安全・安心の横浜へ 「何を言ったかでなく、何をやったか!」

公明党 横浜市会議員(青葉区) 行田朝仁 (ぎょうた ともひと)

ミートホープと社保庁問題について

未分類 / 2007年6月30日

「豚肉だけでは見た目が悪いので牛の心臓を混ぜみた。知恵を出せ。」「水がもったいない。冷凍の肉は雨水で解凍」ミートホープの長年にわたる消費者への背任行為が明らかになってきました。製品の出荷先と取引量の数値を見ると、まず自分も口にしていたのだろうな、と容易に想像できます。あきれてものも言えません。人の信用を食い物にする輩を断じて許してはなりません。社会の信頼を揺るがす問題に対し、徹底して社会的責任を追求する仕組みが必要と強く感じています。

しかし、なぜこの問題が明るみに出たのか?あの社長が自ら申告したわけではありません。何十年も事実を黙認し、隠し続けた会社関係者が、何らかのキッカケで暴露したということです。なぜ暴露するのか?やまれぬ正義感からか?何か言いたくなったからなのか?まず後者ではないかと容易に想像できます。暴露者自身と会社との関係。何がしらか、「自分が負を被るのなら会社も道連れだ」と言うことではないでしょうか。

この構図、社会保険庁の問題と同じように見えます。「このままでは社会保険庁が与党に潰される。どうせ潰されるなら与党と自爆だ」との発案者が自分たちが働いてきた悪事を「小出し」に暴露する。それも自分たちを守ってくれると言っている者達に情報提供する。社会保険庁のなかでどのような問題があり、どのような悪事が行われてきたのかそれを知るのはやった本人たちにしかわかりません。

ミートホープと社会保険庁。どちらの問題も本質は大人としての「責任感」の欠如であることに違いありません。

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年金問題について(4)

未分類 / 2007年6月24日

現在、私にとりましては初めての定例会(議会)開催中です。新しいことばかりで戸惑いもありますが、明日から始まる常任員会(文教)、特別委員会(環境総合対策)にも全力で取り組んで参ります。後日質問答弁についてご報告致します。

しかし、年金問題。連日雪崩を打って隠蔽されてきた情報が紙面に踊っています。以前、書きました通り想定内の出来事です。誰が何のために情報を流すのか?なぜ今なのか?民間の企業では組織、個人の業務上のミスに対し解雇を含めて責任を問うことができますが、公務員にはそれができません。社会保険庁を解体し、非公務員化する与党案。社会保険庁を国税庁と統合して公務員としての立場を温存する民主党案。国民の不安をよそに、興味を引き部数を伸ばすために不安を煽る一部マスコミ。投票日が伸びた参議院選挙投票日まであと1ヶ月余り。ことの本質を見極めていただく時間はまだあります。ここにきて一部には「実は無傷で公務員でいたい社会保険庁労組と政権とるためならなんでもする民主党の策謀ではないか」と取りざたされてきました。

今日の午後、新吉田町のあるマンションでお話を伺いました。「年金は何とかなるのはわかってるよ。ちゃんと新聞読んでいればわかります。そんなことより何とかして欲しいのは、私たち老人二人暮らしのうち、一人がいなくなったときの周りとのかかわりですよ。」 安心を求める多くの人々。やらねばならないことは山ほどあるのに現実はそっちのけ。今回の年金問題のように生活の基盤に関わることを、決して政争の具にしてはならないと改めて感じた次第です。

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イメージ戦略について

未分類 / 2007年6月14日

NOVAが一部業務停止命令を受けました。なんと20もの法令違反が重なっていたとか。様々な意味で被害にあった方々の傷が深くならないように願うばかりです。NOVAといえば広告費に相当金をかけている、というのが私の印象でした。最近はどこの語学学校も似たような路線なのかもしれませんが、私が大学生の当時から魅力的なCMを流していましたし、先日までは「NOVA友」などと宣伝してました。確かに日本人は他国民と比較してイメージやブランドに大変弱いと思います。しかし、いかなる場合も実体と異なるイメージ戦略は信頼を裏切る詐欺行為そのものです。

コムスン。これもイメージが先行していました。どちらも共通しているのは莫大な宣伝広告費を投入しイメージを作る点です。しかし、実態は法律違反。信用してきた顧客への裏切りになっています。イメージ作りに一生懸命というのは危険を感じます。

政治も同じだと思います。実態は?具体的に何をしてきたのか?何をしようとしているのか?どこへ向かおうとしているのか?

