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バックナンバー 2015年 6月

20150623_121840昨日は終日政策懇談会。建設関連、DV対策などを行う団体、医師の皆さん、小中学校の校長先生方、障害者団体などの皆さんからお声を頂きました。

時々、各種団体の方々から耳にしますのが、役所のシステムの不具合や使いにくさといった課題。システムも様々ですが、便利になるはずがその反対になるという話は、市民生活に影響を与えるものであり困りものです。

他方、税制改正や年金制度の変更などに対応するため、横浜市では年間数十億円のシステム更新費を予算計上しています。国の都合で変えざるを得ないこうした予算。そもそも、各地方自治体では各地各様のシステムを構築し、各地各様に対応してきたため、全国規模で見ると莫大なシステム関連費用が計上されています。「たら、れば」ですが、こうしたものこそ国が中央でリードし、全国で同じシステムを使っていれば、と思います。

このような中、国が動き出したようです。日経新聞が「国・地方のシステム運用費減徹底を」と題して伝えていました。

「財務省は(6月)15日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)を開き、年金の支給記録やハローワークの求人情報などを管理する国と地方のIT(情報技術)システムの運用費削減を徹底するよう求めた。政府は10年で運用費を3割減らす目標を掲げるが、進捗は大幅に遅れている。マイナンバー制度の導入に伴ってシステム投資が増える可能性があり、効率化の必要性を訴えた。

 政府は2013年6月に閣議決定した「世界最先端IT国家創造宣言」に基づき、12年度に4067億円だったシステム運用費を21年度までに3割減らす目標を立てた。だが各省の削減状況や今後の見通しによると、削減幅は21年度時点で24%減にとどまり、このままでは目標に到達しないという。

 財制審の委員からは「ITは初期コストだけでなく、維持・管理コストも考えて導入しないといけない」との意見が出た。費用対効果を明確にする必要があるとの意見も多かった。

 マイナンバー制度では番号を国民に割り振るのに大型のシステム投資が必要になる。番号は重要な個人情報にあたり、情報漏洩などを防ぐためのシステム投資も必要になるとみられる。

 財制審でIT投資を本格的に取り上げるのは初めてという。」

今からできることは何か。国には地方自治体と共に考えていって頂きたいと願っています。また同時に、横浜市で作ったシステムに不具合があるならば、市民のために利用者の声を真摯に伺いながら改善していかねばならないのは当然のことかと思います。

20150628_113835昨日の午前中、青葉消防署青葉台出張所で消防団の合同班訓練が行われ、隊員ですので参加しました。2時間の訓練に30分の研修会。皆さん、真剣です。日頃はそれぞれの仕事を持ちながら、地域の安全のために集う。心ある方々の集いです。

市民相談対応の後、夕方は息子が通う南区にある横浜市立横浜商業高校へ。夏の甲子園へ向けての高校野球の激励会。古豪復活をかけてY校の挑戦が始まる、といった感じでした。うちの息子はベンチ入りまで行ってませんが、心ひとつにメンバーに力を送るべく、応援で太鼓を叩いています。友と共に厳しい練習の時を経て、とにかく「自分に勝て」と願っています。

ところで、日経新聞「がん社会を診る」のコーナーに東京大学病院の中川恵一准教授が「天下は『粗食と運動』の家康に」と題して寄稿されていました。

「武田信玄も徳川家康も胃がんが原因で死亡したと考えられていますが、運は家康に味方したようです。

 健康ブームの日本ですが、家康は、元祖「健康オタク」でした。伝来したばかりのたばこは、当時、頭痛などに効くクスリとしても人気がありました。でも家康は決してたばこを吸おうとしないばかりか、禁煙令を出したくらいです。直感的にたばこの害に気付いていたのかもしれません。漢方薬については、医者顔負けの知識を持ち、自らが使った調剤道具一式が東照宮に残されています。

 今川義元の人質だった家康は、義元が美食と運動不足で肥満になり、馬にも乗れない姿を見て育ちました。反面教師として、粗食と運動を心がけたといわれます。たしかに、運動を心がけ、若い頃の体形を維持すれば、確実にがんのリスクを減らせます。

 家康は、大坂夏の陣で豊臣秀頼と淀君を自害に追い込み、天下統一を成し遂げた翌年の1616年に亡くなりました。

 1月21日、たか狩りの後、たいの天ぷらを食べた家康は、翌朝から激しい腹痛と嘔吐(おうと)に襲われました。天ぷらは、当時京で流行しており、側近が天下人の食欲が無いのを案じてすすめたものです。腹痛や嘔吐は胃がんの進行が原因だったのでしょう。家康の症状は、胃がんが大きくなって通過障害が出たためと思われます。

 その前から徐々にやせてきていたこと、侍医の触診で腹部にしこりがあったことなどから、胃がんの可能性が高いと考えられています。1600年の関ケ原の戦いの頃には、家康のがんは胃の粘膜を侵し始めていたはずです。

 私たちの体内には、毎日、多数のがん細胞が発生していますが、免疫細胞が水際で殺しています。しかし、免疫細胞が殺し損ねたたった一つのがん細胞が増殖を繰り返して大きくなるため、症状を出すまでには20年もの年月がかかるのです。

