昨日は、日中は市内を回り、夕方からは青葉区に戻って各地域のお祭りへ。各地盛況。子供達も楽しそう。怪しい天気でしたが、雨に降られなくて良かったです。
お昼は中華料理店で定食。ウナギを食べて元気を出そうかと思いましたが、、、、。ウナギを巡る状況は大変深刻です。
先日のNHKの「時論公論」では、ウナギの問題を深く掘り下げていました。ご紹介します。
「稚魚であるシラスウナギがとれなくなり、国内産ウナギの価格は急上昇。
さらにアメリカがワシントン条約でウナギの国際取引の規制を検討していることが分かりました。規制が現実となれば、食卓への影響は大きなものがあります。
ウナギの資源はどういう状況で、今後日本は資源回復にどう取り組めば良いのか。
アメリカが検討しているのは、来年3月、タイで開かれるワシントン条約締約国会議に、アメリカウナギと、その他の全てのウナギについて、付属書Ⅱに提案することです。先月、自然保護団体や、漁業団体からの意見募集を締め切り、現在その検討に入っています。
仮にウナギがワシントン条約の付属書Ⅱとなれば、輸出国の許可書が求められ、取引は国際機関の監視下に置かれることになります。
もちろん取引が全面禁止となる付属書Ⅰに比べれば、規制は緩やかです。しかし資源状態が回復しなければ、付属書Ⅰに格上げされかねず、国際取引禁止の可能性が出てきたわけです。
この動きに衝撃を受けたのがウナギを取り扱う業者です。私たちが食べるウナギの多くが海外からの輸入に頼っているからです。
去年のウナギの供給量、5万6300トンのうち国内で生産されているのは半分以下の2万2300トンに過ぎません。残りの多くは中国と台湾からの輸入で支えられています。
ウナギの国際取引が規制されるとなれば、輸入ウナギも規制され、供給量は激減します。
価格も今以上に高騰し、滅多に食べられなくなるでしょう。
しかしなぜアメリカは、ウナギの規制を検討しているのでしょうか。実はワシントン条約での規制、初めてではありません。
そもそも私たちが一般的に食べるのは、ほとんどが稚魚である天然のシラスウナギに、エサを与えて大きくした養殖うなぎです。春先に海から川に上ろうとするウナギの稚魚を河口で待ち受け、それを半年掛けて育て上げます。
こうしたウナギの養殖技術は日本で開発された後、1960年代以降、台湾や中国に広がっていきました。育てたウナギの行き先は、日本です。それぞれがジャポニカ種のシラスウナギを捕獲し、養殖が盛んに行われました。
問題となり始めたのは、90年代後半のことです。
ジャポニカ種のシラスウナギだけでは足りず、中国はヨーロッパ種を輸入し始めたのです。一時は中国で養殖する70%がヨーロッパ産のシラスウナギだったとする指摘もあります。
危機感を強めたEUは、2007年、ヨーロッパウナギをワシントン条約の付属書Ⅱとし、規制する一方で、今年4月からは全面的な輸出禁止に踏み切りました。
そして中国がヨーロッパ産の代替品として注目したのが、アメリカ産のウナギです。
世界的な環境保全団体、トラフィックは今年3月、ヨーロッパ産シラスウナギの減少を埋めるように、アジアへ輸出される、アメリカウナギが増えている事を示す、資料を発表しました。
もともと資源量が減っていたアメリカウナギですから、アジアへの輸出が増えることになれば資源減少に拍車がかかりかねません。しかもウナギの稚魚は、どの種のウナギか、見た目では見分けが付きません。
そこでアメリカはアメリカ種の規制を強める一方、規制に実効性を持たせるために、全てのウナギの取引の規制を検討しているものと思われます。
今年日本には、国内でのウナギの資源減少を埋めるように、世界各地のうなぎが輸入されています。
特にアフリカ産はまだ稚魚が豊富で、現在高騰が続いている日本のウナギの6割ほどの価格で流通が可能だとして、国内での取り扱いも増えそうです。
美味しい食材をしかも世界各地から、安く調達する。いまや世界のウナギの70%が日本で消費されていると言います。
しかし一方で、資源が少ない水産資源を、世界中から集めてくる行為が、批判的な目で見られていることも確かです。
こうしたことが続けば、海洋資源を規制する動きはますます強くなっていくでしょう。
では私たちはこの問題とどう向き合えば良いのでしょうか。
早急に取り組むべきは国内での、ウナギ資源の保護です。
これは国内でのシラスウナギの漁獲量を示したものです。かつて年間232トンとれたシラスウナギは2010年には6トンにまで落ち込みました。
なぜこれほどまで資源が減少したのか。原因は三つ考えられています。
まずは乱獲です。
かつては高級品だったウナギも、養殖技術が開発され、台湾や中国でも養殖が行われるようになると、価格は急速に安くなりました。
専門店だけでなくスーパーなどでも売られ、生産は急拡大したと言います。
需要をまかなうために行われたのが、シラスウナギの争奪戦です。日本だけでなく、台湾や中国でも競って、シラスウナギが捕獲されるようになりました。
稚魚だけではありません。天然のうなぎは高級品ですから、卵を産む親うなぎも漁業の重要な対象魚とされ、捕獲されてきました。
二つ目は生息環境の変化です。
ウナギが遡上する川は、ダムや河口堰が作られ、遡上そのものが難しくなりました。また川岸もコンクリートで固められ、ウナギのエサとなる川エビや小魚も少なくなったと言います。
さらに国の対策も遅れてきました。
そもそもウナギの生態が分からず、どこで産卵し、どういう行動をとるのか、分かってきたのは最近のことです。
しかも海と違って、川の漁業は都道府県の管轄です。国は資源管理を都道府県に任せ、めぼしい対策は何もとってきませんでした。
国が緊急対策を打ち出したのは、つい先月のことです。
国内での対策を先延ばしにし、その代わり輸入を増やすのでは、海外の理解を得られません。
早急に緊急対策を実行に移すことが必要ではないでしょうか。
では国の緊急対策はどういうものでしょうか。
まずは国内の資源管理です。シラスウナギや親うなぎの漁を制限するとともに、ウナギの放流を進めるとしています。
またジャポニカ種のシラスウナギは日本だけでなく、台湾や中国などでも捕獲しています。このため、こうした国や地域と資源管理の協力体制を進める。
さらにシラスウナギの大量生産のための研究を進めるとしています。
日本ではすでにシラスウナギの人工ふ化や、生育には成功していますが、まだ実験段階で実用には至っていません。
シラスウナギを安く安定的に供給できるような大量生産技術を確立するとしています。
一旦減少した資源を増やすのは容易ではありません。長い時間が必要です。しかもウナギの生態にはまだまだ謎が多いとされています。
しかし海外から厳しい目を向けられていることを考えると、こうしたことに一つ一つ取り組んで、資源回復に取り組む姿勢を示さないと行けません。
美味しいものを安く食べたい。私たち消費者の願いでもあります。しかし資源が少なくなったのであれば少し我慢をして、資源回復に協力する。それがウナギを末永く楽しむために、私たちに必要な事かもしれません。」
世界に「豊かな生活」が広がることは喜ばしいことですが、ウナギに限らず、これまでも、これから先も、石油や食料等々の資源が不足する事態は容易に想像できます。この指摘のように「資源回復に取り組む姿勢」が世界中に求められていると思います。問題は誰がやるのか?万般に通じることですが、自らが率先垂範するリーダー、、「心の豊かさ」を求めるリダーが求められているのではないかと思います。