日本のメディア、マスコミ報道が世界から見て、特に他の先進国から見て恥ずかしくないレベルまで「客観性」を引き上げるとともに、国民のために、日本の将来のために、単なるイメージではなく、本質で選択できる環境を整える必要があると強く感じています。

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年金問題について(3) 〜自爆テロ〜

未分類 / 2007年6月11日

2004年の年金制度改革に合わせ「年金はもらえなくなる」「年金制度崩壊」等々国民の不安を煽る報道が続きました。当時中国に駐在していた私は、一時帰国の度に電車の中吊りから悲壮感に覆われた日本社会の息遣いを感じていました。中国や東南アジアの友から「なぜ日本人は自信を持たないのか?」とよくきかれたものです。

それが今はどうか?年金記録問題で大騒ぎしているが、「年金がなくなる」「制度崩壊」といった話は少しも出て来ません。当時罵倒された「100年安心プラン」は、今では揺るぎない年金制度の柱となっています。対案を出せない野党は制度については既に何も言い返せない状況です。散々煽っておいて、実は問題なかったということです。この責任は一体だれが取るのか?不安を煽られた者は、その責任を追求すべきではないのか?政治はその方法をキッチリと作り上げる必要があるのではないか?国を陥れる売文屋と政治屋を断じて許してはなりません。

なぜ今5000万件だ1400万件だと年金記録問題が出てきたのか?97年年金手帳統合当時3億件の未統合記録が10年かかってようやくこの数字になった。あくまで処理の途上にこの問題が浮上してきた。入力ミスは許されるものではないし、徹底して解消・解決していかねばならない。同時に今回、社会保険庁の体質問題も見えてきた。

基礎年金番号化に際しての労使合意。45分働いたら15分休憩する。昼休みの電話応対はしない。お客様対応電話は1拠点に2台しか置かない。作業ノルマは課さない。人員削減しない等々民間では考えられない労使の契約を社会保険庁は労組(自治労)としてきました。こうした甘えた体質が随意契約によるお中元強要事件や納付率UPのためのデータ改ざん(300拠点中270拠点で発覚)等にも現れています。この社会保険庁問題に大きくかかわっているのが社会保険庁の労働組合=自治労国費評議会であり、これが民主党の最大支持母体。

与党はダメな社会保険庁を解体(非公務員化)すると決めました。その途端に今回の年金記録問題がクローズアップされた。誰によってか?民主党の国会議員です。なぜ民主党の国会議員に情報が入るのか?当然ながら非公務員化反対の自治労と関係が深いからです。では民主党の社会保険庁改革案はどうなっているか?国税庁と統合して「歳入庁」をつくる。要するに看板は変わっても社会保険庁を存続させるということです。このようなデータはこれからも出てくる事でしょう。なぜなら悪事を隠していた人にしか悪事の全容はわからない。隠した人は知っている。だから出せる。仕事をサボっ人には、自分がどれだけサボったかわかる、ということ。

今回の問題、一言でいいますと社会保険庁なかんずく自治労国費評議会の「自爆テロ」です。それにのった民主党が強行採決を茶番劇のように演出し、それをきっかけに国民に不安を煽り、ワイドショー化しているということです。そのようなことよりサミットで議論された環境問題にどう対処するかの方が、世界の中の日本、国家国民にとってはるかに大きな問題です。