 天は、胃がんを抱えながらも天下を統一するだけの時間を家康に与えました。一方、三方原の戦いで家康を圧倒した信玄は、天下を目前にして胃がんで亡くなりました。信玄の胃がんの進行がもう少し遅ければ、日本の歴史は大きく変わっていたはずです。」

運が人生を左右する。確かにそうだと思います。他方、個人的には、天下統一が人生の勝利とは思いませんし、「どう見られるか」より「どうあるか」。自分のことは自分自身がわかっているわけで、自身の評価も大事かと思います。運に左右されることを受け入れつつも、それまでの努力と、自らの納得も大事かなと思います。

CAM00382 (2)昨日は小学校の授業参観日。久しぶりに見に行きました。道徳の時間だったのですが、テーマは「気持ちのよいあせ」。

「大変だと思ったときに、もうひとがんばりするためには、どんな気持ちが大切だろうか」との問いかけとと共に、事例を提示。子ども達が学校で雑草を抜く作業が終わった時に、別の児童からうさぎ小屋の掃除を手伝ってほしいと言われたら、どんな気持ちになるか。自分のこと、相手のこと、どのようなリアクションで、どのように感じるか。先生からの様々な問いかけに、子ども達の多くの手が上がりました。

まとめでは「大変だと思ったときに、もうひとがんばりするためには、思いやりの気持ちが大切」という結論でした。子ども達の心の動きを察知しながら、子ども達の人としての成長を願いつつ、噛んでふくめる様に教える先生の役目は本当に大変だと思います。

ところで、日経新聞によりますと、回転ずし大手の元気寿司は5年後をメドに、国内の全店舗を「回らない」方式に切り替えるそうです。すしをベルトコンベヤーで回して提供する従来方式ではなく、来店客がタッチパネルで注文した商品だけを高速レーンで直接届け、鮮度の高い商品を食べられることをアピールして集客力を高めるとしています。

「回らない店では、来店客が席の正面にあるタッチパネルで注文すると、最速で1分以内に商品が届く。短時間で食事したい人を多く受け入れることができるという。ベルトコンベヤーを回っている間に鮮度が落ちて廃棄することになる商品を減らせる利点もある。

 「元気寿司店舗は回らない方式とし、既存店も改装などに際して転換する。店舗面積が小さいなどの理由で一部の店を回らない方式にする例はあるが、全面的に切り替えるのは業界でも珍しい。

 元気寿司では既存店を回らない方式に切り替えたところ、改装前に比べ来店客数が2倍に増えたケースもあるという。」

 授業参観のあと、回転寿司に行ったわけでもなく、妻と駅前でスパゲティを食べて、仕事だったわけですが、我が家で家族がそろったときにの定番は「回転寿司」です。上の三人は、二人が大学生で一人が高校野球ですから、最近はなかなか皆がそろうこともないのですが、家族6人で行きますと、まるでテレビ東京の大食い選手権の様相。少なくとも合計70-80枚は食べます。皿の色が変わって、顔色が変わるのも困るので、一皿100円の店であることは申すまでもありません。

回転寿司。確かに、回らなくてもいいかも知れません。

20150626_110850昨日は大都市行財政制度特別委員会視察で京都市に伺いました。各都市の長所短所はありますが、京都市は、横浜市をはじめ、他の政令指定都市に先んじて、府市首長、職員同士の議論を行い、府市の事業統合を進めており、周辺自治体との連携も手探りの中で前に進もうとしている状況がよくわかりました。これまで書類では確認できなかった、自治体間の悩ましい山をどのようにして越えてきたのか、具体的な動きが見えてきたのはよかったです。今後に活かします。有難うございました。下記はメモの一部です。

(1)京都府・市における地方分権の取組ついて

ア 二重行政解消への話し合いを年1回開催

観光案内所の設置、動物愛護センターの共同設置運営などは二重行政を解消している。

現状、夫々の長所を生かす形で共同化を推進中。衛生研究所の共同化・合築化、消防学校の共同化、計量検査所の共同化。

政策の一本化を推進中。全国初、中小企業融資制度・中小企業経営支援事業を一本化。地球温暖化条例の共同化。鴨川河川敷の放置自転車対策を京都市が一元管理することで一本化。二重行政が起こる前に対策を打つべく、エネルギー政策を推進。府市就職支援ホームページの統合。市営住宅・府営住宅公募連携事業。

昭和53年から懇談会を開始しており、平成20年から「府市行政協働パネル」を開始し、話し合いを通じて成果を上げてきた。国から広域行政と政令市との調整会議を進めるよう提示があるが、すでに長い時間をかけて相談しながら推進してきた。

(2) 区役所の権限強化

7月中に市が考えていることを市民に発信する予定。京都市内の区の権限拡大について、市長の想いが強いが、国のメニューとして総合区制度が示されたが、導入する予定はない。総合区制度の中身を見ると、京都市としてはすでにできていることなのでメリットがない。区長公選の必要もない。どのような区の在り方がふさわしいかを、他の政令市の状況を見ながら、議会との話し合いの中で考えていきたい。

