スピーディな東日本大震災からの復興。着実な防災・減災対策の推進

東日本大震災からの復興と福島の再生。東京電力福島第一原子力発電所事故の収束。それは、いま日本が向き合っている特別な課題、解決すべき喫緊の課題です。国はまだ被災地域の要請に十分応え切れていません。反省と真摯な姿勢を堅持しつつ、公明党 は早期に復興の道筋をつけ、原発事故の真の収束を進めます。
さらに、巨大地震など将来の大災害に備え、暮らしに安心をもたらします。

大震災からの復興を加速

①復興の加速に向けた具体的な工程表を明示

被災者に生活再建への希望を。被災市町村だけでなく、より細分化した区域ごとに住まいやまちづくりに関する事業のスケジュールを明らかにし、災害公営住宅・宅地の供給に関する具体的な見通しを明示します。
その上で、この工程表をもとに被災自治体と国が一体となって、被災地域ごとの状況に応じた復興事業の加速化を図ります。

②復興事業実施の問題点を克服

復興事業は人材が不足しています。土木・建築分野をはじめ各分野の専門家を関係省庁や全国の自治体から派遣するとともに、公務員OBや民間経験者等の活用を推進します。発注方法の工夫や事務の外注化など、事務負担の軽減も図ります。
また、資材も不足しています。その対策として、具体的な需給見通しをもとにした資材供給の条件整備や公共による仮設プラントの整備などの対応を進めます。労務費や資材費が高騰する場合の予定価格への適切な反映や入札方法の工夫を進めるなど、入札不調も防止します。
さらに、所有者不明の土地の取得など、復興事業用地の円滑な確保を進めるため、土地収用制度や財産管理人制度等について、被災地域の状況に応じた柔軟かつ大胆な制度運用を実行し、その迅速化をめざします。

③地域の実情に応じた復興交付金制度の運用を柔軟化

被災自治体が地域独自の課題やニーズに対応できること。その地域の特色を生かした復興事業を円滑に推進できること。そのために基幹事業や効果促進事業のきめ細やかな運用を図ります。
また、復興交付金の対象外である各種の復興関連事業についても、包括的に実施できるよう、取り崩し型復興基金などの復興関連制度の積極的な活用を進めます。

④心のケアの充実、医療・介護を再生

仮設住宅等での生活の長期化に伴い、PTSD、うつなどの心の健康面の問題への対応が求められています。心のケアセンターの専門職による訪問支援など、各種の生活支援サービスの充実を図ります。
また、被災地における医師、看護師等の不足への対応も必要です。市町村の復興計画の進み具合に合わせて、医療・介護等の基盤を着実に整備します。

⑤農林水産業を復興

被災地が新たな農林水産業の先進地となるよう復興を加速させます。農地・漁港等の本格的な復旧を着実に推進するとともに、水田の大区画化などの農地基盤の強化、漁港施設や魚市場の高度衛生管理体制の構築、関連産業との連携強化を進めるなど、積極的な支援措置を推進

福島の再生と原発事故の真の収束

①福島を再生

除染、賠償、帰還支援など、福島の再生には広範にわたる課題があります。この課題を整理した再生プランをもとに、被災者から理解を得られるよう福島再生を丁寧に進めます。
具体的な帰還支援策、生活再建策、賠償などについては現場主義に徹し、被災自治体の要望に応じて国の責任で実行します。また、低線量・内部被ばくの防止対策に万全を期しながら継続的な健康調査を実施します。
福島の一日も早い再生とともに、将来に希望が持てるような「再生可能エネルギーの世界的な先進地=福島」に向けた取り組みを加速します。

②廃炉に向けたロードマップを策定

今なお約15万人の方々が厳しい避難生活を余儀なくされています。すべての国民が安心して生活することができるよう、廃炉をはじめとした様々な課題に全力で取り組みます。
特に、東京電力福島第一原発の廃炉に当たっては、今年中に4号機の使用済燃料プールから使用済燃料の取り出しを開始します。廃炉に向けた工程を明確にするため、各号機ごとの廃炉に向けたロードマップを策定します。
また、廃炉に向けた技術者など人材の育成確保について、国が責任を持って積極的に取り組みます。