なぜ今なのか?7月下旬の参議院選挙のためです。3年前の選挙で民主党は高速道路無料化を訴えましたが、どこへいったのでしょう?前回の国政選挙で消費税5%→8%にして基礎年金の全額税方式を訴えましたが、今回は5%据え置きで何とかするとの事。(実は全額税方式での試算をすると消費税17%だったとのこと) 今回の問題で「年金通帳」なるものをつくり、個人の年金加入経歴を管理するといっているが、既に導入されている「年金定期便」と中身は同じ。言葉の遊びといえば、「子供手当」創設。既に児童手当があり、その拡充に全て反対してきた民主党。2000年以降4回の法改正ではあの共産党も全て賛成してきた法案に対し、民主党は全て反対してきた。対象者と金額を上げるとのことだが、いつも通り財源は不明。

本当にきりがありませんが、民主党結党7年で50人を超える議員・秘書等の逮捕者を出している事自体が、民主党の体質を物語っています。婦女暴行、チカン、覚せい剤保持等々破廉恥なものばかり。学歴詐称、秘書給与ピンハネなどの不祥事も90件を超えている。これだけ問題が続発するというのは個人の問題を超えて、組織の体質としかいいようがありません。何を目的に政治にかかわっているのか? やはり「権力欲」だけなのではないか?

今回の選挙、「責任vs無責任」の闘いと捉えています。

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水の節約について

未分類 / 2007年6月6日

九州、関西方面の降雨量が現時点で例年の半分程度だそうです。市民生活への影響が今から心配されます。

「もったいない」との日本語を世界に広めたノーベル平和賞受賞者でケニア人女性のワンガリ・マータイさん。その言葉は日本から発信された世界用語と評価されました。(その一翼を担って日本で「もったいない」(マガジンハウス社)を執筆・出版し話題となったのが県庁公明党控え室で私の隣に座る小野寺県議です)

マータイさんが日本に来て驚いたことのひとつ。それは水洗トイレの流し部に「大と小」があるということだそうです。私の経験でも確かに外国では見かけませんでした。節約の精神は日本文化から学ぶことが少なくないようです。  

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年金問題について(2)

未分類 / 2007年6月5日

連日の報道。電車の中刷り。何を目的としているのか?どういう結論なら良しとするのか?今朝、県庁へ向かう電車の中で見た中刷り広告。その雑誌が県庁にあったのでその見出しと中身を見比べてみた。センセーショナルな見出しに比べて中身のないこと極まりない。(国の未来や安定を考えることはなく、与野党逆転のお祭り騒ぎをしたいということか?国民のために必要ならそれでいい。しかし、自国を陥れるために事実を捻じ曲げ世論を操作する。「混乱ありき」「火のないところに煙を立てる」一部の連中に言論の自由を叫ぶ資格があるのだろうか?)何かかがおかしい。

何のための年金改革法案なのか?今回「強行採決」とされている2法案は「年金時効特例法案」(議員立法)と「社会保険庁改革関連法案」。

 

前者は過去の保険料納付記録が確認されてもさかのぼって5年間分しか支給されなかったものに対し、時効を撤廃してすべて受けられるようにするというもの。もらい損ねて亡くなった年金受給者の遺族も対象にしている。これは早く通すべき重要な法案ではないか?

後者は問題だらけの社会保険庁を解体。新組織の非公務員化で社保庁の体質一掃を目的としている。民主党の対案は「歳入庁」設置。これは社保庁と国税庁を統合するというもので支持団体の「公務員温存」の基本路線そのまま。年金徴収力が上がり、利便性も上がるそうだが、年金保険料は口座振替などでの納付が98%という状況を見ると信じがたい。原案は6つに解体。非公務員化することでいいのではないか?

採決を阻止したとして、世論に見向きもされない、現実味のない政策を掲げる民主党にこれ以上の結果を生み出すことができるのだろうか?「国民のため」との言葉のもとに何をしようとしているのだろうか?やはり政治を目的としているというより、政権の座がほしいだけではないかと思ってしまう。政権とるまで時間がかかるから、それまで頑張るので待っててください、という事なのだろうか。

 