7月に出すことを考えているのは「骨子的なもの」。これから区だけで議論してきたが、庁内にもシフトして考えていく。パブリックコメントのスケジュールをやりたい。只、これまでの大きな方向性、を変えるようなことは考えていない。例えば、戸籍などの書類発行について、コンビニ発行するなどを進め、画一的な窓口業務をやめて、区役所は区民とともに街づくり的なものに移行していく方向。区と区が競争するような状況も想定している。

<質疑概要>

Q 府市施設共同化を進めているが、元々近いところにあったのか

A 観光案内所は同じビルの階層が違うだけだったが、それ以外は離れていた。話し合いで解決してきた。

Q 地球温暖化対策条例は府市のどちらの条例に合わせたのか

A 京都府の条例に一本化した。元々の違いはあるが、府市に同じ書類を出していたのが問題だった。それが一本化されたのが大きい。

統合に際しての難しさはそれ以外にはなかった。人の問題も特になかった。

Q 一本化した場合の財源負担の在り方は

A 場所による。新しく作るものは折半。衛生研究所、動物愛護センターは50:50 以前からある制度などは、府市の以前の比率でフィックス。

Q 共同化することで施設減することについて、どのような声がでているか

A スポーツ関連施設など増えた方がいいものもある。必要と判断したものは減らしていない。この動きについて市民から反対の声が出ていない。

Q 府市懇談会、協働パネルを進めるには難しいところがあると思うが

A 雇用に手を付けるほどのことはない。それでも、二つが一つになるので、コスト削減の効果は出ている。市民からも特に声はない。

Q 区ごとの規模の違いによる対応の差ついて

A 東山区4万(2)、伏見区28万(14)。区の統合は難しいが、業務的合体、効率化は考えることになる

Q 特別自治市の考え方 周辺自治体との連携について

A 特別自治市は目指しているが、周辺地自体との連携については話が出ている。国でも模索をしているところ。近隣市町村との連携で何ができるか、「新たな広域連携促進事業」を国から示されている。

京都に通勤・通学されている方が人口(京都都市圏、京都府16市町、滋賀県12市町、大阪府2市町、計21市9町)の5%以上の圏域、周辺自治体に対し将来像について提供してもらえないかとお願いしている。共有して、一緒に考えていきたいと思っている。まだ、施設の集約などは踏み込めないが、まずはそれぞれのビジョンを知り、できることを考えていきたい。今年の秋に会議を持てないかと検討している。こうした関連について来年の2月までに国に報告するようになっている。全国的にも各都市の取組み、状況によって提出内容の深浅があると思う。例えば、情報共有するだけなのか、文書化などで進めるのか、いずれにせよやってみないことには始まらないし、今後進めていくことになる。

20150625_134252昨日、大都市行財政制度特別委員会の視察で浜松市に伺いました。分権改革推進のため、静岡県と浜松市、静岡市との連携による特別自治市へのトップダウンによる推進力を強く感じるとともに、知事や2市の市長の考えと、議会の考え方の温度差も感じました。横浜には横浜の、他都市には他都市の課題があります。現状の都道府県制度のもとでも、可能なものから県が権限移譲を進め、市側も受け止めてきているところは学ぶべきではないかと思います。下記はメモです。

同県と2市の連携の中は、その特性として、政令指定都市移行を目指した大規模合併を実現するとともに、静岡県から政令市への権限移譲法律数は日本一の状況となっていることが挙げられます。圏域の拠点としてとして、積極的な広域連携を推進し、県と両市が強固な連携と改革の意識を共有。こうした状況の中、浜松市で現在進行中の「しずおか型特別自治市」制度について伺いました。

  • 浜松市における「しずおか型特別自治市」への取組全般について

ア 「しずおか型」の意義として、「内政のフロンティア」をめざし、次の3点を挙げている

  • “地方自治”のフロンティア 道州制を視野に入れた全国の意欲ある自治体にとっての「モデル」創設
  • “地域連携”のフロンティア 広域連携の「核」強化で知己の連帯を創出
  • “地方行革”のフロンティア 二重行政解消で効率的・効果的な地方行政体制を実現

 浜松市として、これらを推進するにあたり、 

イ 「しずおか型特別自治市」の具体的なポイントは次の4点

①  事務権限 警察事務(道路交通行政以外)等の真に広域的な事務を除く地方が担うべき事務を担当。特別自治市以外の地域における都道府県の行政サービスの提供に影響を及ぼさないよう必要に応じて措置

②  税財源 市域内のすべての地方税を特別自治市が賦課徴収。道州制下では事務配分に応じ再配分。掲載事務等は事務配分に応じて負担。特別自治市以外の地域おける都道府県の行政サービスへの影響が生じるときは必要な財政調整をする。

③  自治構造等 簡素な行政組織の下、地域の実情に応じて区の配置や都市内分権を実施。住民参加手続きや住民代表機能等も実態に即した形で整備。

④  広域連携 圏域全体の発展に向け、連携の核として近隣市町村や都道府県と一層の広域連携を推進する。

  • 具体的な動きについて
    • 総務大臣通知について(総合区について)

「総合区」導入については、市長が「やらない」ことを明言している。H17に市町村合併し、7つの区にして10年しかたっていない。各区の規模や状況を見ると行政区で十分と考えている。

