オリンピック活用提言
「オリンピック・パラリンピック」と「千葉市」をつなぐ30の提言
2020年の東京オリンピック開催に向けて、日本社会の方向性が大きく変わり始めた。その象徴的な分野は外国人観光客の招致と受入にある。昨年の外国人観光客は800万人強。東京オリンピック開催の2020年には2000万人と見込まれ、さらに国は2030年には3000万人の目標を掲げている。そしてその大半が成田国際空港を利用し、東京オリンピック開催によりその加速度は一層高まりつつあると言える。
これは、本市の発展、市民のくらしの質の向上を目指す、こうした新たな時代の流れ、方向性に沿ったまちづくりの提言である。
Concept.1 Arrange(準備)
1.千葉市・オリンピックプロジェクトの立ち上げ
2020年を目途とする、「おもてなし“力”」「バリアフリー」「スポーツ文化」の向上を目指す庁内組織の立ち上げを求
める。
2.有識者協議会の設置
歴史、文化、まちづくり等に造詣のある有識者による協議会(諮問機関)の設置を求める。
3.外国人スタッフの採用
推進スタッフとして、本市在住外国人、留学生等の積極的な採用を求める。
4.アイディア、ビジネスモデルの市民からの公募
“市民とともに”の理念のもと、SNS等をフル活用し広く意見を収集することを求める。また、インセンティブの付与に
ついても検討を求める。
5.広域連携できる都市との協定締結推進
インバウンドを一体的に推進すべく、近接市との積極的な連携を求める。
Concept.2 Access(交通)
1.京葉線、りんかい線の相互直通運転の実現
舞台となる有明エリアへのアクセス向上を求める。
2.「成田」-「千葉」直通線(JR)の拡充
日本の玄関口である成田からのアクセス強化を求める。
3.高速バス乗り入れターミナルの整備拡充
幕張、千葉、稲毛、蘇我など成田・羽田両空港からのアクセス向上を求める。
4.中央港・旅客船桟橋を活用した新たな海上ルートの開拓
運行実験中の「羽田航路」の他、「有明」「幕張」への新たな海上ルートの開拓を求める。
5.人気観光スポットへのアクセスをアピール
築地、秋葉原、浅草、横浜、スカイツリー、ディズニー、新勝寺等へのアクセスガイドの作成などを求める。
Concept.3 Universal Design(まちづくり)
1.ユニバーサル社会に向け道路バリアフリー化の徹底推進
主要街路の電線地中化、自転車レーンの設置、歩道のカラー化、ゾーン30の推進加速を求める。
2.各種案内情報のグローバル化
交通機関、道路等の標識のグローバル言語化、ピクトグラム(絵文字)の増設、所要時間の明示等、各種案内情報の見直し
を求める。
3.観光情報センターの充実
ひと目で観光案内所とわかるデザインの見直し、案内の体制・コンテンツの拡充を求める。
4.情報インフラの整備拡充
公衆無線LAN(WiFi)の対応エリアの拡大と多言語対応の推進、市HPにおけるスマートフォン対応のコンテンツ
拡充を求める。
5.各種施設のバリアフリー化の拡充
車いすの人向けのエレベーター、トイレの設置、視覚障がい者向け音声ガイドの設置等、バリアフリー化の徹底推進を求
める。
Concept.4 Contents(魅力形成)
1.外国人観光客にうける観光コースの商品化
世界遺産・富士山眺望(ダイヤモンド富士)スポットの開発、東京湾クルーズ等、観光コースの商品化の促進を求める。
2.歴史文化遺跡等のパワースポット化
世界一の加曽利貝塚を中心とした縄文文化の再現、千葉一族ゆかりの地の探求等、パワースポット化の推進を求める。
3.グルメスポットの開発とグルメ情報の集約
千葉の「食」を堪能できるスポットの開発や、急増するアジア・イスラム圏からの来訪者を意識したグルメ情報の集約・
発信を求める。
4.オリンピック・カウントダウンイベントの開催
オリンピック開催の機運を醸成する関連イベントの誘致、開催を求める。
5.「おもてなし」ボランティアガイドの育成
「千葉」を語れるボランティアガイドの育成強化を求める。
Concept.5 Promotion(宣伝)
1.ターゲットマーケットへの集中プロモーション
海外旅行会社へのアプローチや商談会への参加など、官民一体となった誘致活動の強化を求める。
2.モニターツアー、ファムトリップの積極開催
海外への情報発信力の高い旅行ブロガーや旅行雑誌社のライター等を招聘したモニターツアー等の積極開催を求める。
3.市民による魅力発信の仕組みづくり
市民に本市の魅力を発信してもらう仕組みづくりや、誘致推進サポーター、ネットプロモーターの採用(委嘱)を求め
る。
4.「Stay-Chibacityプロジェクト」の立ち上げ
「千葉市のホテル」ガイドの発信や民泊の推進など、宿泊客の獲得を目的とする取り組みの強化を求める。
5.キャンプ地としての宣伝強化
競技練習会場の無償提供等、キャンプ地として活用を促す宣伝の強化を求める。
Concept.6 Dream(夢)
1.ナショナルトレーニングセンター(NTC)の誘致
「スポーツのまち」の形成を目指し、トップアスリートを育成するNTCの誘致を求める。
2.障がい者スポーツセンターの整備
障がい者スポーツの強化を図るべく、障がい者がスポーツに取り組める環境の整備を求める。
3.選手候補者育成プロジェクトの立ち上げ
オリンピック出場を目指すアスリート、及び子どもたちをサポートする仕組みづくりを求める。
4.市民へのスポーツ文化の醸成
高齢者も楽しめるニュースポーツの普及・環境整備や総合型スポーツクラブ・NPO等、新たなスポーツ団体の立ち上げ
支援を求める。
5.スポーツ教育、五輪教育、ボランティア教育の推進
オリンピアン・パラリンピアンの小中学校への派遣などを通じて、フェアプレー精神、国際性等を身につける教育の推進を
求める。