これらの法案を通さない!と言っている方々は約5千万件の未統合問題をどうやって解決するのか?という「方法論」で反対している。方法が気に食わないから、全て反対ということ。それで納得のいく方もいるのでしょうが、多数でないでしょう。やはり現実的に前進することが大事。首相は「1年間で解決」と言ってるが、私、個人的には古い年金番号を持っている人が自己申告しなければデータが残る事はありうるのではないでしょうか。結局この問題は行政側と収めた個人が現実に歩み寄り、確認しあうしか解決しようがないように思います。しかし、この問題。97年基礎年金手帳を作ったときに対象となるすべての国民に「こうなりますよ。申告してくださいよ。」と連絡しているわけです。行かない人の分は統合されないこともあるが、できるだけ社保庁がまとめていった経緯もあり、97年当時、3億件あった未統合件数が現在5千万件。10年経っても5千万件残っていると言うのか、何とかここまで来ていると見るのか。ちなみにこの未統合件数を減らしていく手段を含めた基礎年金手帳制度の設計・法制化を進めたのは菅直人厚生労働大臣(当時)で、それを施行したのが小泉純一郎構成労働大臣(当時)です。

この課題を政争の具にする必要があるのか?国民にとっては「とにかく早く安心させてほしい」ということではないかと思います。

 

政党は政治家は何を目的に判断し行動しているのか?政治を見るときこの一点をわすれてはならないと思います。

 

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年金問題について

未分類 / 2007年6月2日

最近バタバタしてまして、中々ブログが打てません。今日はかなり長くなりそうなので御容赦ください。

ところで、今日は昼頃に子供の運動会を見てきました。大変いい天気に恵まれ、子供たちが元気一杯に楽しんでいる様子を嬉しく感じるとともに、運営に携わっておられる先生、保護者の方々のご苦労に感謝した次第です。

年金は何のためにあるのか?根本は未来のためです。様々な視点がありますが、ひとつには、全ての日本人が夫々の生きた過程とその努力に応じて、未来の生活を安心できるものにするためにあると言えるのではないでしょうか。

その運用に誤りがあった。その主体に不正があった。これは断じて許してはならず早急に手を打たねばなりません。

何のための強行採決なのか?自らの意思(言い方)が通らないから止めに入る。選挙目当てのパフォーマンスに走る。

早く手を打たないと「時効撤廃」できず困る人が増え続ける。また早く手を打たないと「社会保険庁解体・非公務員化による改革が進まない」だから今前進しなくてはならない。

世論の多数を形成しないと意見は通りにくいのは間違いありません。しかし、自分の意見(選挙民との約束)を少しでも前進させる事ができるなら、現状打開のために迅速に行動すべきです。

反対する人は「議論が煮詰まってない」とのこと。進む方向は同じですが、方法が違う。民主の考えは「公務員温存」。社会保険庁の職員を国税庁で雇うというもの。日本の未来のためでなく、支持団体である公務員組合のための考え方。でもこれは殆ど表に出てこないし、見向きもされてない。マスコミも何もいいと思ってないから。これは年金財源の話も同じです。基礎年金部分を消費税3%アップでまかなうとした以前の考え方は引込めて、この参議院選挙のために「財源は何とかするから消費税は上げない」とした。これも見向きもされていないから、取り上げられない。

結局のところ、与党案に賛成とはいわないが、それしかないだろう、というのが世論調査にでてくる結果です。では賛成ではない人々が法案の内容を理解して判断しているかといえば、そうではない。ワイドショーでみる政治コーナーが表現するとろこを「政治」として捉えられる昨今。政策論でなく、普段見ているテレビ、週刊誌により「感情先行」のまま政治・世論が形成される。

負の側面を強調したい「マスコミ姿勢」は理解できますが、良い評価してもいい側面があるのではないか。しかし、そこはだんまりを決め込む。

こういうものに大変危険を感じます。マスコミ等にも意思があるからです。本来、客観報道こそが役目であるはずなのに、自らの意見を通すために番組をつくる。ウソも本当もわからなくなっているのが今の日本ではないかと思います。「あるある大辞典」問題程度では本当の問題の核心に触れる事は難しいのかもしれません。

海外から日本を見てますと色々なものが見えてきます。その一つに「国を信じる」国民性という観点では日本人は本当に強い。だからウソをつかれたとわかったとき、また感じたときの「裏切られた」との感覚はどこよりも強いと思います。

