・池波正太郎氏の著作に「信長と秀吉と家康」がある。天下統一をなし遂げた三代の英傑の戦いを等身大で描いている。

 信長は少年の頃から、「敦盛」という舞に合わせた文句の中で ”人間五十年。下天のうちをくらうれば、夢まぼろしのごとくなり」というのを好んだそうだ。

 信長は十四歳のとき、父の織田信秀に従い、初めて戦場に出た。そのとき、「父上、人間というものには、ただひとつ、生まれたときから、はっきりとわかっていることがありますね」と言ったそうだ。

 それは何か、少年信長は答えた。「それは、死ぬことです」

 父の信秀も、いくら戦国の世ととはいえ、思わずしばらくの間、黙って我が子の顔を見詰めたそうだ。

 天性の生死観であろう。悟っていたとすれば、やはりただものではない。そして、その後の行動を見ていけば、その言葉も理解できる。

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