衆院解散 遊説第一声について 2191
公明党は衆院解散を受け17日から全国遊説をスタート。12月4日公示、同16日投票の衆院選に向け、山口那津男代表の都内での遊説第一声(要旨)は次の通りです。
政党選択の3つの基準
(1)政権を担う責任感と経験があるかどうか
(2)具体的な経済対策を持っているかどうか
(3)地域に深く根差し、国政を動かすことができるかどうか
皆さま、こんにちは。16日、衆議院が解散となりました。いよいよ、衆院選に向けて決戦の火ぶたが切って落とされました。
民主党政権は政権交代後3年間、失政続きであります。まさに今日本は沈没寸前の状況にあります。この沈没寸前の日本の再建を果たすために公明党は全力で頑張り抜いて参りますので、どうぞ力強いご支援をよろしくお願い申し上げます。
このたびの選挙は、そうした日本の再建を担うことのできる政党はどの党なのか、皆さまの手でしっかりと選んでいただく選挙です。
その政党を選択する理由は三つあります。
まず一つは、政権を担う責任感と経験があるかないかということです。
二つ目は、具体的な経済対策を持っているかどうか、それを皆さまにお示ししているかどうかということです。
さらに三つ目は、地域に深く根差し、国政を動かすことができるかどうか、そういう力を持っているかどうかということです。
この三つの選択の基準を持っているかどうかをしっかりと見極めていただきたいと思います。
まず第一の基準、政権を担う責任感と経験があるかどうかということ、これが一番大事です。
皆さま、民主党の3年間の政権運営の姿、政策実現への取り組み、この失敗を見れば明らかではありませんか。政権運営の姿勢を見て、皆さまはがっかりしたと思います。
与党で、ああだこうだと議論をしながら、なかなか結論を出せない、決められない政治を繰り広げてきたのは民主党だったではありませんか。
大臣がコロコロ代わり、落ち着きのない政権にしてしまったのは民主党の方々だったではありませんか。突然、やると言い出して批判を浴びたらまた覆す、そういう思い付きの政治を繰り広げて失敗したのは民主党政権だったではありませんか。
経験がない、そして、きちんとした責任感を持たない。だから、政権運営に失敗続きだったということを厳しく問いかけていかなければなりません。
さらに、政策実現の取り組み、これもまた情けない姿でありました。民主党政権はマニフェストで「高速道路料金を無料にする」「子ども手当を実現する」「コンクリートから人へ」などを掲げましたが、ほとんど何も実現できず、総崩れ状態になってしまいました。
そして、普天間基地移設の問題で沖縄県民を裏切ったのを境目に、日米関係を損ない、隣の国とのあつれきを起こし、迷走に迷走を重ね、国益を損なったというのが民主党の外交政策の失敗の姿ではありませんか。
東日本大震災が起きました。そして原発の事故も起きました。しかし、その取り組みは「遅い、あまりにも鈍い、そしてやることなすこと心がない」、この震災復興への取り組みの遅れと、原発事故対応の混乱、これを招いてきたのが民主党政権の取り組みの甘さではありませんか。
さらに、経済に対しては打つ手が無策といえるほど、中身がありません。
だから、今の日本の経済は、これほどまでに落ち込んで、厳しい状況を迎えてしまいました。
さらには、財政運営の放漫さです。民主党は政権交代の時、何と言っていたでしょうか。「ムダを削って16.8兆円生み出します」と言っていました。しかし、削った実績は、わずか3兆円に過ぎませんでした。
それどころか、われわれ自公政権の時よりも、予算が8兆円も水膨れしてしまいました。次の年も、その次の年も水膨れが続いたままです。それは全部、国民の皆さまにツケを回す借金です。
でたらめな水膨れ予算をつくって、日本の財政を破壊したのは、民主党ではありませんか。
こうした政権運営の未熟さ、政策実現の大失敗から、政権を担う者には厳しい責任感と経験と実現力が必要なのだということを、まざまざと私たち国民は見せつけられたのです。
今、さまざまな政党が数多く誕生しました。
しかし、これからの日本を考えた時、経験もなく、ただ人気ばかりで、責任感も乏しければ、そういう淡い期待に、日本を委ねる時間的余裕はないと言わなければなりません。
今こそ、沈没寸前の日本を立て直すため、きちんとした責任感と経験と実現力を持つ公明党こそが、あすの日本を担う力だということを是非とも、お訴え申し上げたい。(大拍手)
命守る防災ニューディール、経済対策としての効果も期待
さて、政党選択の二点目であります。
「デフレを脱却します」「景気をよくします」と言うだけなら、誰でもできます。
大事なことは、具体的な経済対策をきちんと持っているかどうかということです。
公明党の経済対策の目玉は防災・減災ニューディールです。
私たちは、東日本大震災を経験しました。そして、首都直下地震、さらに南海トラフ地震も懸念されています。
これらを考えた時、日本全国で国民の命を守るにはどうすればよいか。そのためには、防災・減災対策が必要です。
橋や道路、鉄道といったハード面の整備も大切ですが、どうすれば災害被害を減らせるか、災害時にどう避難すればよいのか、災害から身を守る方法を子どもたちにどう教育するか、ご近所で防災・減災にどう取り組むかなどソフト面も含めた防災・減災対策を、命を守る視点から実行していかなくてなりません。
そして、この防災・減災対策は向こう10年間にわたっての経済対策の側面も持っています。これらを実行するために、公明党は、全国総点検をしっかりやって、どこから実行するかの優先順位を決めて確実に実行します。
そういう構想力と実現力を持っているのは、私たち公明党しかないと強く訴え申し上げます。
どうか各政党の政策の中身を聞き比べて、見比べていただきたいと思います。現実的に「これなら大丈夫だ」「よしやってくれ」と、こういう具体的な経済対策を持っているのは公明党しかありません。(大拍手)
3000人の議員ネットワークで政策を実現
政党選択の三つ目の基準ですが、ここも大事なところです。地域に深く根差して、国政を動かすことができるかどうかというところです。民主党政権は国会議員の数は多いのですが、地域に根差すような地に足の着いた力がない。いわば根無し草です。だから、あの東日本大震災の際に「遅い、鈍い、心がない」の対応を繰り返したのです。
現在の復興支援で具体的に実行されているのは、公明党が現場で被災者の声を聞き、この目で確かめ、五体で感じ取って提案した政策です。現場で国民の声を聞き届ける、そして国政につなげてこれを実現する。これは全国3000人の地方議員のネットワークを持つ公明党にしかできないことなのであります。(拍手)
こうした政党を選択するのが今回の選挙です。どうか皆さま、三つの物差しから、どの政党が日本再建の先頭に立って、沈没寸前の日本を救い出すことができるかを、よくよく見極めていただきたいと思います。
(投票まで)あと、1カ月という戦いですが、民主党政権の失政で政治空白が起こった、この3年間を皆さまの手で取り戻そうではありませんか!
どうか経済も外交も、さまざまな課題を責任感と経験を持って、そして全国のネットワークを生かして、この日本を立て直す力のある政権の軸となる公明党を皆さまの手で押し上げていただきたい! 勝たせていただきたい! 心からお願いを申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。