はまよつ敏子HP 向日葵通信

2007年10月16日予算委員会で質問

助産所支援、緩和ケア教育体制の整備や子宮頸がん、リンパ浮腫対策、また救命用エピペン注射、公文館について予算委員会で質問


(質問の全文掲載)

浜四津敏子


 公明党の浜四津敏子でございます。
 総理は所信表明で、我が国は真に消費者や生活者の視点に立った行政に発想を転換しなければならないと述べられました。生活者の政治を掲げる我が党としても全く同感でございます。それは、政治も行政も国民の皆様のため、国民の皆様に奉仕する、これが本来の使命のはずだからでございます。是非大きく変えていきたいと思っております。
 その思いで、少し細かい質問になりますけれども、今日は医療行政に絞って、真に患者さんの立場に立った医療を前進させることを中心に質問をさせていただきます。
 まず、厚生労働大臣にお伺いいたします。
 今、妊婦さんは子供を産む病院を探すのに大変苦労しているのが現状でございます。ところが、今こうした状況に更に拍車を掛ける、妊婦さんがますます困ると、こういう事態が起きようとしております。それは、昨年の医療法の改正によりまして助産所の開設要件が厳しくなったんです。来年四月からは、助産所は万が一の場合に受け入れてくれる医療施設、連携医療機関、これを確保しなければ開設できないと、こういうことになりました。この確保は助産師さんにとって大変難しいと多くの助産師さんから声が寄せられております。
 医療機関を確保できなくて苦労しておられる助産所を国と地方自治体が協力して引受手を探す手伝いをする、さらに、どうしても見付からないと、こういう場合には国立病院やあるいは公立病院が必ず引き受ける、それぐらいのしっかりした支援をすべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。


桝添厚生労働大臣


 今、浜四津委員が御指摘のとおり、大変これは厳しい状況でございます。
 今の御指摘は医療法の第十九条の問題でございます。現実に、来年の四月一日から施行ということで、一年凍結案がありますから。しかし、今、御承知のように嘱託医師及び連携医療機関の確保ということになっていますが、連携医療機関だけ確保していただければそこの医師でもまずいいということで、少し運用を緩和いたしております。
 それから、この十月三日にも都道府県の担当者を集めまして、嘱託医師の確保に全力を尽くせという指示を与えてございます。
 それから、先生御指摘のように公立病院の活用ということもこれは十分考えられますけど、公立、私立を問わずこの嘱託医の確保のために協力していただきたいと、こういう立場で、いずれにしましても、今後とも、今御指摘の嘱託医師の確保が着実に進むように厚生労働大臣としても全力を挙げてやりたいと思います。


浜四津敏子


 助産師さんは多くの妊婦さんの方から頼りにされておりまして、年間一万人が助産所で出産しておりますので、是非全力を挙げて取り組んでいただきたいと思います。
 次に、文部科学大臣に伺います。
 昨年、がん対策基本法が成立いたしまして、いよいよ我が国はがん医療先進国に向けて本格的なスタートを切りました。中でも画期的なことの一つは、がん特有の痛みを和らげる緩和ケア、これを治療の初期の段階から十分に受けられるようになるということになったわけです。がんになっても痛まないという時代が日本にも到来することになります。
 しかし、それを十分に実現するためには人材育成が欠かせません。そのためには、何といっても医師になるすべての人が医学部で十分な緩和ケア教育を受けられる体制を整備することが是非必要だと思っております。日本では、緩和ケアの講座を設けている大学というのはほとんどありません。緩和ケアというのは、患者さんの目線に立った温かい医療の第一歩でございます。がん以外の病気にも必ず広がっていくと思います。真に患者さんのための医療に従事する医師を育てる使命と責任が大学にはあります。
 その使命を果たせるよう文部科学省として強力にリードすべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。


渡文部科学大臣


 先生のおっしゃる緩和医療、緩和ケア、これは大変重要な問題であるというふうに考えております。もう欧米ではかなり進んでいると聞いておりますが、日本ではまだまだかなり末期になってからしかこの緩和ケアはやらないといったような問題があります。
 そういった観点に立ってこのがん対策基本計画作られておりまして、大学でいいますと、現状としてはすべての大学の医学部において緩和医療に関する教育を実施する講座等は設置をされておりますけれども、専門的に教育を行っているのは、残念ながらまだ東北大学と大阪大学の二大学のみとなっておるところでございます。
 我が省といたしましては、今後、大学における講座等の設置、これは大学の主体的な意思によって決められるものでありますけれども、しかし、そういったことを促進をするためにおいてもがんプロフェッショナル養成プラン等既に行っておりますが、こういった施策を強力に進めまして、今後、緩和ケアの人材育成に努めてまいりたいというふうに考えております。


