バックナンバー 2011年 10月

欧米では、女性が子宮頸がん検診を受けることが一般化しており、アメリカやフランスでは約70%の女性が定期的に健診を受けています。一方日本では、自治体や職場での検診費用補助があるにもかかわらず、子宮頸がん検診受診率は20%程度で、先進国の中でとても低いのが現状です。

現在、厚生労働省では、20歳以上の女性に対して2年に1度の子宮頸がん検診を推奨していますが、子宮頸がんは、毎年世界で約50万人、日本では約1万5千人が新たにかかる病気です。子宮頸がんは、女性特有のがんとしては乳がんに次いで「り患率」が高く、特に20代~30代のがんでは第1位となっています。日本では、毎年約1万人もの女性が新たに子宮頸がんにかかっており、毎年約3千500人が子宮頸がんで亡くなっています。これは、1日に10人もの人が亡くなっている計算になります。

子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因で起こることが知られています。HPVはとてもありふれたウイルスで、性交渉の経験のある女性の80%以上が、50歳までに感染を経験するといわれています。特に若い年代の感染率は非常に高いと言われます。この感染源であるHPVには、100種類以上の型がある中で、15種類程度ががんを引き起こす可能性がある「高リスク型」と呼ばれています。このうち「16型」「18型」が子宮頸がんの原因の約65%を占めていると言われています。

では、この「高リスク型」のHPVに感染したらどうなるのかというと、感染したからといって症状は何もありませんし、すぐにがんが発症するわけではありません。人間の免疫力によって多くの場合、ウイルスは体から自然に排除されます。しかし、この機能がうまく働かずにウイルスが子宮頸部に残り、長い間感染が続いた場合に、その部分の細胞が5年以上かけてがん細胞へと進行していくのです。

子宮頸がんの恐ろしいところは、初期には症状がほとんど現れないところです。気付いたときにはすでに進行していたというケースも少なくありません。子宮頸がんの発見が早ければ、摘出手術などをせずに体を守ることもできます。しかし、摘出手術となれば、体は守れても子供を出産することができなくなります。ここが、先ほど述べた少子化の問題と大きくかかわってくるのです。そして、摘出したからといってがん細胞がすべてなくなる補償もありません。

もう少しだけ話をさせていただきますが、HPVが引き起こす病気は子宮頸がん以外にもあります。「せんけいコンジローマ」という病名でHPV感染により、直径1~3ミリ前後の良性のイボが性器のまわりにできる病気です。これは男性も感染します。日本では1年間に3万9千人が感染していると考えられています。妊娠している女性が「せんけいコンジローマ」を発症していると、出産するときに赤ちゃんにもウイルスが感染する可能性があります。症状が重いと、自然分娩をあきらめなければならない場合があります。「帝王切開」となれば、これも母子ともに危険のリスクがともないます。

こうした話を聞いていただいただけでも、いかに予防が大切かわかっていただけるかと思います。現在、日本で接種できる子宮頸がんの予防ワクチンは1種類でHPVの「高リスク型」16・18型の2つの型に対して感染予防効果を持つものです。海外では、もう1つHPVの「高リスク型」に加え「せんけいコンジロ-マ」の原因となる6・11型と4つの型に対して感染予防効果を持つものが使われています。

是非、「定期予防接種」としての要望を実現してまいりたいと思います。啓蒙啓発においては、本当に愛西市の将来に関わる問題として位置づけしていただき、NPO法人またボランティア団体等と連携を取ってもらい人の集まる場所でのキャンペーン活動、講演会等も活発に行っていただき人口減少・少子化という問題も食い止めるために行政、市民が一丸となった取り組みをお願い致します。そして「教育委員会」で是非、「子宮頸がんの怖さ」「予防ワクチン接種の必要性」を話題として取り上げていただき、最低でも中学3年の保健体育で教えていただくことを提案いたします。

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