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稲毛区 櫻井秀夫
hsakurai2016@yahoo.co.jp

千葉市長選に関連して財政状況の補足

29年度もスタートして、はや2週間。

今さら感はありますが、本年度予算に関連した千葉市の財政状況について、若干、補足的に言及したいと思いました。
その理由は二つあります。
一つは、県費負担教職員の給与負担等の移譲に伴って起きる、財政上の影響について基本的な誤解を招かないようにすべきであること。
二つには、特に千葉市長選挙(5月14日告示、同月28日投票)が近づき、千葉市の財政に対する誤解を意図的に招きかねない議論があるからです。

県費負担教職員の給与負担等の移譲については、平たく言うと、教職員の給与負担を千葉市に移譲することにより、一学級の生徒人数などの千葉市独自の教育施策が行いやすくなりますが、その一方で、その財源として個人住民税所得割2%の税源移譲や国庫負担金収入などによって、歳入が確保されなければなりません。

私が先の総務委員会でもこだわったのは、歳入確保の方法について国に文句を言う議論ではなく、この移譲によって千葉市の財政規模に変化が生じ、財政の議論で必要な「比較」に誤解が生じやすくなるため、どのようにして市民の皆様に千葉市の財政状況を正確に伝えるかということです。

つまり、標準財政規模に対する公債費等の割合を示した健全化判断比率(の実質公債費比率)をみると、分母の増加により比率が低下するので、実際の公債費(分子)よりも財政健全化が進んだ印象を持ちますし、
逆に、市債残高をみると、移譲に伴って毎年度90億円程度の臨時財政対策債の発行増が見込まれることから、借金を減らすペースが落ちた、財政健全化が後退したとの印象を持ちます。

当局による具体的な数字で表すと、

まず健全化判断比率(の実質公債費比率)は、平成27年度決算では18.0%であったのが、本年度の見込みでは16.3%となり、大きく減っている印象ですが、先の県費負担教職員関連の税源移譲分を差し引くと、つまり比較対象と同じ条件で計算すると17.2%となり、「着実に進んでいるが、安心しない方がいい」という気持ちになります。16.3%という宣伝を耳にしたら気を付けてください。

しかし、既に昨年の決算で18.0%という数字が示されたのは、重要な分水嶺でした。
早期健全化基準である25%を超えることはないという見込みが立ち、将来負担比率が政令市ワーストだった状況からも脱却しました。

私は、熊谷市長が千葉市の「脱・財政危機宣言」を解除するものとばかり思ってました。
というのも、危機的な財政状況を脱したと声高に主張して、本年の市長選に臨めば、財政状況を大きく改善できた分かりやすい旗印として、市長選を有利に展開できるはずです。
しかし、解除しませんでした。
地方債発行に当たって国の許可を要する(千葉市の判断だけでは借金ができない)18%を切っていないことなど、引き続き財政状況が厳しいことによるようですが、謙抑的という印象を持ちました。

 

実は、この誤解という点では、二つ目の市債残高の方をより一層気を付ける必要があります。
市債残高は27年度が10,181億円、28年度が10,139億円、29年度が10,144億円となり、これだけを見ると前年比では28年に42億円減らした市の借金が、29年に5億円増えた!のかと思ってしまいます。全会計の市債残高を5年連続で100億円以上削減してこれた27年度までの路線から、大きく踏み外れてしまったのでは?!という印象を与えかねません。
これも、先の県費負担教職員の給与負担等の移譲分を差し引くと、29年度は借金が5億円増えるどころか、85億円削減していますので、最初の印象と全く真逆だということです。
きちんと比較すると計算上は削減されていても、実態として借金が増えるのでは?という不安を抱くかもしれませんが、この臨時財政対策債というのは、その償還費用は全額国が負担するものですので、千葉市の財政運営の問題というより、国の手当の仕方、国の財源の問題です。

ややくどい言い回しでしたが、これだけでも千葉市の財政状況としては、
「着実に進んでいるが、安心できないので、今の路線を踏み外してはならない」というのが私の結論です。
さらにくどいですが、以上のことからも、今回の市長選で「5億円借金が増えた!」という市政批判があれば、全くの悪意以外の何物でもないということです。

もちろん財政というのは、えてして財政再建という総論賛成、自分の福祉に直結する各論の削減反対という議論になりやすいのですが、
最大の困難である財政再建を成し遂げていることは、個別事業のような相対評価ではなく絶対評価の領域であり、また市債発行の抑制は、建設事業の厳選が主たる要因ですから、福祉の切り捨てや大型事業の優先などという批判は全く的外れであると言えます。
それは、このような厳しい財政状況下でも、福祉の個別事業が他の同規模の政令市と比べて劣っているどころか、各種子育て支援の充実や安心ケアセンターの増加など具体的に追っていくと明らかです。

今回の市長選では、市民の皆様への財政に関する正確な情報提供がなされ、そして個別事業で実りある議論がなされることを望みます。

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