なぜ今解散総選挙?
声が多いので、私なりにまとめてみました…
世界一のスピードで進む少子高齢化の中、社会保障の充実・安定化は待ったなし(社会保障費は毎年1兆円増)であり、消費増税などによるその為の財源確保は残念ながら必須であります。
そうした背景のもと、決められない政治を繰り返し、景気低迷の状況にあった2年前、国民は自民・公明による政治を選択しました。
新政権は、その増税可能な環境を作り出すために、アベノミクスを中心とする景気経済対策に邁進してまいりました。
その結果、株価の倍増、失業率の低下、高卒・大卒の就職率などで改善が見られる他、賃上げに踏み切る企業が出てきたことは事実であり、確かに景気好循環の雰囲気は感じられます。
(少なくとも、前民主党政権の3年間よりは明らかにはるかに改善しております。また、例えば千葉市における法人税収入を見ても、着実に上昇しリーマンショック以前の水準まで回復しつつあります。)
しかしながら、(法律に則って)来年10月からの消費増税についての判断を迫られた現在、
「景気回復の実感などない」
「10%への消費増税など有りえない」
それが現場を歩いていて聞かれる大半の声であります。
そして、今回のGDP速報値の通り、(主に夏場の消費が伸び悩んだこともあり)残念ながらそうした現場の声を証明するような数値が報告されたところであります。
さてそこで、安倍総理は最終的に「先送り」という結論を導き出したわけでありますが、単なる「先送り」とはしませんでした。
(単なる先送りは、国際社会からの信頼を失うのみならず、社会保障に必要な財源確保の道が限りなく遠のくからであります。)
その下した決断とは、(増税できる環境を整えるべく)アベノミクスの継続強化と時期(平成29年4月)を定めた消費増税実行であります。
景気条項を設けないという点で極めて大きな軌道修正であり、重い決断であります。
(ちなみに公明党は、その増税と同時に軽減税率の実現を訴えており、自民党も同調される動きにあります。)
もう一段上の景気回復への道は、決して容易ではなく、100%成功するなどとは言い切れない以上、その決断の是非を問うというのはやはり当然のことのように思えます。
少々それますが…
総選挙などせずに、粛々とそれらを進めていく選択肢はもちろんあったのかもしれません。
ただその場合、野党やマスコミはそれ(アベノミクスの継続や期限をきった消費増税の決断)を是とするでしょうか?
やれアベノミクスの失敗だとか、やれ公約違反だとか、あるいは今国会で終始したような揚げ足取り論戦の繰り返しで、匹敵する対案を出すこともなく(本来進めなければならない議論を避け)批判ばかりを一層強めることが想像されます。
(この2年間がそうであったように)
過度な政治の停滞は、改革のスピードを遅らせるだけであり、その結果、想定していた成果が得られなければ、結局責任を問われるのは時の総理であり政権であります。
解散理由の説明の際、安倍総理は「信なくば立たず」と言っておられましたが、待ったなしの状況下にある現在、それなりの国民の理解と協力を得た上で着実に次のステージに進みたいというのが総理の思いであったのではないでしょうか?
ともあれ、今回の選挙をより有益なものとするためには、選挙戦に突入する前に、こうした素朴な疑問に対するより丁寧な説明は不可欠であります。政治に携わる一員として、様々な場面を通じて私なりに訴えてまいりたいと思います。
ついでに余談ですが…
今回の解散を巡って、事情がつかめない一国民が疑問を感じてしまうことはさておき、国会議員の方々が大義云々といって右往左往したり、いつまでも疑義を唱えていることには正直違和感を感じます。
そもそも衆議院の解散権は首相にあることは議員であれば誰もが知るところであり、まさに常在戦場の立場にある仕事であります。
また、先に述べたような総理の大きな軌道修正(決断)は、大義として十分に成り立ちます。(政治の世界に身を置いていれば、さほどの違和感は感じないはずであります。)
その立場にありながら「解散反対」「大義がない」と叫ぶ様子は、(同じ議員目線で見ると)単なる準備不足や立場への執着を背景とする「恨み節」のように見えます。