先日アップした(その1)の続きです。
次の項目として、以下の4点について質問しました。
2 江別市に若者を呼び込む施策について
(1)市のホームページに市内企業の求人情報を掲載することについて
(2)地域で働きたい若者に情報提供等を行う組織を立ち上げることについて
(3)高校生就職支援事業の拡大について
(4)奨学金の返済を支援する基金の設置について
この4点は、「市政を質す」というよりも「提案」させていただいた質問です。当初、これから改選を迎えようとするこのタイミングで提案型の質問をするのもいかがなものかなと思ったのですが、よく考えると議場には次の市長選に出馬予定の方が2名ともいらっしゃるじゃないですか!
・・・と、いうことであれば、ぜひ私の提案を聞いていただこう!との思いで、今回この質問をさせていただきました。
(1)市のホームページで市内企業の求人情報を掲載する事について
今回(1)と(2)については、北見市での事例を紹介しながら質問させていただきました。
北見市では、市や北見公共職業安定所などでつくる『北見市大卒者情報センター』という組織があります。このセンターでは、情報提供を希望する大学生等に対して、個別にメール等で情報提供を行う他、市のホームページに新卒者の採用を予定する地元企業の情報を掲載することや、北見商工会議所などと連携して道内大学を回ってのUターン就職PRや、札幌での合同企業セミナーを開催しています。
江別市には魅力的な企業がたくさんありますが、まだまだ認識されていないのが現状です。更にコストの問題から大手就職情報サイトを活用できないとの声もあります。やはり情報がなければ、江別の企業が選択肢の一つにも上がらない訳ですから、この情報提供の部分を何とかしたい…そこで経費をかけずにできるところからということで、まずは市のホームページに市内企業の求人情報を掲載してはどうか?という提案です。
答弁としては、ハローワーク等と相談しながら検討したいとの事。比較的前向きに捉えていただいた印象です。
(2)地域で働きたい若者に情報提供等を行う組織を立ち上げることについて
これはまさに北見市のように、ハローワーク等と連携して、地域で働きたい若者に情報提供等をおこなう組織を立ち上げることの提案です。
オホーツク地域の中核市である北見市と、札幌という大都市近郊にある江別市との違い、また北見公共職業安定所と比べ、江別にあるハローワークは札幌東公共職業安定所の出張所であることなど、北見で出来るから江別でも出来るという簡単なものではないことは十分承知していますが、それにしてもなかなか素っ気ない答弁でした(苦笑)
(4)の質問もそうですが、やはり他の組織や企業を巻き込んでなにかをつくるというのはハードルが高いですね。
答弁の中では『有給インターンシップ等地域就職支援事業』に触れていました。この事業は市内大学に通う学生が登録をして市内企業等にインターンシップとして入るもの。これを情報提供と言うのはいささか苦しいと言わざるを得ませんし、もし情報提供の場としても活用するのであれば、もっと別の取り組みが必要となるのではないでしょうか。
さらに答弁では『地域雇用連絡会議』を活用するとありました。しかし原則年1回しか開催されないこの会議でどのような情報提供を行い、どのように活用するのか・・・いただいた答弁の内容について今後しっかり検証していきたいと思いますし、情報提供のあり方について、今後も考えて行きたいと思っています。
(3)高校生就職支援事業の拡大について
(1)(2)とは少し視点を変えて、市内高校に通う生徒と地元企業を結ぶ取り組みについての質問です。
現在江別市では、市内高校生の適切な進路・職業を選択するための職業観の醸成、および進路や職業に就くための知識の習得支援のため『高校生就職支援事業』が実施されています。この事業は主に市内高校卒業予定者のうち就職を希望する生徒となっています。
これについては大切な事業であると思っていますし、今後とも続けていかなければならないと考えていますが、これに加えて進学を希望する生徒にも江別市内の企業を知ってもらう取り組みが必要ではないか、例えば現在年1回・1会場で開催されている「企業交流会」の学校ごとでの開催や、地元企業の見学会を実施するなど、進学のために江別を出て行っても、将来江別に戻ってきてもらうために種を蒔きましょうよ、というのが今回の提案です。
答弁ではこれまで実施してきた企業交流会について、今年度から新たに就職希望者だけではなく進学予定者を含めて開催し、参加者が昨年度の59名から137名に大幅に増加した事が紹介されました。
この人数の大幅増について、実は今年から1年生も参加対象としたことによる要因が大きいのですが、これはこれで底辺の拡大という意味では大変いい事だと思っています。実際のところ問題なのは、公立私立を含めて市内に5つの高校がある江別において、この企業交流会に参加しているのは2校の生徒。残り3校の生徒さんはほとんど参加されていないということなんですね。
もちろんカリキュラムの問題がありますし、進学を希望している生徒さんに直接関係ない就職に向けた支援は必要ないといえばそれまでなんですよね。いくら行政側がやりたいと言っても、やるかやらないか、参加させるかさせないかは学校の判断に委ねられている。この辺の壁をどう取り払っていくのか、行政×学校×生徒がwin.win.winになるような形をつくるために、もう少し知恵を絞らなければならないと感じました。
(4)奨学金の返済を支援する基金の設置について
国は平成27年4月に、奨学金を活用した大学生等の地方定着促進要綱を作成し、企業からの寄付と地方公共団体の出捐 (⇨しゅつえん:金銭や物品を寄付すること。人のために金を使うこと。)により、連携して基金を設置した場合、地方公共団体が出捐した額の2分の1について、特別交付税が措置されることになりました。
この制度を利用して初年度は鳥取県が基金を設置。その後2018年には32府県に拡大、また300を超える市町村においても同様の取り組みが広がっています。
「こうした基金を是非とも江別市で!」との提案でしたが、前段でも述べた通り、他の企業や団体と何かをつくるというのは非常にハードルが高いですね。
答弁の中で気になったのが『基金については現在のところ北海道でも設置していない』というところ。でもこの基金の設置は北海道がやるから江別もやるというものではないよなあ・・・と思っています。
また、これは答弁を受けての再質問で発言させていただきましたが、北海道がこうした基金を設置した場合、ともすれば多くの企業が存在する札幌市に人材が集中してしまう可能性がある。そうした中で江別の独自性・優位性を発揮していかなければならないと考えると、それこそハードルが上がってしまう可能性があると思うんですね。だとしたらいち早く江別における基金の設置を!と思っているのですが、現実はそう簡単ではありませんね。
「今後、北海道や他市の状況、市内企業等の意見も参考にしながら、奨学金の返済を支援する基金のあり方について研究したい」とのことでしたので、その答弁に期待したいと思っています。
今回の一般質問の動画のリンクを貼っておきますので、お時間・興味のあるかたはご覧いただけると幸いです。
これで私の市議会議員1期目における一般質問が終わりました。
この4年間に開かれた全16回の定例会のうち、14回の定例会で質問に立たせていただきました。また、残る2回の定例会については、それぞれ決算・予算の特別委員として数多くの質疑をさせていただきました。
これだけの回数の一般質問、また委員会質疑に立たせていただくことができたのも、日頃から様々な声を寄せて下さった市民の皆様のお陰です。
本当にありがとうございました!