予算委員会 公明党討論
本予算案に賛成、修正案に反対の立場で討論を行います。
本予算案は防災まちづくりの推進、子育て環境の整備や介護予防の強化、地域の経済や文化・スポーツの活性化など、限られた財源を重点的かつ効果的に配分されているものと高く評価いたしました。
具体的には、総合スポーツセンターの改修やあらかわ遊園のリニューアル、区立児童相談所や宮前公園内への新尾久図書館の建設、日暮里地域活性化施設の整備着手等、2020年という我が国にとってのターニングポイントとなる年に向けて、荒川区としての準備を着実に行われているものと受け止めております。
ソフト面では、産後ケア事業の拡充や聴覚障がい者や外国人のコミュニケーション支援、感震ブレーカーの無料配布、在宅高齢者への生活支援体制強化、中小企業の人材確保定着支援、読書の街あらかわの推進等々、暮らしの安らぎと夢を育む予算という位置づけに相応しい内容と認識いたしております。
私たちは本予算案の編成前にあたり、荒川区の各部との政策協議会を実施させていただき、健康部を第1回目として計14回にわたり区民の幸福実感に資する政策について、その実現に向けた具体的な議論を交わしてまいりました。
そしてその内容を、日頃の区民や団体の皆様からいただいている区政に対する要望と併せて来年度予算要望書としてまとめ、昨年の10月に西川区長へと提出いたしました。
本予算案においては、私たちの要望が随所に盛り込まれており、本委員会の質疑においても区民生活の向上に資する予算であることを確認し、本予算案には賛成とさせていただきます。
さて、先も述べたとおり、区は限りある財源の中で最大の効果を発揮するための予算を組み、将来的なコストにもしっかりと対応できる蓄えや未来を担う子どもたちへの投資など、現在から未来への展望をも含む予算案を提出したものと受け止めております。
それに対し、修正案については、所得にかかわらず多くの対象者に現金給付をするものや、現在でも区としての負担軽減策を実施しているものに対するさらなる助成や完全無償化など、区民の血税をまるで湯水のごとく使ってしまうような内容であり、到底許されるものではありません。
同種の条例を実施する一部の自治体を見ても、1年限りの実施ではなく将来にわたっての負担が見込まれており、その高度な判断には、十分な会派間のコンセンサスを得るという過程が必要不可欠です。
そのプロセスが不十分なままに、一方的にこのような内容を議会にかけることそれ自体、今回の修正案を可決させようという真摯な姿勢を欠いていると言わざるを得ません。
多くの議員の賛同を得るためには何が必要なのか、今一度考え直していただきたいと申し述べ、修正案には反対とさせていただきます。
(時計を気にしながら、残り1分、ギリギリでした)
荒川区の子どもたちのための教育費
教育費については先日視察させていただいた柏市の事例を取り上げ、外部指導員を活用することによってプログラミング教育に興味関心を持たせることについて要望しました。
また、空調設備について区教育委員会は平成31年度に全校導入を目指すという答弁を引き出すことができました。学校選択制にも影響はないことも確認できました。
タブレットパソコンを活用した学校教育の充実
- 新学習指導要領にある道徳の教科化、外国語活動、プログラミング教育などが始まる、教員の負担増につながると考えるが、どのように受け止めているか
- プログラミング教育を実施している荒川区で、それを担う授業者はその学校の教員であることが多いと思うが、負担等の状況は
- 外部の方が授業者となるケースはあるか
- 柏市で実施しているプログラミング教育について、どのように認識しているか
- プログラミング教育の効果を高め、教員の負担を軽減する外部講師による授業の実施をするべきと考えるが、教育委員会の認識は
学校体育館における空調設備の設置
- 検証する体育館をどのような基準で決めるのか
- 空調効果等の検証、等とは何か
- 他の自治体の事例を検証結果として活用することはできないのか
地域の賑わい創出
産業経済費の質疑では商店街振興と区の魅力発進について質問しました。
あらかわ遊園がリニューアルのために1年3か月以上休園となることから、地元の商店街振興についてはより今あるイベントに力を入れて支援するべきだと考えます。