  • 市内分権の状況

区の再編など、市民サービス提供体制の最適化を目指している。正規職員5千人へのスリム化。ITCによる利用しやすいサービス提供の推進、広域行政の推進。特別自治市への取組み。

  他方、「区の再編」についてH27年2月に浜松市行政経営諮問会議からの答申が出ており、4月の選挙で市長はこの推進を掲げ勝利した。進まなかったのは議会からの反対の意向が強かったから。(議会と話し合うようにとの主旨の付帯決議の力が強かった)

しかし、今でも議会は乗り気ではない。

(3)二重行政について

静岡県、静岡市と共に、役割分担含め特別自治市への取組み推進中。只、税財源は国の動向を見ながらになるので、まだ具体的にはなっていないが、現在の都道府県制度のもとでは、市域内のすべての地方税を特別自治市が賦課徴収することとしている。

しずおか型の特徴は、①全国で唯一県知事が合意している。②プロセスをおさえている(現在、フェーズ1、フェーズ1現行制度下での最大限の機能強化、フェーズ2特別自治市の法制化、フェーズ3道州制移行に伴う基礎自治体の自立モデルの確立) ③道州制を目指している、といえる。

<質疑概要>

Q;大都市制度の導入について、なぜ静岡市がトーンダウンしているのか

A;県は権限移譲をしてはくれるが、財源はまわしてこないから

Q;諮問会議の答申を受けて、議会はまだ乗り気ではないが、市当局としてはどうするのがいいと考えているのか。

A;H19年、政令市移行したが、その際に市長が代わった。前の市長は合併について「対等」を訴え、クラスター型を目指した。(ブドウの房)新たな市長は、一つの市になったのだから、制度を一緒にまとめていくべき(ミカンの房)を目指している。目指すものは同じだが、プロセスが異なる。旧市町村からの議員は「対等」と主張している。

こうした状況下、前期の4年も議会と議論してきた。議会にとっては「なぜ再編が必要なのか」がわからない中、「再編ありき」に映ってしまったようだ。しかし、人口減少・超高齢社会が目の間にある中で、再編も待ったなしとなってきている。

Q;どうやって乗り越えようとしているのか?大都市制度を導入する前段階の話でもある。他方、県からの権限移譲は進んでいる。

A;諮問会議で検討するには材料が必要なので、7区から5区になった場合のシュミレーション(年間9〜10億円の経費削減等)を出した。これに対する結論が出ていない。一般の人への浸透も不十分の状況。区の再編がどうであれ、とにかく行財政改革はやらなくてはならない、乗り越えなくてはならない。

Q; しずおか型実現プロセスのフェーズ1において、現在の都道府県制度のもとでは、市域内のすべての地方税を特別自治市が賦課徴収することとしている。現在、フェーズ1とのことだが、どのあたりまで議論は進んでいるのか。課題はなにか。

A;難しいものがあるが、権限財源移譲が行われてきたプロセスとしては、事業を所管する県市の担当部課がやり取りして進めてきた。事務レベルではざっくばらんに今も話し合いを進めている。副市長や局長クラスの話し合いの場はない。税財源の話は、今は議論の途中だが、H25年に知事が特別自治市になったら譲ることを明言したので、その時がきたら移譲される。

Q;特別自治市を目指す場合の負うべき責任として、ハード、ソフトの両面で、医療・介護・教育等々、周辺自治体との連携があげられる。どのように考えているか。

A;特別自治市がフルセットでできるようになれば、周辺との連携が色々進められるようになると考えている。

20150624_172413昨日も終日、政策懇談会。建設関連、介護施設関連、身体障害者団体、水道関連の皆さんからお話を伺いました。

水道関連の議論の中で、3.11の時に給水のため長蛇の列を作る仙台の皆さんの写真が紹介されました。「あのような大災害の時でも列を作る日本人が世界から讃嘆された」「こうした人々の心に応えていきたい」との主旨の話に、心に心で応えることの大切さを改めて感じました。

先日、日経新聞の経済教室「やさしいこころと経済学」のコーナーに「幸福とは何か」と題して連載していました。

 「近代社会の幸福のシステムは、経済成長を前提としていました。「豊かな家族生活」にしても「ブランド消費」や「プチ消費」にしても、幸福を約束する商品を買い続けるためには収入の増加が不可欠です。そして、その商品によって人から評価されるという社会的承認を得て、幸福を感じていたのです。

 よく考えれば人々が本当に求めているのは商品そのものではなく、社会的承認です。そうであれば、商品を介在させずに、直接、社会的承認を手に入れたほうが幸福を感じることができます。

 欧米などでは、夫婦は記念日などにお互いにプレゼントを贈り合う習慣が盛んです。お互いが必要であり、大切であることを直接、表現し合うことによって幸福を感じるのです。プレゼントの中身でなく、贈るという行為が幸福を生み出します。

 仕事をすることも、人とのつながりに結びつけば幸福の源泉になります。引きこもりがちな人の就労支援の中で最も人気があるのが、「犬の散歩の代行」だそうです。自分が世話することによって、犬の喜ぶ姿が見られるからだといいます。

 仕事は、自分の能力を生かし他人を幸せにして、お礼をもらうというのが本義です。近年は脱サラして有機農業を始めるなど、お金がもうからなくても自分の働きで他人が喜ぶことを実感する仕事を選ぶ人も出てきました。お金のためだけに働いていると思うと、なかなか幸福を感じられないのです。

