日本が火山国であることを改めて見せつけられる事態となった。
 
長野、岐阜県境にある御嶽山(おんたけさん)が噴火した。国土交通省が設置したカメラの映像では、南側斜面を噴煙が3キロ以上も流れ下っている様子が観測された。御嶽山は紅葉シーズンも始まり多くの登山客がいたが、突然の噴火に巻き込まれて火山灰に埋もれるなど、多数の人的被害が生じた。

 山頂付近や山小屋にはけが人や取り残された人も多数いる。政府は、火山活動を注視しつつ、両県とも連携し、被害状況把握と救援活動に全力を尽くしてほしい。

 御嶽山が噴火したのは2007年の小規模噴火以来7年ぶりだ。気象庁は5段階ある噴火警戒レベルを、火口内の立ち入りを規制する1(平常)から登山の禁止や危険地域への立ち入りを規制する3(入山規制)に引き上げた。今の規模の噴火活動が数カ月続くことも考えられ、火口から4キロ程度の範囲では噴火に伴う大きな噴石の飛散にも警戒がいるという。また、噴火に伴って生じた衝撃波が空気を伝わる「空振」で窓ガラスが割れたりすることがある。やはり、十分な注意が必要だ。

 御嶽山は1979年10月、有史以来初めてとなる噴火を起こした。その際には、火山灰が前橋市付近まで到達し、山麓(さんろく)では降り積もった火山灰により農作物への被害が出た。

 今回も、これからの噴火活動や気象条件により、火山灰の影響が広範囲に及ぶ恐れがある。わずかな降灰でも、道路が滑りやすくなったり、標識が見にくくなったりする。大量の降灰と降雨などが重なれば、土砂災害の危険も生じる。気象庁などによる迅速な情報提供が重要だ。

 日本列島には北から南まで110の活火山がある。このうち、頻繁に噴火活動を繰り返したり、火山活動の高まりが見られたりする47火山は、気象庁が大学や自治体などと連携し、常時監視体制を敷いている。

 御嶽山もその一つだ。今月10日から体に感じない火山性地震が増え、気象庁は16日に火山活動がやや活発になっていると発表したものの、噴火警戒レベルは引き上げなかった。地震回数が減り、GPS(全地球測位システム)観測などにも変化はなかったためだ。

 結果として気象庁の対応は後手に回ったが、噴火予知の難しさを示したと言える。

 00年3月の有珠山(北海道)噴火では、地震活動が活発化したことを受け、噴火2日前に自治体が住民に避難指示を発令したが、11年1月の霧島山系・新燃岳の噴火では、事前予知ができなかった。こうした経緯を教訓に、噴火警報の在り方や活火山の監視・観測体制の見直しについて、今後、検討を重ねてほしい。

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