また、著名な方を観光大使にすることに併せて、区の魅力を発信する区民を応援する仕組みづくりについても伺いました。
【あらかわ遊園リニューアル期間の地域振興】
- 尾久地域のイベントとして女子医大通り商店街のわくわくコミュニケーションやあらかわ遊園商興会のハロウィンなどが実施されなくなった、閉鎖期間は人の流れが止まる、商店街振興をどのように考えるか
- 昨年の夏に新しいイベント、ストリートフェスが実施されたがどのようなものか
- 区としての支援はできているのか
- 荒川商業高校のレガロ工房という模擬株式会社がある、夕張メロンカップがクラウドファンディングで100万円を集めて成立した、様々な地域の人々が活躍するイベントであり、これからも支援するべきであると思うが区の見解
【一般区民の観光大使】
- 一般区民の方が区の魅力を発信する事例はあるか
- つくば市観光大使や水仙娘など他自治体の取り組みをどのように捉えているか
- バラの市やしだれ桜祭りなど活躍の場は考えられるのではないか
虐待の未然防止としての貧困対策について
本会議と違い予算審議は原稿を読む形ではないので(読んでもいいのですが)理事者の方がどう答えるかによって次の質問を変えたりもします。
ただ、すべて場当たり的にやっていると収拾がつかなくなってしまうのも心配なので、聞きたいことをメモしています。
児童虐待の未然防止とその対応に力を入れるように要望しました。
【質問メモ】
子ども家庭支援センターにおける要保護児童対策
・養育環境の改善を図る事業(養育支援訪問事業、安心子育て訪問事業)のこれまでの実施結果
・養育が困難な保護者を支援する、漏れが無いようにサポートしなければならない
子どもの居場所づくり事業
・実施団体の連携強化とは、協議会など実施すべきでは
・新たな居場所の開設の見込みは
・大学生との連携による学習支援ボランティア
協力家庭ショートステイ
・短期間養育・保護とはどのようなものか
・協力家庭の見込みは
過去最大規模である995億円の予算案
来年度予算についての審議が行われいています。私からは6億円の予算が組まれている区立児童相談所について、以下の質問をしました。
23区の中でも世田谷区、江戸川区と荒川区が先行して平成32年に設置を予定しています。
【他区との関係】
- 区外の児童を保護することはあるのか
- 児相と児相の間で調整する必要性が出てくるがその対応は
- 他区保護所利用時の事故対応と責任の所在についての見解
【運営方針】
- 厳しすぎても優しすぎても問題が発生するリスクがある、荒川区の児相はどのような運営方針なのか
- 虐待を受けた児童と非行的な逸脱行為を行った児童が一緒になることの心配
- 都児相は相部屋が多い、荒川区の児相は個室、児童の生活に落ち着きを与えるが、個室化は保護すべき児童数と男女比や幼児・学齢の入所枠を制限する
- 個室化は入所枠が減ってしまうが、そもそも少人数でのきめ細かい対応を考えているのか
【夜間休日対応】
- 勤務時間外の窓口は他の児相との共通のシステムが必要ではないか
- 共通のシステムを運用するためにどのような準備をしているか
【職員確保】
- 児童福祉相談部門は特に法的な介入権限を行使するため、タフな精神力が求められる
- 民間事業者からの多様な採用形態も考えられるのではないか
- 心理指導部門では、愛の手帳判定水準の精度を高める、判定医の確保は給与面を含めて困難ではないか
- 選考方法や給与体系、年齢制限など枠を超えた特例的な採用方法が必要、これまでの人事採用の通則では優秀な人材の確保が難しいのではないか
- 夜間の警備員等の配備は考えているか
【家庭養護への転換】
- 里親確保について、区が児相を設置する大きなメリットであると考えるが、里親確保のための普及啓発、広報、開拓についての見解
- 産婦人科や乳児院、民間業者等の社会資源を有効活用するべきではないか
【荒川区立児童相談所の在り方】
- 里親や養子縁組家庭への支援は児童が大人になってからも必要、本当の親は誰なのか、私の実の親は今どこで何をしているのか、などの児童の気持ちに寄り添う側面を発揮することを期待する