真珠湾攻撃のわずか4ヵ月後に日本本土に空襲があったという事実を知る人は多くありません。さらに、その場所が荒川区の尾久であるということは長い間、地域の方にも忘れ去られていました。

 私は地元尾久地域で初空襲があったということを多くの方に知っていただきたいとの思いから、尾久橋町会の取り組みを応援しています。

 時が経つにつれ戦争というものがどこか遠くの世界のものであったかのような感覚になってしまってはいけません。

 『第4回尾久初空襲を忘れないコンサート』を前に、主催者である尾久橋町会の田村正彦会長と対談を行い、次世代へ平和の尊さを伝えたいという思いをしっかりと受け止めさせていただきました。

 

菊地   今日はお忙しい中、時間をいただきありがとうございます。

田村   菊地区議にはいつも地元のためにご尽力くださり、また尾久橋町会のいろいろなご相談にのっていただいております。具体的な事例の解決、適切なアドバイスと実現力に深く感謝致します。

菊地   これからも微力ながら地域の皆様のため尽力させていただきます。さて、『尾久初空襲を忘れないコンサート』が今年も開催されますね。私も議員となって初めて参加するこのコンサートを楽しみにしています。

田村   ありがとうございます。尾久初空襲の史実と平和の尊さを次の世代に引き継ぎたいとの思いから始めたこのコンサートも第4回目を向かえます。

菊地   私がこのコンサートのことを知ったとき、初空襲と聞き、まず『東京大空襲』のことを思い浮かべました。終戦間際の昭和20年3月10日、江東区の深川地区や城東地区などで被害が大きかったあの空襲のことを。

田村   地元の住民からも長い間、忘れられていたくらいなので無理もないでしょう。開戦当初、アメリカ大統領のルーズベルトは、真珠湾攻撃に対する復讐とアメリカ国民の士気を高めるため、東京の爆撃を思い立ちました。日米開戦から4ヵ月、連戦連勝ムードに酔う日本国民に大きな衝撃を与えた爆撃こそ『尾久初空襲』です。

菊地   その頃は破竹の快進撃を続ける日本です。その本土に近づくことすら考えられないことだったと思います。

田村   アメリカ軍は航空母艦から爆撃機を発進させ、爆撃後の着陸予定地を中国とする作戦を決行しました。短い滑走路でも離陸できるよう、飛行機を軽くするため中国まで飛べるギリギリの燃料だけを積み、訓練を重ねていたようです。当時では奇抜な方法であり、向こうも必死だったものと思います。

菊地   首都東京が攻撃を受けるということは、どれほど日本国民に不安と恐怖を植えつけたことでしょう。この空襲を体験された数少ない方のお一人が田村さんであると聞いています。

田村   日本本土で初めて爆弾が落とされたのが当時の荒川区尾久町九丁目(現在の東尾久八丁目)です。昭和17年4月18日、小学1年生であった私は、午後12時15分頃、帰宅直後に爆撃に会いました。爆弾が落とされたのが隣家だったため、家がもちあがるほどの衝撃でした。台所で水を飲もうと蛇口を開けた瞬間、ドドーンと大きな音がして、家の中で吹き飛ばされました。

菊地   空襲警報を鳴らすなどの防空体制はなかったのでしょうか。

田村   南方戦線で優位に立っていた日本軍部は「敵の飛行機は一機たりとも首都には侵入させない」と豪語し、防空演習の必要はないとまで言っていた程でした。爆弾の直撃を受けた民家には直径10メートル深さ2メートルの弾孔があき、一家6名が遺体となって発見されました。この空襲によって尾久では死者9人、重傷者38人を数えたと言われています。

菊地   そんな壮絶な戦争体験をお持ちの田村さんです。毎年4月に行われている追悼慰霊のコンサートに対する思い入れも相当なものがあると思います。今回の『尾久初空襲を忘れないコンサート』への意気込みをお聞かせください。

田村   今回は荒川区より西川区長、川嵜教育長に来ていただきお話していただきます。また、都立竹台高校・区立尾久八幡中学校の吹奏楽部による演奏や区立尾久小学校・大門小学校の児童による研究発表、初空襲体験者と都立竹台高校の演劇部による対話劇など盛り沢山です。若い世代に尾久初空襲を始め、戦争の悲惨さや平和の尊さを語り継いでほしいと強く願っています。

菊地   公明党は、核兵器の使用はいかなる理由があっても許されぬ「絶対悪」との思想に基づき、断固たる決意で核兵器の廃絶を推進しています。また、不信を信頼に変え、反目を理解に変える「対話」「文化交流」「青少年交流」の拡大に力を注いでいます。

 これからも「平和の党」の使命と責任を肝に銘じ、世界の平和に貢献する日本の国づくりに邁進していくことを重ねてお誓い申し上げます。

 今日は若い世代を代表し、田村さんの思いをしっかりと受け止めさせていただきました。本当に貴重なお話をありがとうございました。

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