今日本の政治に必要なことは「信頼」を取り戻す事であり、同時にまともなことをしても常に「不信」を煽る変な部類に入るマスコミをどうするか、両面で真剣に考えなくてはなりません。このままでは国民感情は正視眼での評価をしないまま、どんどん悪くなっていく一方です。日本がダメになっていく。拝金主義に覆われた社会の中で不安を煽って儲かるのは、不安を煽ることで情報が売れる輩。

日本を変える、というのは「政治」へのプレスだけでなく、多方面にわたって手を入れていかねばならないと強く感じています。そこで今回の年金問題。「年金記録漏れが5000万件ある」などの報道によって、「本来、もらうべき年金が減らされているのではないか」といった不安の声が聞かれています。できるだけわかりやすく説明したいと思います。

社会保険庁が管理する年金記録のうち、約5000万件の対象者が分からなくなっていると言われています。これはどういうことか。

「年金記録漏れ5000万件」と報道され、数字を見て、けたが大きいだけに不安を感じている方もいると思います。

年金の納付記録は、1997(平成9)年から、年金の加入者ごとに一つずつ「基礎年金番号」が割り振られ、転職や転居しても記録漏れが起きない仕組みになりました。

それ以前の年金制度では、制度が複数に分かれていた上、転職や結婚で姓が変わった時に新しい年金手帳がつくられるなど、加入者は複数の年金番号を持っていました。なかには、1人で10件を超える年金番号を持つケースもありました。基礎年金番号導入時、旧来の年金番号は、本人が申請しないかぎり基礎年金番号に統合されないため、社保庁が旧来の年金番号のまま管理し、その記録が約5000万件残っているということです。

この5000万件のうち、約2880万件(30万件の生年月日を特定できない方を含む)は既に年金受給世代になっている方で、残り約2000万件が年金受給年齢に達していない方々の記録です。

この約2000万件の未統合は、事務処理上、60歳の年金裁定(年金の受給権の確定)時には記録が統合されることになるため、大部分の方は「年金受給年齢になった時に基礎年金番号に統合すればよい」と考え、統合の手続きをしていない方々だと思われます。毎年100万人を超える方が順次、年金裁定を行っていますので、その過程で統合が進むとみられています。

問題となるのは、約2880万件に上る既に年金を受けている世代の方々の未統合の記録です。この中には、死亡した人の記録、年金を受ける資格を満たさない年金記録も多数含まれているのは事実です。しかし、統合されていないことによって受給している年金額が少なくなっているのではないかとか、受給権発生のボーダーライン上の人たちに受給資格が発生するかもしれないのではないかということが指摘されているわけです。

では、これまで年金記録漏れを防ぐため、どんな取り組みが行われてきたのか。

年金制度において記録管理は極めて重要な課題なわけですが、わが国の年金制度は1942(昭和17)年、民間被用者を対象に厚生年金保険制度が誕生し、61(昭和36)年に自営業者などを対象に国民年金制度が発足。85(昭和60)年の改正では全国民共通の基礎年金が導入されました。

年金制度の加入者記録は、それぞれの制度発足以来、国民年金や厚生年金、共済組合などの制度ごとに管理されてきたため、97年の基礎年金番号の導入前は裁定の際に各年金の記録を統合するのに非常に時間がかかっていたのが実態です。

そこで、基礎年金番号を導入し、年金記録を一元的に管理する仕組みをスタートさせたのです。

基礎年金番号を導入した際に、1億人を超える方々に直接、基礎年金番号を通知するとともに同時に他の制度の加入歴や、他の年金手帳を持っていないかを照会しましたが、回答があった方は900万件にとどまりました。また社保庁自身も自らの記録を調査し、氏名、性別、生年月日が一致するので同一の記録と思われる900万件について改めて照会し、合わせて1800万件の照会がなされ、1150万件について統合が順次進められてきました。

現在、多くの未統合の記録が残ってしまいましたが、基礎年金番号導入時より国が、年金記録の統合への国民の意識を高める施策や、年金記録の調査をより強力に進めるべきではなかったかと思います。