浜四津敏子


 是非よろしくお願いいたします。
 次に、厚生労働大臣に伺います。
 最近、日本の若い女性の間で急速に広まり、死亡率も上昇しているがんがあります。何のがんか御存じでしょうか。それは子宮頸がんでございます。
 専門家の話では、子宮頸がんというのはほかのがんと異なって一〇〇%予防できるがんだそうでございます。どうすれば予防できるのか。それは、実はウイルスの感染を予防するワクチンが既に開発されておりまして、そのワクチンを接種することによって予防ができる。既に世界八十六か国で承認されております。このワクチン、日本はまだ承認しておりません。
 大臣、子宮頸がんの予防のために今すぐすべきことが二つあります。一つは検診率の向上です。そして、もう一つはこのワクチンの早期承認でございます。
 是非、日本の女性を子宮頸がんから守ると、こういう気概と本気が大臣に求められていると思いますが、いかがでしょうか。


桝添厚生労働大臣


 浜四津委員御指摘のように、まず一つ、子宮頸がんを始めとするがん検診、これは受診率を高めると、とにかく受診してください。今、一八・九%でございます。これを五年以内に五〇%以上とすると、こういう目標を掲げておりまして、啓発啓蒙活動をまずやりたいと。それから、各指針を自治体に示しまして、都道府県別のこのがん検診受診率を公表すると。こういうような取組を含めまして、是非これはマスメディアの皆様方にも御協力を賜りまして、がん検診率を高めたいと思っています。
 それから、今おっしゃいましたように、この有効なワクチンでございますけれども、今の開発状況は、二つの会社が国内で開発を進めております。今、一社から薬事法に基づいて承認申請が出されているところでありまして、国内で治験を実施しております。
 なるべく早くこの承認にということでございまして、これはこの機会をかりてお話し申し上げますけれども、今ドラッグ・ラグ、つまり承認までどれぐらい掛かるか。日本は平均四年でございます。アメリカが一・五年でございます。もう既にこれに取り掛かりまして、今年を含めて五年以内にこの四年という期間を一・五年に縮める。つまり、アメリカ並みに五年以内にいたします。そのために審査をする人員を倍増する、今約二百人、これを四百人にすると。そういう方針を既に立てて動き出したところでございますので、この子宮頸がんのワクチンについても全力を挙げて、先生の思い、そして日本全国の女性の思いが実現をするように努力いたしたいと思います。


浜四津敏子


 是非、若い女性の方々を子宮頸がんから守ると、こういうことで早期のワクチンの承認、そして検診率の上昇、これに取り組んでいただきたいと思います。
 大臣、もう一つ伺いますが、リンパ浮腫というのを御存じでしょうか。子宮がんや乳がん、こういう手術を受けた患者さんの二割から三割もの高い割合でリンパ浮腫というのが発症しております。
 ちょっとパネルをごらんいただきたいと思います。(資料提示)これ、足でございます。これがリンパ浮腫でございます。一生治ることはありませんけれども、早期から適切に治療、ケアすることで重症化を防ぐことができます。ところが、これらは大変医療費が高くて、患者さんにとっては大きな負担になっております。大臣、リンパ浮腫の重症化を防止するための治療、患者指導、そして専用サポーターなどに是非一日も早い保険適用をお願いしたいと思います。
 ちなみに、治療していますとこのようになりまして、日常生活、多少不自由ですけれども歩けるようになると、こういうことでございます。大臣、よろしくお願いします。


桝添厚生労働大臣


 今先生、写真でお見せいただきましたように、乳がんとか前立腺のがんとかリンパのところをやりますと、それに液がたまってそういう状況になる。
 それで、今、日本の例えば薬、それからいろんな弾性サポーターを含めて保険適用になるかどうかというのは、その治療の有効性とか効率性とか安全性、こういうものをいろんな指標から中医協の方で審議をいただくということになって、今既に審議をしていただいております。そして、その結果をなるべく早くいただきまして、先生の今おっしゃった思いが実現できるように努力してまいりたいと思います。


浜四津敏子


 早期の実現を是非よろしくお願いいたします。
 次に、食物アレルギーについてお伺いいたします。
 おそばとかあるいは乳製品、卵など、食べ物が原因で起きる食物アレルギーのアナフィラキシーショックによる死亡者というのは年々増えております。しかし、それを減らす方法があります。それは、ショック状態になったときにその治療薬であるエピペン、私は今現物を持っておりますけれども、このエピペンというのが患者さんに処方されます。いざというときにこれを太ももに押し当てるだけで、非常にこれ簡単です。ふたを取って太ももに押し当てるだけで命が助かると、こういうものでございますけれども、実はこのエピペンというのは患者さんとその家族にしか使用が認められていないんです。ショック状態になって自分で打てない、救急車を呼ぶ。でも、救急救命士がこれを使用できない状態なんです。
 これは素人の人でも簡単にできるエピペンでございます。AEDより簡単、こう言われております。ましてや救急救命士の方にとっては、高度な様々な特定行動をやっておられる救急救命士の方にとっては、これを打つということはそれほど難しいことではないはずでございます。是非救急救命士の使用を可能にしていただければ、どれだけ多くの命が救われるか分かりません。是非一日も早くこれを認めていただきたいと思いますが、大臣いかがでしょう。