 家族を離れた集団も重要です。欧米では、趣味のサークル活動やボランティア、宗教に基づく奉仕活動などが盛んです。労働時間が長くない欧米では、幸福を感じるための活動がしやすいのです。

 人がつながりを確認し、お互いに承認し合う。そのようなシステムが広がれば、経済的豊さとは別の次元で幸福を実感することができます。日本でも、このような幸福の感じ方が広まり定着することを期待しています。」

幸福とは何か。人ぞれぞれかと思いますが、つながりを確認し、認め合うことも大事なひとつだなと思います。

20150531_174744昨日も政策懇談会。建設関係、保育所関係、障がい者関連団体などの皆さんからお声を伺いました。毎年、この時期恒例の懇談会ですが、新たな課題が見えてきます。

ところで、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会が、開催都市が提案できる追加種目の検討会議を開き、野球・ソフトボール、空手、スカッシュなど8競技団体が、書類審査による1次選考を通過したと発表しました。関連ニュースが続くと、少しづつ近づいていることを感じます。

我が町青葉区でも、準備を進めるメダリストがいます。先日、タウンニュース青葉区版が、伝えていました。

「パラリンピック4大会に出場し、金メダル15個を獲得した成田真由美さん(44)=川崎市在住=が今春に選手として復帰。9月のジャパンパラ水泳競技大会に向け、所属する横浜サクラスイミングスクール=鉄町=で再始動している。

 成田さんが初めて同クラブを訪れたのは、25歳の時。水泳選手としてアトランタパラリンピックを目指そうと、スイミングクラブを探していた時期だった。下半身マヒがあったことから受け入れてくれるクラブが見つからず、7カ所目だった横浜サクラスイミングスクールの福元寿夫コーチに出会い、所属が決まった。その後、アトランタ、シドニー、アテネ各大会で通算20個のメダルを獲得。2008年の北京大会出場後は第一線を退いていた。

 アトランタ大会でのメダル獲得後から、「五輪に比べて知名度の低いパラリンピックをもっと知ってほしい」という思いを抱いていたという成田さん。昨年から務めている、2020年東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会理事の活動を行う中で、よりパラリンピックを盛り上げたいという思いが強くなったという。

 「自分が大会で泳ぐことで、少しでもパラリンピックという言葉が活字になれば」と成田さんは話す。

 これまでも水泳は続けていたが、昨年11月から堀越正之コーチのもとで、本格的なトレーニングに励むようになった。堀越コーチが毎回、個人メニューを作成し、水中でパラシュートを付けて負荷をかけながら筋力をつけるトレーニングなどを続けている。堀越コーチは成田さんについて「向上心の強さが持ち味。自分の限界に挑戦し、頑張ってほしい」と話す。

 今月14日には、関東身体障害者水泳選手権大会(長野県)で、女子100m自由形と同平泳ぎに出場。標準記録を超え、9月のジャパンパラ水泳競技大会への出場資格を得た。「レース後半で(スピードが)落ちないように持久力を付けることが課題」と振り返る。

 同クラブで練習をはじめて約20年。「サクラ(スイミング)は本当に大切な場所。感謝の気持ちを持って泳ぎたい」と成田さん。9月のジャパンパラ大会、11月の日本選手権での記録更新を目標に、練習を重ねていく。」

先日、偶然にも同スイミングプールの駐車場で成田選手にお会いしました。とてもさわやかで笑顔がまぶしいのが印象的でした。益々のご活躍を期待しております。

20150523_135502昨夜のNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」。菓子業界のヒットメーカーが登場。「難しいとは、新しい」「蛇行して、混沌とし、出し尽くす」「大きな成功を生み出すには、大きく蛇行し、混沌として、出てくるもの」「客の心に響く何かが見つかり出すまで議論が続く」「人は弱いので自分が考えたことに対して及第点をつけたがる」「思考のスタミナを持って考えろ」「難しいことにチャレンジしないと新しいことはできない」等々とのくだり。入社間もない頃、先輩・上司に鍛えて頂いたことを思い出し、熱くなりました。まだ成長の途中ですが、今の自分の土台になっています。感謝です。

昨日から公明党横浜市会議員団として各業界団体との政策懇談会が始まりました。様々な声を頂きながら市民生活向上に向けた取り組みにつなげていこうとするものです。昨日は、幼稚園関連、訪問介護関連、薬剤師の皆さん、建設業関連、保育園関連の皆さんからお話を伺いました。

役所において業務の効率化にあたり、ネット経由のシステム化がすすめられていますが、最前線の声を伺うと様々な問題があります。時間がかかる場合もありますが、現場が「良くなった」ことを実感できなければ意味がありません。以前よりも「入力作業が2倍以上時間がかかる」など大変悩ましい話がありましたが、市民目線でしっかりと対処していかねばなりません。 いずれにしましても、時間のロスは、結果的にサービスの後退につながり、誰も望んではいないものです。

