決算審議 総括質疑 液体ミルク編
質問
3点目は、乳児の防災対策についてです。災害時に乳児の命を救うものがミルクです。どんなに水や食料があっても乳児に与えることはできません。乳児に与えるミルクについて備蓄内容はいかがでしょうか。
答弁
乳児用のミルクの備蓄につきましては、粉ミルクで1,568缶備蓄しております。そのうち、アレルギー対応の粉ミルクは56缶を備蓄しております。
質問
粉ミルクを乳児に与えるまで、熱湯、薬剤、蒸気などで哺乳瓶を消毒し、計量したミルクを入れ、70度以上のお湯でミルクを溶く、衛生的な水を足して流水で人肌まで冷ます。このようなプロセスが必要です。災害時にはきれいな水や消毒された哺乳瓶、煮沸する器具などがそろうとは限りませんし、母親の安否や心理的な状態の変化によって母乳が与えられない状況も考えられます。
先ほど述べたような乳児にミルクを与えるまでの手間が一切必要ないのがこの液体ミルクです。日本ではまだ法の規制があり流通していませんが、海外ではスーパーやドラッグズトアなどで日常的に入手できます。
4月14日に発生した熊本地震では、フィンランドの乳製品メーカー「ヴァリオ」が液体ミルク約5000個を無償提供し、熊本県益城町や西原村などの保育所に配られました。
水道やガスなどのライフラインがない場合でも、衛生的なミルクを乳児に与えるためにも、常温で長期保存が可能なこの液体ミルクを備蓄しておくべきではないでしょうか。
答弁
乳児用液体ミルクにつきましては、無菌充填のため衛生的であり、また、委員ご指摘のとおり常温保存できることから、そのまま飲むことができるなどの利点がございます。しかしながら、食品衛生法上におきましては、乳児を対象とした液体状の調整乳としての規格基準が示されておらず、また、日本国内で製造されていないことなどから、現状では備蓄として導入するだけの量を安定的に入手することが非常に困難な状況でございます。
災害時に飲む乳児用のミルクにつきましては、平常時においても使用されているものが望ましいと考えますが、現在、国の規制改革会議において、乳児用液体ミルクについて、規格基準の策定に向けた検討がなされており、今後、規格基準の策定がなされれば、国内メーカーによる製造が開始されることが期待されます。
区といたしましては、国の動向や市場における流通状況を見極めながら、引き続き、調査研究をしてまいります。
質問
液体ミルクを普及させるためには国や乳製品メーカーへのアプローチが必要であり、区として推進できることは限られているかもしれませんが、国内で流通していないのであれば、国際的な災害協定を結ぶことも考えらます。熊本にはフィンランドから液体ミルクが届いているわけですから、荒川区の国際交流都市であるウィーンや大連、済州など、国内だけでなく国際的な災害協定を結ぶこともこの際、提案させていただきます。