決算審議 総括質疑 働く女性の子育て支援編
公明党の菊地秀信です。公明党区議団を代表し、荒川区の子育て支援政策について3点にわたり総括質疑を行います。
質問
1点目は、働く女性の子育て支援についてです。今月2日に厚生労働省が発表した待機児童の数は2万3553人で、2年連続増加しており、このうち3分の1は東京都内に集中しています。
これからの少子高齢社会を乗り越えていくうえで、働く女性の子育て支援は大変重要であり、私たち公明党はたびたび議会でも取り上げ、予算要望書にも重点項目として掲げてきました。
これに対して西川区長は、認可保育園の定員を11年間で2倍増となる約2000人増、保育料の高い東京都の認証保育所と荒川区の認可保育園の保育料の差額を最大6万円補助、特区事業を活用し、都市公園内に保育園を設置するなど、力強く子育て支援政策を進められていることに感謝申し上げます。
その結果、東京・神奈川・埼玉・千葉の主要地区と全国の政令指定都市計100自治体を対象とした日経DUALと日本経済新聞社の調査では、共働き子育てしやすい街ランキングで全国№1となりました。
これからも私たち子育て世代の要望に応え、将来を担う子どもたちの養育環境をしっかりと整備していただきたい、その思いを込めて、まずは今後の荒川区の待機児童対策について伺います。
答弁
区では、安心して子育てができる環境を整備するため、とりわけ待機児童対策には重点的に取り組み、この10年間で2千人の保育定員の拡大に努めてまいりました。
共働き世帯の増加のほか、委員のご指摘のとおり、荒川区の子育て支援施策に対する高い評価を受け、子育て世帯の転入の増加などにより、入園希望者が急増し、本年4月の待機児童数は164人となりました。
今後も、就学前児童人口の増加などに伴う保育需要の増加が想定されることから、区では、新たな保育施設の整備を進めております。
平成29年4月には、国家戦略特区の規制緩和を活用した汐入公園内など3か所の認可保育園を開設し、平成30年4月までには、荒川税務署の未利用敷地の取得などで、さらに3か所の認可保育園の開設を予定しており、今後、500人の定員拡大を行うこととしております。
待機児童の解消には、保護者の選択肢を広げるという観点から、育児休業制度の抜本的な見直しも必要であり、先月、特別区長会から厚生労働大臣に緊急要望を行ったところです。
区といたしましては、保育の質の確保に留意しながら、新たな保育施設の整備を着実に進めるとともに、国や都に積極的に働きかけ、待機児童解消に向けて鋭意取り組んでまいります。
質問
多様化する保育ニーズに応える荒川区の保育行政であってほしいと念願いたします。子育て世代の増加によって荒川区は人口が増え、働き盛り世代の増加は区民税の税収増にも結び付いています。
これは高齢者の方が多くお住いの荒川区にとって、これから益々介護福祉や認知症対策に予算を充てなければならないことを考えると、子育て支援政策の推進は子育て世代だけではなく、高齢者世代にとっても望ましいことです。
この好循環を維持する中で、保育サービスの向上に努めていただきたいと思いますが、区内在住で働きながら0歳児を育てる母親から6時くらいまででもいいので預かってもらえると仕事にも差し支えないという要望が届いています。荒川区は0歳児について5時までしか預かっていません。これはなぜでしょうか。
答弁
区では、現在、区内のすべての認可保育園において、ゼロ歳の保育時間を午前8時30分から午後5時までとし、満1歳を迎えた日から、午前7時15分から午後6時15分までの11時間保育の長時間保育を利用できることとしています。
これは、子どもの最善の利益を保障し、子どもの健やかな成長には心の安定が必要との観点から、ゼロ歳の間は家庭の中で、保護者とできる限り接する時間を長くとってほしいという思いから、こうした取扱いとしております。
質問
子どもが1歳になるまでは在宅での育児が望ましい、という考え方や思いはよく理解できるのですが、家庭にはそれぞれ事情があり、就労や生活の形態も様々です。
5時にお迎えに行かなければならないと考えると職場によっては定時前の4時台には職場を離れなければなりません。23区でも0歳児について5時以降も預かっている区は多いという状況を考えると、実施するべきではないでしょうか。
答弁
このところ、出産後早期に職場復帰をされた方からは、ゼロ歳児における現在の保育時間を延長してほしいという要望も増えており、区としても、こうした思いをしっかりと受け止め、多様化する保育ニーズに応えていく必要があると認識しております。
ゼロ歳児の保育時間の延長にあたっては、開始可能とする月齢や人員体制の確保など整理すべき課題がありますので、区民のニーズや運営事業者の意見を十分に聴きながら、検討を進めてまいりたいと考えております。