先日、公明新聞コラム「北斗七星」が味のある文章を掲載していました。

「距離は時間によって定義されている。例えば1メートルの長さは「1秒の2億9979万2458分の1の時間に光が真空中を伝わる距離」と定められているそうだ。

距離と時間の関係は安田正美著『1秒って誰が決めるの?』(ちくまプリマー新書)で知ったが、実は今、日本の標準時を管理する情報通信研究機構が1秒の調整に取り組んでいる。今年は「うるう秒」の年。世界同時に1秒を加えて、地球の自転と原子時計のずれをなくすためだ。

今回は7月1日午前8時59分59秒と9時00分00秒の間に59分60秒が挿入される。前回の2012年の際は、交流サイトのミクシィで約4時間つながりにくくなり、豪州の航空会社の発着便に最大2時間の遅れが生じた。うるう秒に対応しきれなかったためらしい。

1秒といえど、おろそかにできまい。クレア・コック・スターキーの『ビジュアル・ワールドデータ89』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)から算出すると、1秒間で、テニスコート19面超の森林が地球上から消失。41トンの食料が廃棄されている。

片や小学校の道徳では「『ありがとう』。この1秒ほどの短い言葉に、人のやさしさを知ることがある」との小泉吉宏氏の詩を引用していると聞く。1秒が時代を映し、価値を生む。与えられた時間を使わずして、何を価値創造するというのだろう。」

市民の皆さんから「ありがとう」の1秒をいただけるよう尽力していかねばなりません。

CAM00316昨日は地元の会合や通夜など。朝の車での移動中、NHKラジオの日曜討論を聞きました。安保法制の議論でしたが、国家間の問題だけでなく、無国籍の集団などが軍事力を持ったり、年金問題もそうですがサイバー空間で攻撃があるなど、丸腰で平和を訴えることが困難で複雑な国際社会において、国民の生命・財産を守るためには、友好関係拡大に向けての外交を柱としながら、状況に応じた抑止力の整備は重要なものだと思います。こうしたことを思いつつ、何もしなければ今だけは楽なのかもしれないとか、島国と大陸にある国との違い、憲法学者と国際政治学者の役割の違いなどを改めて感じました。

昨日の議論。各党の主張が少し整理されていたようにも感じました。

とにかく一部マスコミと同じく核心的な論点を外しながら各論で「わかりにくい」「わからない」を繰り返す方。

これまで長年にわたり自衛隊を「違憲」としながら、世論に受け入れられないと考えたのか、最近は否定しなくなったと思えば、今回は憲法違反とする方。

中身を直視せず、他国防衛と自国防衛の区別をつけず、「集団的自衛権の行使」と主張する方。

いずれも反対ありきの主張ですが、一方、すでに政府案や内閣法制局長の答弁で憲法の枠内とは何かが明確になっている現状ではありますが、「憲法の枠内ギリギリ、自衛権の枠内ギリギリの独自案」を出すとされる方もありました。今後、議論できるのかも知れません。

今回の安保法制における集団的自衛権の行使とは何かについてのやり取りにかかったところで、司会者が「議論の核心の部分ですね」との主旨の発言がありました。その通りだと思います。日本の置かれた現状をどう考えるかの出発点も含め、核心の論点を外さないように、国民の前でしっかりと話し合い、各党の主張をわかりやすく国民に明示することが求められていると思います。

ところで、今日は日韓国交正常化50周年の日。私は韓国料理がとても好きですし、友人も少なからずいます。国家間の関係が冷え込んでも、人と人のつながりが一緒に冷え込むわけではありません。環境が変わったからといって、こちらも相手も変わらないからです。政治の世界では、ここ20年を振り返っても、環境の変化で主張や立場をコロコロ変える政党や政治家もいます。そいうのはよく見極めなくてはなりません。政治には常に監視が必要です。いずれにせよ、様々な主張や報道がありますが、日本も韓国も、国民的な大きな流れは「仲良くしていこう」ということではないかと思います。

50周年に寄せる各紙の論調は様々ですが、個人的には、昨日の日本経済新聞の社説が、現実を直視したバランスの取れた内容だなと感じました。

「日本と韓国両政府が国交を正常化する基本条約に署名してから、(あすで)ちょうど50年となる。

 節目の年にもかかわらず、両国関係は歴史問題のあつれきから大きく冷え込み、安倍晋三首相と朴槿恵(パク・クネ)大統領による2国間会談は一度も実現していない。政治的にきしんだ関係を打開し、未来を見据えた長期的な協力関係を築いていく必要がある。

 1965年の国交正常化から50年間で、日韓の貿易額はおよそ430倍、人的交流は年間1万人から昨年は504万人に達した。

首脳会談を早期に

 50年の歳月を振り返れば、日韓関係は緊密になり、相互依存を強めた。サッカーのワールドカップ(W杯)共催や韓国での日本大衆文化の開放、日本での韓流ブームは互いの国民感情を近づけた。

 一方で歴史問題の確執は解消されず、関係を揺るがしてきた。従来は政治のパイプや政権交代を利用して何とか復元してきたが、昨今のきしみは深刻だ。社会には「嫌韓」「反日」の風潮も広がる。

 2012年、李明博(イ・ミョンバク)大統領の竹島(韓国名は独島)上陸から始まった負の流れは、朴政権の発足後に加速した。大統領は当初から従軍慰安婦問題で「誠意ある対応」を日本側に求め、首脳会談に応じる事実上の条件とした。かたくなともいえる対日強硬姿勢が、関係をさらに冷え込ませたことは否定できない。

