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公明党 横浜市会議員(青葉区) 行田朝仁 (ぎょうた ともひと)

ゼロ・カーボン先進街区形成事業について 2844

未分類 / 2014年8月20日

昨日は北九州市役所に伺い、家庭部門のCO2排出量の大幅削減を目指し、低炭素社会の実現に向けての取組みについて伺いました。平成20年から低炭素先進モデル街区検討会を立ち上げ、市が国や県に働きかけをする中、平成24年度にはグリーンアジア国際戦略総合特区の指定を受け、その具体的な地区計画が告示されるなど、同市の取組みは目に見えること。そして民間の力を存分に生かしていることが特徴かと思います。下記はメモです。

具体的には、北九州市内のJR城野駅北側の未利用国有地やUR城野団地を中心とする城野地区(約19ha)において「ゼロ・カーボン事業」を推進。エコ住宅や創エネ・省エネ設備の設置誘導、エネルギーマネジメントによるエネルギー利用の最適化、公共交通の利用促進など、様々な低炭素技術や方策を総合的に取り入れて、ゼロ・カーボンを目指した先進の住宅街区整備を推進。まさに事業としてスタートしたところではありますが、日本では最先端の取組み。

街づくりの基本的方向として次の3点が挙げられています。(1)建築・住環境分野、低炭素モビリティ、環境学習分野についてのゼロ・カーボンの観点(2)地域コミュニティ分野、福祉・医療等の生活支援分野の子育て支援・高齢者対応の観点(3)タウンマネジメント分野、情報発信分野における次世代に継承する持続可能な街づくりの視点が盛り込まれています。これからの地域課題を網羅して、その解決に具体的に挑もうとしている姿勢が伺えます。

街の基盤整備の方向性としては2点。(1)通過交通の発生を抑制、歩行者・自転車専用道路の整備、公共交通機関へのアクセス向上、ユニバーサルデザインなど歩行者・自転車利用を重視した道路整備(2)路面温度の上昇抑制、樹木等による緑陰空間の確保、道路照明などの工夫による低炭素化に配慮した整備及び既存樹木や池の保全を考慮した計画となっていました。環境配慮型の街づくりではありますが、歩いて暮らせるコンパクトシティでもあります。

環境を整備しても、そこに住む人々の心と行動が大事。自治会、住民、タウンマネジメントの連携、問題解決についての手法など、これまでの経験を種々勘案しながら検討されていました。従来よく見られた個人に頼る地域運営ではなく、組織化、法人化して運営したいとのこと。また、住民参加も任意ではなく、強制性をもってやっていきたい。しかし、役所が主導するのはなく、あくまでサポート役。民間主導でやっていく。

更に、CEMS(地域エネルギー管理システム)等の導入による地域全体を対象としたエネルギーマネジメントの実現を目指されています。こうした取り組みは横浜も含めて多くの都市で実験が進められているわけですが、同市は街全体(城野地区)で節電行動を行い、各戸からデータも取る、電力の安定供給を図るダイナミックプライシング(変動する電気料金)などの導入を検討。目標は全国展開可能なエネルギー供給システムの構築にあるとしている。日本のみならず海外も視野に、都市としての競争力をつけるために、強力なコンテンツを持とうとしていることがわかります。

平成20年度から始まり、平成24年度から事業着手。今年度は保留地を販売し、来年度には土地の販売を開始。平成27年度にまちびらきを行い、平成28年度には事業が完了するとのスケジュールになっています。

私からも数点質問。(1)国内でもこれほど具体的にゼロ・カーボン事業を展開しているところはないと認識しているが、事業完了まであと2年。実現への壁は?

⇒ 基盤整備(区画整理事業)が終わるタイミング。戸建て350戸、新規200戸、従来住宅300戸、合計850戸の街になる。町ができるにはそこから5年ほどはかかると思っている。

ゼロ・カーボン住宅が高くなることは懸念している。維持管理等想定していることができるのかは心配している。

(2)ゼロ・カーボンは市が主導してきたが、市として条件を付けた上で土地の処分、分譲は国主導でしてもらうとしている。市は土地を持っていない。土地はURがもっている。国かすると高く売りたい。マンションになりやすいが、戸建てを中心にする条件としたとのこと。そこで、住民参加の強制性を求めるようだが人の誘導策は。地代などが高すぎると限られた世帯しか入植できなくなるが、その点はどう考えるか。

⇒ この街のことを理解している人に来ていただくことになる。国からデベロッパー、ハウスメーカーにちゃんと説明して手を打っていただくことが最重要課題。住民のみなさんに維持管理、組織運営をして頂くことになる。

街中に近い場所であり、郊外よりは地代は高い。最低敷地面積1区画180平米くらいの区画にしてほしいと願っている。街を維持管理、組織するなどもあるので、ある程度負担できる方でないと難しくなるかと思う。(1軒4000万円〜4500万円程度の価格になるのではないか)。市としても幾分かの助成は必要ではないかと思う。只、この価格帯は市内を見ても高すぎるという話ではない。

(3)世界展開への展望は?将来を見越して連携、提携して検討していることあるか。

⇒ まだそこまでできていない。事業をパッケージ化しようとしているが、ゼロ・カーボン以上にタウンマネジメントができる街にできれば、早くできるようになると思う。そして、今日のように注目頂くことが大事だと思っている。

ゼロ・カーボン都市として先頭を切り、高いレベルの街づくりを目指す挑戦の姿に共感を覚えました。