
企業の問題点を見つけ、どう変革するか計画を立て、再生への道筋を示す「経営改革のプロフェッショナル」。竹谷とし子は、業界随一の経営コンサルティング会社で、公認会計士の専門知識を生かし、バブル崩壊に直面する多くの企業を支えてきた。
「国の財政は今、お財布にある現金だけ見て、赤字か黒字か判断している状態。いま見えている現金だけでなく、隠れている借金や資産も、国民に見えるようにしなくては」
企業の仕事内容を分析して、「どこのムダを、どう省くか」「どの仕事に、より多くのお金を使うか」を決める。そして、コンピューターを駆使して、その経営改革を実現させる。いわば「仕分けのプロ」が竹谷だ。
「お金の流れの全貌が見えるようにする『見える化』は、バブル崩壊を生きのびた企業の共通点です。
”国の経営改革”も、これが第一歩です」と現場の実体験で言い切る。その実力は、3500人を超す社員から最年少で執行役員に抜てきされるほど、評価が高い。

国内は未曽有の少子高齢社会。し烈な国際競争を、いかに勝ち抜くかは、日本の死活がかかった大命題だ。竹谷には展望がある。
開発途上国を支援する日本のODA(政府開発援助)。これまではハード面──建物の工事などへの援助が主流だった。一方、効率的な経営のために教育を行ったり、コンピューターシステムを導入するといったソフト面については、日本は消極的。しかし世界の多くの国々は、途上国のニーズ(要望)にこたえ、後者に対しても積極的に支援していた。日本は出遅れていた。
そこに竹谷は風穴を開けた。インドネシアでの業務改善プロジェクト。普通なら30年以上は経験のあるベテランが務める責任者に、竹谷は30代の女性リーダーとして就いた。そして、ソフト面の支援から、途上国に利益を生み出す筋道を奇跡的に解いてみせたのだ。日本の国際貢献に、新たな道を開いた。
「答えは、苦悩する側の中に必ずある。それを対話で、いかに引き出せるかが勝負です」
たぎる情熱、冷静な思考、そして、しなやかな発想で、竹谷は日本の抜本改革に立つ。