政治家を目指す以前、都内のとある中学校で教員をしていた私の夢は『世界の学校で教壇に立ち、子どもたちを育てたい!!』というもの。

 海外日本人学校の教員になるため、日常の授業を充実させようと研究を重ねるとともに、世界情勢へも関心を持っていました。

 2010年8月、JICA(独立行政法人 国際協力機構)主催の教師海外研修への参加者選考に通り、マレーシアにて11日間の研修を受けてくることができました。

 各種学校の視察をしながら、これからの開発と自然保護、他民族国家の現状、現地の人々の生活など、様々なテーマについて充実した研修を受け、無事帰国。そこに暮らす人々との生活は日本とは全く異なるものでした。

 

【第1話】 森の中で村人たちと暮らしたホームステイ

 本州よりも大きなボルネオ島には、3千万種類いるといわれる地球上の生物の約60%が生息しています。

 多様な生物が暮らしやすい自然豊かな島。お風呂やシャワーはなく近くの川で体を洗います。赤道付近のこの国ですが、冷たい川の水に慣れるまでが大変でした。

 洗濯も川でします。それだけきれいな自然が残っているということですね。

 

 

【第2話】 SUMO KEN-DAMA CHOPSTICKS

  マレーシアのサバ州モンゴルバル村。この村の子どもたちは4つの村の子どもたちが通う小学校で勉強しています。各学年1クラス20人程度の小さな学校です。

 私はこの学校で小学1年生に日本の文化を紹介する授業をしました。食べ物、建物、スポーツ、おもちゃなど日本とマレーシアの違いを写真や実物を通して説明。私の日本語を同行した英語の先生が英語に訳し、その英語を担任の先生がマレー語に訳すというもの。

 箸を使って消しゴムをつかみ上げる、相撲の説明をして子どもと対決、けん玉を使って遊ぶ。とても好奇心旺盛な子どもたちと充実した時間を過ごすことができました。

 

【第3話】 生命のゆりかご マングローブ樹林

 マングローブをまもることの重要性を伝えるKKウェットランドセンターは、多くの地域から子どもたちの参加を受け入れている施設です。

 ここではマングローブ樹林を散策し、実際にマングローブの植林を体験しました。マングローブが育つとそこに小魚が隠れ家として集まり、エビやカニ、貝類などが生息する環境が生まれます。他の生態系維持にも役立っているというのがこの植物のすごいところです。

 掲載した写真で私が乗っている部分は枝ではなく根です。私が乗っても折れないほどの強度でした。地上の幹から出た根からも地中の養分を吸収し、成長を続けるたくましい植物。しかも塩水を吸収して塩分を葉から出すため、海水でも生息できるのです。(葉を舐めるとしょっぱい味がしました。)

 環境教育推進のためのディスカッションなども非常にためになりました。

 

【第4話】 ONE MALAYSIA

 マレーシアはマレー系、中国系、インド系の民族が住んでいる他民族国家。人種を始め言語や文化、宗教など様々な違いを認め合い、「ワン マレーシア」を合言葉にひとつにまとまろうと努力しています。

 

 こんな話しを聞きました。マレーシアで人気のファーストフード店と言えばケンタッキーと答える人が多いようです。マクドナルドも人気がない訳ではないとのことですが、ケンタッキーは店舗数も多く24時間営業の場合もあります。日本とは逆のような気もしますが、それはマレーシアの人々の宗教に理由があるようです。

(マレー系の中学生→)

 

  インド系民族が多いヒンズー教徒にとって牛は神聖な生き物、またマレー系民族が多いイスラム教徒にとって豚は汚れた生き物。両者にとってそれぞれの肉は宗教上の理由で食べることはできません。このことから鶏肉を使うケンタッキーが最も人気のファーストフードとなっていることにも納得ができます。

 

(中国系の中学生→)

 他民族国家ならではの、日本とマレーシアの文化の違いを感じるお話でした。ともあれマレーシアのケンタッキーは日本の値段と比べて半分程度、何よりマレーシアの鶏肉はジューシーでとても美味しい(個人の感想です。)ので機会があればぜひお試しください。

 

(インド系の中学生→)

 

※写真は交流先の女子校に通う子どもたち  

 

【第5話】 日本語で学ぶ学生たち

 JICAは発展途上国に対して有償・無償の資金協力、人材育成や技術協力を行う機関。日本への留学を希望する学生たちとその指導にあたる教員の取り組みを視察しました。

 ボルネオ島からマレー半島へ。この大学では1・2年生で日本語の基礎を学び、3・4年生では日本語で授業を受講するという取り組みをしていました。

 見学時に行われていた授業は電子工学。私も工学部出身者として授業を見学しましたが、日本の理工系大学で行われている授業と変わらない内容でとても驚きました。日本語が母国語ではない学生たちの目は真剣そのもの。

 このような学生たちが将来日本へ留学し、そこで得た技術をマレーシアへ持ち帰り、日本との架け橋になることは両国にとって有益なこと。多くの学生がそのチャンスをいかしてもらいたいと感じました。

【第6話】 クロッカー山脈公園局訪問

 貴重な生態系の残るクロッカー山脈。こちらの宿泊施設ではガスを利用することができないためシャワーは水です。川でお風呂に入ることに慣れていたのでそれほどの抵抗はありませんでした。

 日が暮れてから行われたナイトウォークでは青年海外協力隊の方から日本には生息しない生物の生態について伺い、暗い中で耳を澄ますと多様な生物の鳴き声が聞こえてきました。この山脈は地域の人々の大切な水供給源となっています。翌日も散策を続ける中で様々なお話を伺い、この自然を保護することの意義を強く感じました。

 

 【第7話】 公園局内施設での貴重なお話

 サバ州では地域に住む人々の文化および伝統的生活を維持しながら環境保全を進めることを大きなテーマとして掲げています。

 地域の制度や政策にいたる様々な分野にまで協力を広げるJICAは、コミュニティ・ユーズ・ゾーンという考え方を提唱し、現地の人々が生活するための資源利用ができる区域を明確にし、人と自然が共生する環境整備にも取り組んでいます。 

 

 環境分野のお話を伺った後、現地スタッフのご配慮で戦時中に暴虐の限りを尽くした日本軍のお話を現地の方から聴くことができました。

 国のエゴによる国際紛争が現地の人々の生命を脅かし、どれほどの苦痛を与えるかということを真剣に考えさせられました。

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