 韓国はまた、コラムが大統領の名誉を毀損したとして産経新聞の前ソウル支局長を在宅起訴したり、「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録で一部施設の登録に条件をつけたりもしている。

 半面、日本側の歴史修正主義とも受け取られかねない姿勢が韓国を刺激したのも事実だ。安倍首相の靖国神社参拝や慰安婦問題に関する「河野談話」の検証などに対し、韓国は激しく反発した。

 15年版の外交青書では、韓国について「自由、民主主義、基本的人権などの基本的な価値」を共有しているとの表現を削除した。韓国の知日派学者は「国内の反日勢力を説得する理屈がなくなった」と嘆く。配慮を欠いた外交戦が関係悪化を決定づけたともいえる。

 ここにきて慰安婦問題では、昨春から続く外務省局長協議が大詰めを迎えているとみられ、朴大統領は「相当な進展があった」と評価した。ぜひとも早期の首脳会談実現につなげてもらいたい。

 日韓間では最近、財務、防衛相会談なども開かれ、尹炳世(ユン・ビョンセ)外相も初来日する。韓国政府が歴史問題は原則を貫きつつ、安全保障や経済など他の分野では積極的に協力する戦略に転じた効果もあるのだろう。

 ただこの戦略は「歴史」では譲歩しないということだ。仮に慰安婦問題が決着しても、韓国では戦時中に日本に強制徴用された韓国人への損害賠償を求める訴訟などが相次いでいる。植民地支配という過去を抱えた日韓の間では、歴史問題の対立の根はなお深い。

 ではどうすればいいのか。日韓で協力できる分野や幅を広げ、結果的に「歴史」の比重を下げていくことではないだろうか。

 経済構造が似通う日韓は、技術開発やエネルギー・資材の共同調達、第三国でのビジネスなど経済で協力できる分野は多い。

<「歴史」の比重小さく>

 にもかかわらず両国間の自由貿易協定(FTA)交渉は04年から本交渉がストップしたままだ。継続中の日中韓のFTA交渉などとともに推進していきたい。

 FTA戦略で先行する韓国は環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟も視野に入れている。アジアに自由で開かれた通商ルールを構築するうえでも、互いに手を携える余地は十分あるはずだ。

 安保分野の連携も欠かせない。中国の海洋進出や北朝鮮の核・ミサイルの脅威など、北東アジア情勢は不安定さを増す。ともに米国の同盟国として緊密に協調することは地域の安定にも寄与する。

 もちろん、歴史問題の摩擦を極力控える努力も必要だ。韓国外務省の趙太庸(チョ・テヨン)第1次官は「日本政府がこれまで表明してきた歴史認識を覆す試みや反対する言動を慎んでほしいというのが我々の立場。新たな要求をしているわけではない」と語る。

 「誠信之交隣」。互いに欺かず、争わず、真実をもって交わる。江戸時代の儒学者で朝鮮との交流に携わった対馬藩の外交官、雨森芳洲の言葉だ。こうした外交精神を引き継ぎつつ、協力の芽を一つ一つ育み、「歴史」の葛藤で大きく揺らぐことのない強固な善隣関係を築いていきたい。」

6月12日、山口代表は、日本外国特派員協会で記者会見し「日韓国交正常化50周年にあたり、首相は戦争について謝罪すべきか」との質問に対し、先の大戦をめぐる歴代首相の発言などについて「第二次大戦までの日本の振る舞いを深く反省した上で、戦後の平和主義を強く進めていきたいという一貫した考えが取られている」と述べています。

今生きている人間の役目は、未来のために、今の時代にできることを、具体的に残していくことが大事ではないかと思います。

「何を言ったかでなく、何をやったか!」だと思います。

20150620_140316昨日は、地元の地域のために尽くし、地域に貢献してこられた方の叙勲をお祝いする会合へ。受章者ご自身のご挨拶の中で、全国規模で人権擁護活動を推進されてきたこともあり、様々な角度からのお話がありました。その中には相続でもめるケースを引き合いに「争続」のような悩ましい現実についても。益々のご健康とご活躍をお願い申し上げた次第です。夜には所属する青葉消防団の会議へ。

「人のために」「社会のために」。言葉だけでなく、行動する人々との交流は、明るく、前に進もうとする気概を感じます。私も頑張ります。

ところで、下記については、私には間違いなく関係のない話ですが、今年1月、相続税が改正され、基礎控除の引き下げや最高税率の引き上げが行われ、相続増税の影響で、富裕層を中心に節税策に関心が集まっているとのこと。正しい知識がないせいでトラブルに発展するケースもあるそうで、日経新聞「税を知る」のコーナーに、青山学院大の三木義一教授が「名義預金」についてインタビュー形式で解説されていました。少し長いですが、ご紹介します。

■課税庁は見ている

 ――相続税に関するセミナーがかなり活況のようです。やはり改正の影響が大きいのでしょう。

 相続税の問題を考えるときに、一般の人はすぐに節税策を考えます。そういう人を対象に、相続税対策として家の増改築を勧めたり、金融商品を売り込んだりする企業もあります。露骨に税金逃れをするような行為は私はやめたほうがいいと思います。課税庁は見てますからね

