バックナンバー: 2008年 11月 26日

 平成20年11月25〜26日、区議会本会議が開催。

 公明党の代表質問は、(1)中小企業支援策、(2)定額給付金を区内消費にどう結びつけるか、(3)「江戸しぐさ」をはじめとした江戸文化の復興と普及、(4)姉妹都市の拡充、(5)さらなる文化・芸術振興、(6)内部障がい者への理解と支援、(7)新中川「健康の道」のさらなる整備促進、等々。

 また、翌26日の一般質問からは、(1)安心の周産期医療の確保、(2)公共施設における授乳コーナー等の拡充、(3)認知症高齢者の生活支援、(4)環七シャトルセブンの本格運行への取り組み、(5)区民施設での住民サービスに応えた業務サービスの充実、等々。中でも特に、認知症高齢者への生活支援についての内容を紹介します。

(3)認知症高齢者の生活支援について

問、(1)認知症支援のあり方、及び普及啓発の促進について、(2)認知症の方、及び家族が相談しやすい環境の整備について、(3)地域包括支援センターの増設を図るべき、等々の提案。

答、認知症に対する様々な支援をするためには、社会一般が認知症を理解していないといけない。そのためには普及、啓発が重要であり、それにより地域の理解者、協力者、実践者を増やしていく必要がある。相談の場となる地域包括支援センターは必要であり、今後対象者も増えていくので充実させていく。その先、誰がケアするかについては、介護事業者の連携が強化されており、この3つの条件を整えながら対応していく。

 尚、質問の詳細は下記に。

「次に、認知症高齢者の方の生活支援についてお尋ねします。

 先日、重度認知症の独居老人の方について、その生活を心配する地域の方の声が寄せられました。その独居老人の方は、訪問介護サービスを受けています。しかし、誰が来たのか来てないのかも分からず、また、財布の置き場所を忘れてヘルパーさんを犯人扱いするなど、介護事業者もたいへん困惑しています。このため、ヘルパーさんは行きたくても行けない状況になり、しばらくの間、全く介護のない不安定な生活が続いたそうです。
 地域の方は、その老人と長い付き合いがあり、ほぼ唯一の信頼関係を保っていた方でした。ご飯を作って届けたり、ご近所にも声掛けするなど出来る限りの生活支援をされてきたそうですが、それも限界です。行政にも相談されました。その後、区外の施設に入所が決まったとの事です。しかしながら、これで解決と言えるでしょうか。
 一方、認知症高齢者の方のケアをされる区内のある小規模多機能型居宅介護施設では、スッタフが利用者一人ひとりの気持ちに向き合い寄り添い、そして本人の思いや希望を受け止めて、持てる能力を最大限に発揮できるようにと努力をされていました。
 私は、人が認知症になっても、人としての誇りと尊厳が大切に守られ、生まれ育った地域でそのまま暮らせる社会の実現、ノーマライゼーションの精神が重要だと思います。
 本区では、目配りや見守りなど、地域で支える取組みを促進してきました。特に、地域包括支援センターなどを中核にして、民生・児童委員やふれあい相談員、生活サポーターの方々をはじめ、協力団体の新聞販売組合やヤクルト販売、くすのきクラブ連合会等々の支援など、幅広い応援ネットワークが、その住民力を大いに発揮してきたことは高く評価されるものです。
 ところで、11月12日に開催され、7回目を数える「江戸川区介護保険シンポジウム」では、講師の日本社会事業大学学長の大橋謙策氏から、「地域連携」「地域福祉」「地域における『新たな支え合い』と市町村の役割」などについて、有意義な御提言を頂きました。明年から第4期介護保険事業計画が始まる上で、是非とも反映すべきと考えます。
 この中で大橋講師は、ケアのあり方について「息をさせる」ことをケアするのと、「生きる」ことをケアするのとでは全く意味が違う。つまり、支援を必要とする人自らの内にある生きる力が引き出されるようなエンパワメントとしての「新しい支援」。これが要介護者の方の「生きる」力を引き出す新たな支え合いの考え方と言われます。これは、家族や事業者はもとより、地域や行政全てに対するメッセージだと受け止めるべきではないでしょうか。
 更に、イギリスの臨床心理学者トム・キッドウッドが提唱した「パーソンセンタードケア」(パーソンフッド=その人らしさ)では、新たな認知症介護の指針を示しています。例えば、先の重度認知症の独居老人が施設介護に入っても、今までと同じように、ごく普通の暮らし方を基本として、他の利用者との交流の中で自分の居場所を作り、更に地域を感じる活動もできるような支え合いを目指すべきだと提唱しています。介護者の都合ではなく、本人中心の考えで生活を支える。認知症になると何も出来ないと思われがちですが、周囲の理解と支えで、徘徊などの行動も減ってきていると言われます。
 本年10月1日現在、本区の高齢化率は16.9%で、この半年だけで0.2%増え、114,251人。世界の中でも、益々高齢化が進む日本において、認知症患者の割合が増えると、施設など介護事業だけではとても対応できません。地域住民全体の確かな理解とケアにより、認知症の方が早い段階で率直に「助けて!」と口に出来るような社会を実現することが大切と考えます。その為に、以下の3点について更なる取組を求めます。
 1、生きる力を引き出す新しい認知症支援のあり方を、更に普及・促進する。
 2、認知症の方や家族の方が、もっと相談しやすい環境の整備を図る。
 3、その為にこそ、中核となる地域包括支援センター(13カ所)の倍増を図る。
 以上、区長の御所見をお聞かせ下さい。」