基礎年金番号導入直前まで、民主党の菅直人代表代行が厚生相を務めていましたが、当時の発言を見ても年金の未加入対策を進めることに一生懸命で、複数の加入履歴の統合を進める姿勢が弱かったのではないかと思います。年金番号の統合にもっと指導力を発揮していればと残念に思います。これについては公明党の山本保参議院議員が平成8年の参議院本会議で菅直人厚生相(当時)に「多くの国民は大丈夫か、と心配しておられます」と指摘。それに対して「徹底した対策を講じ、万全を期して参りたい」と答弁しています。この責任は誰が取るのかと言いたいです。

また今までに社会保険庁の数多くの不祥事が生じましたが、国民の年金記録の取り扱いや窓口での被保険者の相談への対応などについても、同様のさまざまな問題が指摘されています。ガバナンス(統治)が十分働いていない組織運営であったことがこうした問題の一因であると思います。そのためにも今回の新たな組織へと改革することが必要になっています。 

世の中を騒がしている受給を受けている世代2880万件の未統合への対応。早急な対応た必要です。

これには与党が強く要請し、政府はこの約2880万件の社保庁に残っている年金記録と、既に年金を受給されている約3000万人の記録を再調査し、氏名や生年月日、住所などのデータを改めて整理した上で、同一人物の可能性のある方に対し、「記録漏れの可能性がある」という趣旨の通知を行い、社会保険事務所などで確認していただくよう作業を進めます。

また、保険料を納付したにもかかわらず、社保庁に記録がなく、納付した証明書類がない場合についても、杓子定規に「すべてだめ」ではなく、親切に話を聞き、調査し、証明できるさまざまなものを探すことに努力することにしています。

領収書や銀行の振り込み記録など何らかの証拠によって、保険料の納付の事実が確認されれば、速やかに記録を訂正し、適切に対応することになっています。

このほか公明党の推進によって、年金記録の統合やミス発見にも役立つ「ねんきん定期便」が2008年4月からスタートします。国民年金と厚生年金のすべての被保険者を対象に、保険料の納付実績や年金額の見込みなど、年金に関する個人情報を分かりやすく提供します。この定期便は、07年3月からは35歳になった人に、07年12月からは45歳になった人に対して、前倒しして加入期間の履歴を通知。07年12月から、55歳以上の人には保険料納付実績や年金額の見込みを先行してお知らせすることにしており、早い段階から年金の納付記録について注意喚起していくことは極めて重要な取り組みです。

このほか、年金受給世代であっても受給権がない方にも統合漏れの記録が存在する可能性も否定できないため、市町村に対し、介護保険料納付通知書の送付の際に未統合記録への注意喚起と照会を進めていただくよう呼び掛けてもらうことになっています。

既に年金を受給されている方で、新たな年金記録が確認された場合には年金額が増額されることになります。しかし、この増額分については、5年より前の期間分は、会計法上の規定により時効となって消滅するため、支給されないことになっています。

本来、納めた保険料に見合った年金給付を受けることができるよう取り扱うことは当然ですが、時効に関しては、国の債権債務にかかわる法律関係の安定性を確保するための共通ルールとして会計法において定められているものです。

民主党は個別のケースを社会保険事務所で対応すればよいと言っていますが、ケースごとに具体的な事情や責任の所在がさまざまであり、本人と社保庁との間のやり取りがこれまでも必ずしもきちんと記録されていなかったことを踏まえると、何らかの公平な基準を設けないで、運用で対処することは非現実的な話だと思います。

保険料をきちんと納めた方が、それに見合った年金給付が確実に行われという国民の信頼にこたえるため、公明党は与党として、時効のために年金の増額が受けられない方を包括的に救済するため、新たに議員立法で時効を撤廃する会計法の特例措置を設け、時効で消滅した部分の回復措置を講じていくことにしています。これを早急に実施しようとしてことに対し「強行採決」という形式に持ち込んだのが野党であり、民主党なわけです。

なぜ「強行採決なのか?」について客観的且つ国民判断可能な報道をして頂きたいものだと強く感じます。

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