 生半可な知識で節税策に走る前に、大事なことを押さえておいてほしいと思います。最近、増えているトラブルが「名義預金」の問題です。

 ――よく耳にする言葉ですね。

 父親が亡くなった後、父親の金庫から預金通帳が何冊も出てきたとします。父親名義で2億円、全く知らない赤の他人名義で1億円、母親名義で2億円、子ども名義で2億円あったとします。相続税は発生してから10カ月以内に申告をしなければいけません。父親の相続財産はいくらと申告すべきか、わかりますか。

 ――父親名義は2億円なので、2億円と言いたいところですが……

 答えは当然、7億円です。もし2億円しか申告しなかったとしたら、税務調査が入って指摘されます。もし意図的に隠そうとした事実があれば、脱税事件で無罪判決が出ることはめったにありません。起訴されたら、ほぼ100%有罪になると考えてください。

 ――昔、父親からもらったと主張したらどうなるでしょうか。

 だとしたら、贈与契約があったことを証明しなくてはいけません。贈与は契約なので、父親が「お金をあげるよ」と言い、子どもが「ありがとう」と言って、双方の合意が必要なんです。贈与があったのに、片方がそれを知らなかったということはあり得ません。そして、もらったものなら自分で通帳やはんこを管理し、さらには贈与税の申告をしなければいけません。実際に、そのようなケースがありました。

■いったん無罪になったが…

 夫の死後、妻や子ども、第三者名義の預貯金や有価証券が見つかりました。妻は夫名義の財産だけ申告したのですが、その後、税務調査が入り、妻は相続税法違反で起訴されました。本来は課税財産が約10億6000万円、相続税額は約2億3000万円なのに、課税財産を7億3000万円と申告し、1億4000万円の相続税を脱税したという罪です。でも弁護士が頑張って、地裁ではいったん無罪になったんです。

 ――えっ、そうなんですか。

 被告人は夫の財産について全容を把握しておらず、税金に対する知識も乏しかった上に、夫が生前、「おまえにもちゃんと残してやるからな」「それぞれの名義はそれぞれのものだからな」などと言っていたため、自分名義や子ども名義の預貯金は、夫の財産ではないと思ってしまったようです。被告人が隠蔽工作をした形跡はなく、税務調査が入った際、預金通帳などが隠された様子もなく保管されていたことなどから、脱税の意図はなかったと判断されたのです。

――では重加算税など追徴税額を納めて、一件落着になったんでしょうか。

 ところが検察官が控訴し、高裁は地裁の審理が甘いとして、一転、逆転有罪を言い渡しました。税理士が被告人に「これで全部ですか。ほかに財産があれば言ってくださいね」などと確認したとき、「ありません」と回答し、ほかに家族名義の預貯金などがあることを言わなかったため、故意だと判断されました。懲役1年6カ月及び罰金2800万円の刑です。ただし、3年間の執行猶予がつきましたが。おそらく、地裁で無罪判決が出ていたからではないでしょうか。

■ひとまず全てを申告

 ――「知らなかった」では済まされないということですね。

 弁護士の立場で言うと、脱税事件の場合、無罪を主張するのか、それとも有罪を認めて執行猶予をつけてもらうか、選択が難しいケースもあります。本当に脱税の意図はなく、勘違いや知識の欠如が原因という場合ですね。無罪を主張して頑張りすぎると、裁判官の心証形成が悪くなって執行猶予がつかなくなる場合がありますから。

 ――そもそも他人名義で預金口座を作ることができるのでしょうか。

 最近は人の名義で預金口座をつくることはできなくなっているはずなので、いずれは減っていくトラブルなのかもしれません。でも、昔の人だと名義預金を持っているという人は少なくないんです。

 私が税理士から相談を受けたケースでも、親の死後、財産の中に他人名義の預金が見つかった人がいました。この人は、「本当に他人のものかもしれない」と相続財産から外そうとしたそうですが、しかし、それを自己判断でやって、後から脱税を指摘され懲役刑になったらどうするんでしょうか。私は亡くなった親の財産はひとまず、すべて申告することをお勧めます。そしてもし、本当に他人のものだとわかったら、更正の請求の手続きをすればいいんです。そのほうが無難です。

■税務署は銀行データを把握

 名義預金を隠し通せると思うのも間違いです。相続税を課税されるような人たち、つまり資産を持っている人たちの相続については、かなりの割合で1年以内に税務調査が入ります。税務署は銀行のデータを把握していますので、隠せると思わない方がいいですよ。

 ――親が自分の名義で預金してくれていたら、つい自分のものにしたくなる気持ちはわからないでもないですが。

 自分名義になっているからといって、自分のものだと思うのは間違いです。相続税というのは亡くなった人のものが自分のものになった時に発生する税金なんですから、きちんと申告して堂々としていればいいのに、なぜか、親がもっていたものは自分のものだと思い込んでしまう人が多いんですね。親が生きている時にもらったものでない以上、親のお金はすべて相続財産として申告するという、相続のイロハのイを強調しておきたいと思います。」

思い込みは怖いですね。当事者の方はお気を付けください。

 

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