③安全管理を厳格に

地元の方々や国民の安全・安心を確保するため、使用済燃料プールの冷却停止事故や、汚染水漏れ事故などの再発防止対策等を行い、現場の安全管理の徹底を進めます。
中でも、一日400トンのペースで汚染水が増え続けている現状に対し、汚染水貯蔵タンク増設等の長期的な保管計画の見直しを進めます。また、汚染水の増加を抑制するため、地下水バイパスを進めるとともに、建屋への地下水流入を抑制するためのさらなる対策の実施に向けた検討を進めます。
さらに、放射性物質濃度をより一層低く管理するため、新たな処理設備を早期に安定稼働させるとともに、監視体制を強化し、環境への影響を最小限に抑えます。

④除染を加速

物理・化学・生物学的な除去技術の研究開発を進め、新技術の採用と利用拡大により、効果的かつ迅速に除染作業を進めます。また、除染作業とインフラ復旧等を一体的、同時的に推進し、作業を効率化します。
「除染適正化プログラム」に基づき、作業を適切に管理するとともに、従事者の放射線被ばく線量の記録の保管を確実に行います。
除去土壌等については、現場保管容器の開発を進め、記録簿に基づき安全に保管するとともに、早期に現場保管から仮置場、中間貯蔵施設に移行させます。
除染費用の円滑な支払いを確保するために、環境省の「除染関係ガイドライン」を弾力的に運用。除染交付金・補助金を柔軟に執行します。
福島県内に限らず、汚染状況重点調査地域内の居住地域での除染への支援を強化。安全・安心の生活環境を早期に実現します。
森林除染に関しては、汚染状況等を科学的に把握し、総合的に対処します。

除染を加速

防災・減災対策の推進

①「防災・減災等国土強靱化基本法」を制定

東日本大震災の経験を踏まえ、大規模な自然災害などからの備えを進める「防災・減災等に資する国土強靭化基本法」を制定します。
基本法は国民の生命や生活を守ることが目的です。道路や学校といった建造物だけでなく、行政機能や医療、エネルギーなど幅広い分野で防災・減災対策を推進します。対策の実施に当たっては災害に対する耐久力などを総点検する「脆弱性評価」を行うとともに、費用の縮減や民間資金の活用も推進します。

②首都直下地震と南海トラフ巨大地震対策を推進

首都直下地震は政治や行政、経済機能が集中する首都圏に大打撃を与えます。行政機能の維持やそのための基盤整備のほか、木造密集地域対策や帰宅困難者対策、住民防災組織への支援強化などを盛り込んだ特別措置法を制定します。
一方、最大で40都府県で被害が及ぶなど、激甚な被害想定が政府から出されている南海トラフ巨大地震については、耐震化等の対策を着実に推進。同時に津波避難対策を強力に推進するための財政措置を盛り込んだ特別措置法を制定します。

③地域や学校、家庭における防災力を向上

地域や学校、家庭の防災力を高めます。そのためには「自助」「共助」の強化が欠かせません。地域ごとの被害想定を踏まえた防災マニュアルの配布や防災訓練の実施を支援します。また、災害から自身の身を守る力を養うとともに、子どもを通じて家庭に防災意識を広げることが期待される「防災教育」の教科化をめざします。

④事前防災をさらに推進

大規模な自然災害に備えるため、道路や橋りょうや港湾などの社会インフラの老朽化対策を進めます。同時に災害への耐久性を強化する事前防災を一層推進します。社会インフラの管理に当たってはアセットマネジメントを導入して費用を縮減し、効率的な事業を展開します。
社会インフラの維持・管理を担う技術者不足が顕著となっていることから、技術者の確保・育成策を強化します。

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