台風15号 早めの避難勧告の課題と新たな基準策定について 1675
昨朝は市ヶ尾駅前での街頭演説の後、市役所へ向かい決算委員会の質問準備。私は10月12日、14日に質疑に立つ予定です。
横浜にも被害をもたらした台風15号。青葉区も例外ではありませんでした。寺家町や元石川町では土砂災害。一部のバス道路が通行不可能となり、土木事務所が全力で整備。翌朝の運行に支障が出ないようにされました。その他、家屋への被害、人身への被害など青葉区も無傷ではありませんでした。できる限りの準備が必要です。
一方、今回の台風被害の中に帰宅困難者問題があったことを見逃すわけにはいきません。お勤め帰りの方々など、多くの方が帰宅困難に。3.11を思い出させる光景でした。こうした事態にならないために横浜市をはじめ、各自治体が会社や学校での「留め置き」基準を設定し各事業者や学校と連携してきました。しかし、その基準は震災を想定したものであり、「震度5弱」で留め置くというもの。それ以外の自然災害には対応した基準ではありません。よって会社からも学校からも帰宅することとなり、困難者が発生してしまったわけです。
横浜からは東京や県内の学校など片道1時間、2時間をかけて通学する児童生徒が少なくありません。その反対もあります。15号が通過した当日、台風直撃する前の午前中は授業を行い、午後は休校という学校がいくつもありました。しかし午後には暴風雨。休校となった学校には生徒を留め置く基準はなく、児童生徒はそのまま駅を向かい、交通機関がすでに止まっていれば学校に戻り留め置くという選択肢もありましたが、一度乗った交通機関が止まってしまっては、学校にも自宅にも帰ることができず帰宅困難となったケースが多発しました。
直撃するとわかっていたその日に通常の態勢でいることがよかったのかどうか。午後から直撃することが明白な状況で1時間、2時間をかけて通学していく児童生徒を午後に帰宅させる判断が適当であったのかどうか。いずれにしましても現状では各校の自主的な判断に委ねられているわけですが、行政として震災時の「震度5弱で留め置く」としているような自然災害に対する判断基準を追加で設定し、周辺自治体との連携の下、各事業主や学校などと連携すべきではないかと考えます。
ところで、神奈川新聞によりますと、台風15号が最接近した21日、小田原市は酒匂川、山王川、狩川の水位上昇を受けて人口の約半数にあたる10万3940人に避難勧告を発令。世帯数では1年前の台風9号に比べて4倍超という異例の対応。ただ、実際に住宅浸水はなく、避難した住民は320人にとどまったとのこと。避難勧告が早すぎたのではないか?同市でこうした声が上がっている状況について検証していました。
同市の場合、避難勧告の発令は、県からの氾濫注意水位情報と気象庁の雨量データを基に経験則などから決定。今回の発令基準も変更していないとのこと。
21日は午後5時50分に3河川の流域11地区に避難勧告を発令。対象は4万3509世帯、10万3940人。午後8時50分の解除までに計320人が避難。
昨年9月の台風9号では午後5時すぎ、酒匂川の水位が上昇して両岸の2地区の約1万世帯に避難勧告を発令、計260人が避難。
列島を縦断した今回の台風では、早めの避難を呼び掛けた自治体が目立ったとのこと。
例えば、名古屋市が20日から21日にかけて人口の約半数の約110万人に避難勧告・指示を発令。対応が遅れた2000年の「東海豪雨」の苦い経験を生かしたものだったが、避難率は低迷。
「空振りを恐れるな」は危機管理の原則。一概に「過剰な対応だった」と批判するのは難しいだろうとしています。あらゆる想定が必要であり、その通りだと思います。
一歩踏み込んだ動きがあれば批判も想定されます。しかし、市民の安全安心を守るためには強力なリーダーシップが必要です。