桝添厚生労働大臣


 今先生おっしゃったとおりで、例えば学校で給食を食べている子、食物アレルギーで今言ったアナフィラキシー症状を起こしちゃう。そうすると、もう一一九番掛けるわけですね。救急車が来る。今これ私も見ましたけれども、ぽっと刺すだけでいい。ただ、問題は静脈なんかに打つと若干の問題があるというようなこともありますけれども、もう簡単にこれできます。
 そこで、これ総務省、消防庁とも今協議を開始しておりまして、何とか救命救急士の業務の範囲内にこれを入れたいと、早急に実現すべく頑張ってやりたいと思います。


浜四津敏子


 よろしくお願いいたします。
 総理にお伺いいたします。
 医療は患者さんのためにあると、国民の皆様の安心、安全のためにある、そういう医療に変えるためには、何といっても総理のリーダーシップが必要だと考えます。今、何点か現場の声を基に具体的な質問をいたしましたけれども、これは現場の声のほんの一部でございます。時間の関係でほんの一部だけ質問いたしましたけれども、日本の医療行政を始め行政の今後の在り方について、総理の御感想と御決意をお伺いしたいと思います。


福田内閣総理大臣


 いろいろなことがあるんだなと思いながら今伺っておりましたけれども、日本の医療というのは、これは、例えば高齢者社会と申しますか長寿社会を実現した、世界一だということもありますし、また乳幼児の死亡率も世界一低いと、こういうようなことがありまして、これは誇るべきことであり、こういうことを今後もずっと続けていかなければいけないと思います。
 こういうことが、今までの医療関係の方々の御苦労とか、政府の努力もあったかもしれませんけれども、そういう総合的な結果によって達成できたんだということでございますが、これは今までのことなんですよ。今は一番いい、長寿社会だと、こういうふうに言われているけれども、しかし、今までのことを続けていくだけでこれからもそういう状況を続け得るかどうかということについては、これは保証はありません。ですから、不断の努力が必要だし、そして直すべきことは直していくという観点も必要だと思います。
 いずれにしても、持続的な制度、これをどうやって構築していくかということがこれからもとても大事なことなのではないかというふうに思います。
 これは中長期的な観点から申し上げましたけれども、しかし同時に、今現在何をすべきかという、そういう観点もございます。そういう観点からの今御質問を伺ったわけでございますけれども、これも極めて大事なことでございまして、こういうことにどのように対応できるか。素早い対応をするように今厚生労働大臣も必死になってやっているところでございますから、私も期待をいたしたいと思っておりますが、救急医療とかいったようなこともございますんで、そういう様々な事態に的確に対応できる医療体制というものを構築するように努力してまいりたいと思っております。


浜四津敏子


 最後に、ちょっと話は変わりますけれども、憲法の制定やあるいは沖縄返還、日中国交回復などの歴史的な出来事についてどういう交渉があったのか、それは公文書に残っているわけですけれども、それが明らかになるのは、そのほとんどがアメリカとかあるいはほかの国の国立公文書館に所蔵されている文書で明らかになったと、こういうことが多いわけでございます。日本では他国に比べて大事なこうした歴史を証明する公文書を保存する体制が非常に不十分、遅れていると、こういうふうに言われております。膨大にある公文書について、何を、いつまで、どこで、どのようにして保存するのか、そのルールを明確にする法制化も必要だと思いますし、また、そもそも利益が期待できない国立公文書館が独立行政法人で使命を果たせるのかどうかも検討しなければならないと思います。この国立公文書館の充実促進に総理は深い関心を持っておられると伺っておりますが、お考えを伺います。


福田内閣総理大臣


 我が国政府が作ります、生み出している、毎日のように、山のように、それは国立、今は独立行政法人でありますけれども、公文書館というところに収められるわけであります。しかし、それが御指摘のとおり、必ずしもすべて行っているわけじゃないんですね。年金なんかも政府の作る文書ですね。ですから、本来なら、公文書館に行くということがルール付けられていれば、過去の年金の記録はすべてそこに行けば分かるということで、今あるような混乱も生じなかったのではないかというように思います。
 ほかの国はそういう体制が非常に充実いたしておりまして、我が国はそれに比べると誠にお粗末というか、わびしい状態であるということでございます。そういうわびしい状態の中で一生懸命辛抱して努力してやってくれていますけれども、それにしても、いかにもちょっと体制が十分でないということは明らかでございます。例えば、公文書館で働く人数だけで比較するわけにいきませんけれども、日本の場合には四十二人しかいないと。アメリカでは二千五百人いると。中国、韓国でも八百人とか四、五百人いると。こういう体制でございまして、日本の公文書館をきちんと整理、保存するということによって、御指摘のように、日本の歴史もきちんとそこに保存されるということは可能でございます。
 外交交渉をやろうと思っても日本に資料がないというようなことだったらこれは情けない話で、まともな交渉もできないということになります。これからはやっぱり交渉の時代でございます。外交交渉もそうでございますけれども、その際に交渉の材料になるものは、やはりそういう資料、記録だと思いますので、そういう観点からも考えましても、国益のためにこの公文書館制度がしっかりしたものでなければいけない、そんなふうに思っているところでございます。どうぞよろしく御協力をお願いしたいと思います。


浜四津敏子


 終わります。ありがとうございました。

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