サミットで採択した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で掲げた、30年までに世界が達成すべき目標だ。貧困、健康、環境、教育など17の大目標と、169の小目標で構成されている。
SDGsは、15年に終了したミレニアム開発目標(MDGs)の後継と位置付けられる。MDGsとSDGsの大きな違いは、MDGsが途上国の開発を目的としていたことに対し、SDGsは全ての国を対象としている点だ。
気候変動やエネルギーは地球規模のテーマであり、健康や雇用といった課題は先進国でも深刻化している。SDGsは、地球上の全人類を対象とした共通目標という位置付けだ。
SDGsに法的拘束力はないが、日本の産業界でもSDGsの活用を打ち出す企業が出てきた。
現状は、主に3つのシーンでSDGsの活用が進んでいる。1つめは、新たな経営計画や企業の社会的責任(CSR)計画の策定指針にするケースだ。
富士フイルムは、17年から始まる新たな中期経営計画と中期CSR計画の策定に当たり、SDGsを活用する。実施したのが、現在の中期CSR計画で特定した重要課題の再評価だ。
これまでは重要課題の候補を、国際規格であるISO26000やGRIガイドラインなどから130個リストアップし、それぞれ優先度を決めていた。
今回はこれに加え、SDGsが公表した169の小目標も課題と捉えて評価。その結果、再生可能エネルギーや気候変動の適応策について、より重要度を上げた方がよいと判断した。特に再生エネは、SDGs目標の7番(エネルギーをクリーンに)として掲げられている。経営企画部CSRグループの星野俊彦シニアエキスパートは「世界は低炭素ではなく脱炭素に向かっている。再生エネの取り組みは、重要度を上げる」と話す。
同社は、太陽光発電システムの背面に設置して太陽電池を紫外線や湿気から保護するフィルムなどを製品化している。次期中期CSR計画を通じて、再生エネ製品の開発や普及を後押しする。
2つめは、自社の製品やサービスが、課題の解決にどのように生かせるかを、顧客企業や投資家に伝える「共通言語」として使うケースだ。
住友化学は16年11月に、SDGsで定めた17目標に貢献する製品・技術の社内認定制度「スミカ・サステナブル・ソリューション」を開始した。第1弾として21製品を認定。それぞれの製品に対し、SDGsのどの目標に貢献するかを示した。例えば、リチウムイオン電池用の高容量設計を可能にする材料(セパレータ)は、目標7と目標13(気候変動の対策)に該当する製品として認定。そのほか二酸化炭素(CO2)分離膜や、航空機の燃費向上に貢献する炭素繊維強化プラスチックなども認定した。
CSR推進部の福田加奈子部長は「化学メーカーは製品の認知度が低いのが悩み。SDGsは自社の製品やCSRの取り組みを知ってもらう絶好の機会」と話す。
3つめは、社員の奮起を促し、新しい事業のアイデアを社内から拾い上げる取り組みだ。
伊藤忠商事は、社内の全部門でCSRの行動計画「CSRアクションプラン」を策定し、CSR活動を事業に落とし込んだ。各部門が策定した行動計画がSDGs目標の何番に当たるのかを示し、世界の課題に自分がどれだけ貢献しているかを意識してもらい、奮起を促す。部門の垣根を取り払った取り組みや、新事業の創出にも期待する。
SDGsは企業において実践の段階に入った。戦略的に活用できれば、世界共通の課題の解決企業として、存在感を示すことができる。」
2001年に採択された国連ミレニアム開発目標では、途上国向けの開発目標だけが設定されていましたが、今般のSDGsは、先進国を含む国際社会全体の開発目標として設定されている点に注目しています。
世界の平和のために、大きく前進していければと思います。